2008-01-01から1ヶ月間の記事一覧

食品疑惑〜農薬混入

よく「作った人の顔が見える食材」というお話をさせていただきます。店で使う食材の多くが、作った方の顔がみえたり、獲った方、漁った方の素性がわかる品物です。お酒も造った人もしくは仕入れてくる方のことをよく理解できているものがほとんどであること…

山葵(わさび)上から下まで

一般の方が山葵を目にするのは高級な寿司屋さんに行った時か、活け魚を看板にしたお店でおろし金と一緒についてくるやつくらい?でしょうか。 いつも極上ばかりを頂戴するお付き合いの酒屋さんから山葵を頂戴しました。根(本体)から茎、葉っぱまで全部。こ…

勘違い

意気消沈ついでにもうひとつ苛立ちネタ。 ワイドショーで見たレポート。ある山村を紹介しながら、こちらではコタツには炭をおこして使うので「光熱費はこの通り、都会の半分です」 さらに、「皮を捨てるな」と題して、このオウチでは柚子の皮を捨てません。…

閉店

フレンチの名店「ジョージアンクラブ」が閉店するのだそうです。 話題のミュシュランでも一つ星。料理だけでなく外装内装、サービス、ワインなどなどすべてを含めてグラン・メゾンと呼べる日本では数少ないレストランです。出来たばかりの頃、写真で見る室内…

バート・バカラック80歳

ソングライターの巨匠バート・バカラックが80歳を記念して来日公演をするらしく、様々なFM放送でバカラック特集をやっています。 先日の大貫妙子さんの番組は2時間すべてバカラック。あらためてバカラックのメロディの美しさにウットリしました。かかった…

島値段

お得意様からお伺いしたお話。 年末年始に壱岐を旅行されたお得意様、島をドライブする途中一軒の酒屋さんに立ち寄りました。 島の小さな酒屋さんに大きな期待をするわけもなく、ソフトドリンクを買うつもりで店に入ると、そこには酒屋さんにしては小ぶりの…

「ボラット」

映画「ボラット」をレンタルDVDで観ました。 こんなとてつもなくお下劣でひやひやするほど面白い過激なコメディは見たことがありません。TVでの放映は100%無理。この映画を最後まで面白がって観られるかどうかはコメディ鑑賞の踏み絵になるかも。異次元空間…

地産地消

世の中では地産地消の掛け声がますます高くなってきています。 私がこの仕事についた30年前には、掛け声など関係なく地産地消しかありませんでした。ジャガイモなど大量生産で日持ちのする野菜くらいは全国から集まってくることはあっても、○○産を意識して使…

弁いちのラーメン

お座敷の予約が静かだった今日、お得意様にお出ししたのは私が付っきりで料理できる「庄内豚のしゃぶしゃぶ」 庄内豚のばら肉を薄くスライスしたものを利尻昆布でとった出汁の中でシャブシャブ、軟白葱と京都産の春菊も添えて、ポン酢と伊豆大島産の塩を入れ…

「本日、東京ロマンチカ」

中野翠さんの新刊「本日、東京ロマンチカ」を読み始めました。 このシリーズのコラム集は何冊目でしょう。一年に一回出版されるのをいつも心待ちにしています。他のどんな本を読んでいても、そちらはとりあえず置いておいて中野さんの新刊に手が伸びます。ナ…

真鴨

茨城県鉾田の小野瀬さんが操る「片無双網」捕られた天然真鴨です。猟をした方の素性まで見えている食材はありがたいです。 ジビエのシーズンももうちょっと、網猟でダメージの少ない真鴨で鮮度はもちろん抜群です。まずは肝臓、心臓、砂肝をさっと炙って召し…

料理人感覚?

静岡へ行くと必ず立ち寄りたいパン屋さんがあります。若いご主人の仕事が素晴らしくどれを食べても一つ飛びぬけたセンスが光ります。 先日友人とこの店を訪ねた時のこと、家族へのお土産をと、あれこれ次々と選んでトレーに乗せていきました。それを見ていた…

料理屋の新年会

忘年会新年会で忙しい時期には料理屋の主人は自分たちの忘新年会はできません。そろそろひと段落という頃になって初めて「さて私たちも」と集まるのです。 今日は地元料理組合の新年会でした。 市場が休みで仕込が少ない日、しかもお昼の慌しさをやり過ごし…

未発表の金子光晴

NHK教育で見た金子光晴の未発表詩集「父とチャコとボコ〜金子光晴・家族の戦中詩〜」 金子光晴家族が戦争末期に山中湖畔に疎開していた当時綴られた家族三人の詩を編んだものが、昨年古書店で発見されました。 開戦前から日本の戦争へと向かう世相を厳しく批…

食材の素性

どれほど高価な食材でもその素性がよくなければ美味しくはありません。 大間の鮪がすべて美味しいわけではありませんし、京都の野菜が全部正しいわけでもありません。 料理人はその素性を見極めることが大切です。 秘訣は・・・?ありません。 ひたすらたく…

シルク 

たのしみにしていた映画 「シルク」を観て来ました。 1800年代半ば、フランスで軍人をしていた若い主人公が、結婚し軍隊を辞めて、村を支える仕事である養蚕業ためにはるばる日本まで蚕の卵を求めにやってきます。時は幕末、日本は政情不安定の上に外国人が…

博多押し

博多とは彩りの違う素材を博多帯のように重ねることを言います。 この場合は松輪産の金目鯛とスモークサーモンを竜皮昆布ではさんで重ねています。上にはキーウイの酢。料理屋っぽいしごとですよね。料理人に「○○を博多にしよう」という指示をすると「ああ、…

鍋宅配

せっかくお節料理の宅配で好評をいただき、2年してノウハウもなんとなくものに出来初めています。 で、 このままお節料理だけではもったいない・・・とは思いつつも、いざ他に何か・・・と考えてもなかなかnet通販に適した料理というのはありません。 んじゃ…

中落ち

昨日紹介したコウジンメヌケの中落ちです。 脂がのったいい魚の中落ちは例外なく美味しいです。「本体よりこっちがいいなぁ。これだけで一合飲めるよ」とおっしゃるお客様もいらっしゃいます。 塩を振って単純に焼くだけです。料理屋でこんなお惣菜みたいな…

クリスマスは過ぎたけど

昨年末、大貫妙子さんの深夜FM番組で流れた曲が忘れられませんでした。 J-popは特定のミュージシャンだけしか聴くことがなくて、増してやそれ以外の方のCDを購入することなどめったにありません。MAXI SINGLEなるものを買ったのももしかしたら始めてかも。 …

赤い魚

金目鯛は今、脂がのってとても美味しい季節です。 写真の金目もとても素性のいい金目なのですが、同じ日に入手したコウジンメヌケと並べてしまうと可哀相なくらいに小さく見えてしまいます。コウジンメヌケは6kg、こちらはまさにスーパーサイズのスーパー…

日本のワイン

店においてある唯一の日本ワインが「シャトー・メルシャン 長野メルロー1999」です。 最初にテイスティングした時からその味わいの素晴らしさとコストパーフォーマンスのよさに驚いてケースで頂戴しました。フランスワインに見劣りしない・・・とは言いつつ…

心を打つもの

音楽や映画、絵画など芸術分野においては作品やパフォーマンスそのものの評価が大切で、まとわりつく様々なストーリーは関係なく楽しみたいと常に思ってきました。 若いのに上手だというだけで即天才と呼んだり、不幸な家庭環境から這い上がったとか、不治の…

ウリボウ

ウリボウ ご存知の通り猪の赤ちゃんです。 初めて使うこのウリボウは長野からフレッシュで送られてきたもの、「猪の臭み」などというのは微塵もない肉の旨みだけが感じられるシロモンです。 これまで私たちの認識では猪は近隣の山奥の猟でしとめられ、解体さ…

談春さん

地方都市で落語を生で聞く機会は絶望的に少ないのです。 一ヶ月に一回くらいは落語会があるのですが、日曜日でなければほぼ無理。生で落語を聴くのは十年近く前の小三治さん以来です。 しかも立川談春さん。 CDで「九州吹き返し」「芝浜」の強力な録音を聞…

お客様との距離

お客様との距離のとり方というのは難しいものです。一生の課題です。 お得意様になればなるほどお話が親密になるのは当然のこととしても、客と店のラインはキッチリしていなくてはいけません。お天気の話題や食材、料理、お酒の話題であればどのようにも対処…

名演その25〜聴こえるはずのないハイハットの音が

うかつにも、昨年富樫雅彦さんが亡くなっていたことを知らずにいました。 昨今ではジャズの分野でも若き天才の大安売りが続いていますが、富樫雅彦こそはまさに本物の若き天才でした。 十代でドラマーとして渡辺貞夫さんのグループで演奏し、衝撃的なデビュ…

今はなき「播半」

お客様の口から懐かしい名前が出てきました。 「播半」 今はすでにない西ノ宮甲陽園の名料亭です。「播半」を料亭と呼ぶなら、私の店なんぞ何十年かかっても料亭クラスにはなりえないだろうと思うようなすべてに渡ってあまりにもかけ離れた別世界の料理店で…

田酒ラインアップ

今年の田酒ラインアップです。 純米大吟醸華想い 純米大吟醸四割五分 純米大吟醸山廃 純米大吟醸斗瓶 どれも極上 どれも極少量。しかし美味しさは折り紙つきです。 ひかえめな香り、ふくよかな味わい、長い余韻、さわやかな切れ味、料理の味わいに向うを張っ…

携帯交換

40年以上活躍した鍋に比べ、二年使えば「長く使った」といわれる携帯電話を昨日新機種に交換してきました。40年と2年この違いはなんなんでしょう。 デザインがもっと美しい携帯電話があれば即飛びつくのに、どうしてこの国には斬新で美しいデザインがなかな…