読書

 音楽と小説

音楽が小説に深く関わる作品はたくさん存在します。 この数年で触れたものの中にも奥泉光「シューマンの指」 藤谷治「船に乗れ」「世界でいちばん美しい」 須賀しのぶ「革命前夜」 熊谷達也「調律師」 宮下奈都「羊と鋼の森」(未読) キリがありません。 が…

 ちば漫画

中年男性で「あしたのジョー」を知らない人は少数派でしょう。 私などまさにドンピシャ世代。連載当時が中学生で毎週の連載が楽しみでした。 ちばてつやさんの漫画は私の場合、「ちかいの魔球」に始まり「紫電改のタカ」「ハリスの風」「おれは鉄平」「島っ…

 初めてのkindle

この二年くらい読書の八割は図書館を利用することで済ませています。 増える一方の蔵書を眺めて、「この中で一生友とする本が何冊あるのか?」と考えると、ほとんどが捨てられないけど頻繁に再読する確率は低い本ばかりなのに驚きました。さらに多くは再読し…

 芸者衆

「芸者」と呼び捨てにするのには抵抗がありまして、「芸者衆」(尊称ではないんですが)と少し柔らかく呼びたい・・・というのは、料理屋という家に生まれ育ったからなんでしょうね、子供の頃にはお座敷の三味線の音が子守歌で、正月には帳場をウロウロして…

 藤谷治さん

ラジオ「ディ・キャッチ」で、信頼している書評家永江朗さんが「世界でいちばん美しい」がいい・・・とおっしゃっていたのを聴いて、未知だった藤谷治作品を調べてみました。 もちろん「世界でいちばん美しい」は手に取ったのですが、その前に・・・と代表作…

 月9絡みゆえの

本屋で何気なく手に取っていた道尾秀介「月の恋人」を読み始めたらあっという間にクライマックス。 今晩ベッドの入眠前にラストまでたどり着きそうです。 これはお得意様の○○様にお薦めかな?と思いつつ、mailを送るためのamazonのページを検索すると評価が…

 流星ひとつ

浜松市美術館での「三沢厚彦展」 実物でなければ味わいないファイン・アートの迫力と、彫刻の一彫り一彫りの強い意志と、一刀の力強さ、驚くほど繊細なタッチの総合体としての動物たちに圧倒され心豊かになった帰り道、いつもの本屋さんにふらりと立ち寄りま…

 未知の世界

「この方は!」と見込んだお客様からお薦めの本を紹介していただくことがあります。 どうしても嗜好が偏ってしまうところに風穴を開けてくださるのが心地いい。 「ミュジコフィリア」「マエストロ」といった漫画のほうは、音楽系ということもあってすんなり…

 「火山のふもとで」松家仁之

全編通してなんと心地のいい小説なんでしょう。 読んでいる最中から、「いつ再読しようか」と考えている自分がいます。この心地よさをもう一度・・・そう思わせるのは小説のモデルとなったと思われる吉村順三氏の「小さな森の家」の存在感のように心を満たし…

 時代を切り取る著作

本屋で目にとまった小熊英二さんの「社会を変えるには」という新書は、表題が昨今のキャッチーなタイトルとはかけ離れている分よけいに目につきました。 小熊英二さんが書いたのでなければ「社会を変えるには」という題名ではおそらく手に取っていなかったは…

 なくなればいいのに読書感想文

子供達の夏休みは最終版。泣きながら宿題の空白をうめている少年少女らの姿が目に見えるようです。 なかでも最難関、最後まで手つかずでずるずると引き延ばされる最右翼が自由研究と読書感想文。今では本好きの私ですが、小学校中学時代の読書感想文ほど疎ま…

 備忘録として

再びちょっとうっかり記録を忘れるとたまってしまう読書備忘録この二ヶ月半くらい。こうやって映像で書き留めておくことがとっても役に立ちます。 「笑い三年泣き三月」木内昇 「GMailパーフェクトガイド」 「泣ける話笑える話」徳岡孝夫中野翠 「友がみな我…

葉室麟〜藤沢周平〜山本周五郎

うかつなことに、直木賞の受賞を知るまで葉室麟という作家の存在を知らずにいました。 何度も候補に挙がっているのですから、頭の片隅にあってもよさそうなものなのに全く引っかかっていなかったという無知。「週刊ブックレビュー」に登場しているのをみて早…

備忘録として

最近読んだ本、これから読む本 「映画もまた編集である――ウォルター・マーチとの対話」マイケル・オダーチェ 「日蓮」三田誠広 「道鏡」三田誠広(写真載せ忘れました) 「春を恨んだりはしない」池澤 夏樹 「四雁川流景」玄侑 宗久 「米・百姓・天皇日本史の虚…

 備忘録として

「ホームレス歌人のいた冬」三山喬 「まばたきとはばたき」鈴木康広 「風神帖」池澤夏樹 「困ってるひと」大野更紗 「ポーカー・フェース」沢木耕太郎 「おまえさん」宮部みゆき 「ヒットラー」水木しげる 「いつだって大変な時代」堀井憲一郎 「テレビは総…

「わたしを離さないで」

なかなか手に取れないでいたカズオ・イシグロ「わたしを離さないで」をやっと読み始めたものの、予想通り物語に入り込むのにとっても時間がかかっています。少し読んでは、「おまえさん」(宮部みゆき)に浮気をし、少し読んでは「ヒットラー」(水木しげる…

備忘録として

最近読んだ本 これから読む本 「モールス」リンドクヴィスト,ヨン・アイヴィデ 「テンペスト1-4巻」池上永一 「三谷幸喜のありふれた生活」三谷幸喜 「不肖・宮嶋のビビリアン・ナイト」宮嶋茂樹 「わたしを離さないで」カズオ・イシグロ 「甘粕雅彦 乱心の…

備忘録として

備忘録として最近読んだ本、これから読む本 「あなたのいる場所」沢木耕太郎 「抱影」北方謙三 「砂の王国」萩原浩 「空白の五マイル」角幡唯介 「弦と響」小池昌代 「うちの妻ってどうでしょう」福満しげゆき 「心洗われる話」ちくま文庫 「大発見の思考法…

レポ購読

北尾トロさんの「レポ」の定期購読を始めました。 定期購読なんていつ以来でしょ?記憶さえ定かではありません。 定期購読と言っても一年に四冊。 レポの四つの約束として 1.「レポ」は編集人北尾トロからの読者への超分厚い手紙です! 2.読んでも人生の役に…

備忘録として

最近読んだ本 これから読む本 つまりこの一ヶ月くらいの間にベットサイド デスクサイドに積んである本 「漂砂のうたう」木内昇 「死の棘」島尾敏雄 「きことわ」朝吹真理子 「戦後を語る」加藤周一 「存在の耐えられない軽さ」ミラン・クンデラ 「evernote情…

備忘録として 最近読んだ本〜これから読む本

備忘録として 磯田道史「龍馬史」 井上ひさし「一週間」 トニー・パーカー「殺人者たちの午後」 船戸与一「猛き箱舟」 古川日出夫「アラビアの夜の種族」 平野啓一郎「かたちだけの愛」 カズオ・イシグロ「充たされざる者」 伊坂幸太郎「ゴールデン スランバ…

備忘録として

記録するのをちょっと忘れていただけでたまってしまっていた、最近読んだ本、これから読む本。 「殺人者たちの午後」トニー・パーカー 「ゴッホの手紙」小林秀雄 再々読 「父を葬る」高山文彦 「反音楽史」石井宏 「武士の家計簿」磯田道史 「寡黙なる巨人」…

昔はこうではなかった

このサイトで再三いっているのですが、今の価値基準で過去の事実を語ったり、良し悪しを判断することはきわめて危険です。だからこそ、私も含め過去を肌で知っている人間は、「あのときの時代の空気はこうだった」と繰り返し言うべきなのだと思うのです。 小…

備忘録として

「今日もていねいに」杉浦弥太郎 「高く手を振って」黒井千次 「戦友の恋」大島真寿美 「プラチナデータ」東野圭吾 「小暮写真館」宮部みゆき 「火群のごとく」あさのあつこ 「真鶴」川上弘美 「犬身」松浦理恵子 「永遠の0」百田尚樹 「本当に使えるウェブ…

ねにもっていてよかった。

岸本佐知子さんの「ねにもつタイプ」 賞などを取る前にすでにどこかの書評で絶賛されているをみて購入はしたものの、どうも語り口が肌に合わなかったのか、最初の数項を読んで本棚にしまっていたのでした。 とはいうものの、皆さんが面白いというものが私に…

 宮本昌孝さん

目黒孝二さんがご自信のサイトで「この『火群のごとく』(あさのあつこ)は、『蝉しぐれ』『藩校早春賦』に拮抗し得る作品だ」とおっしゃっているのを見て、「蝉しぐれ」が大好物の私としては「むむ、話題の『火群のごとく』・・・読まなくては」と思うと同…

備忘録

読み終えたもの、これから読むもの取り混ぜて、とりあえず最近の本を備忘録として 「ラスト・チャイルド 上・下」ジョン・ハート 「日本観光ガイド」酒井順子 「無理」奥田英朗 「全力でスローボールを投げる」北尾トロ 「楽語」SWA&夢枕獏 「雨鱒の川」…

 「日の名残り」

 備忘録として

「山県有朋」半藤一利 「マイルスVSコルトレーン」中山康樹 「西行花伝」辻邦生 「バベットの晩餐会」イサク・ディーネセン 「日の名残」カズオ・イシグロ 「絶対音感」最相葉月 「ターン」北村薫 「ボトルネック」米澤穂信 「謹訳源氏物語一」林望 「葬送」…

備忘録として

備忘録として 「羊の目」伊集院静 「ただマイヨジョーヌのためだけでなく」ランス・アームストロング ”It's Not About the Bike”って原題のほうがわかりやすいです。 「続 奇縁まんだら」瀬戸内寂聴 「ソロモンの犬」道尾秀介 読もう読もうと思っていたら文…