1999-08-01から1ヶ月間の記事一覧

ケニカクの死

ケニカクことケニー カークランドが亡くなりました。 ジャズファンでなければ聞いたことない名前かも知れません。 スティングを聴かれる方なら「ナッシンング ライク ザ サン」などで ピアノを弾いてる人といえばわかるかも? ジャズの世界でも玄人うけする…

和一さん〜北洋さん

林和一さん(ハヤシ ワイチ) 私ン処で一番大事にしている作家さんの一人です。 昨日、久しぶりに食事に寄ってくれました。 もちろん、和一さんの器ばかりを使って盛りつけました。 「家だと失敗作ばかりを日常器に使うから完成作にきれいに盛ってもらうと安…

ギブアップ 情けない

高校時代からの友人に久しぶりに会いました。 手紙や最近ではmailでのやりとりはしていても、酒でも飲んでというのは何年かぶり 彼のクラシックへの造詣は尊敬すべきものです。 お勧めにしたがって聞いたDiskで目を開かれた経験は数知れません。 で、知った…

誉められ好き

今日のお客さま、なんにも食べてくんない。 前菜にちょっと箸をつけただけ 昔はよくありました。飲み始めると全く食べられなくなってしまうお客さま。 今の私ン処ではかなりの少数派 皆さんよく召し上がってくださいます。 普通ならこんな風に食べないと「イ…

休日の料理

オフには料理は絶対しない板前さんはたくさんいます。 というより 圧倒的多数かも知れません。 家に帰ってまで仕事と同じような事したくないのは当たり前でしょう。 が、 私は苦になりません。 いえ、 むしろ好きです。 休日には好きなことできるんですから …

さらに熟成のお話

4回も続けて熟成のお話。 今回はお酒です。 ワインでは熟成はとても大事な課程です。 ただ、世界で生産されるワインの90数パーセントは熟成させずに、 即飲むための物だそうです。 が、 残りの数パーセント、熟成させておいしくなる物はいわゆる銘酒のた…

熟成〜発酵〜腐敗

熟成話をさらに引きずってこんなお話。 冒険家 植村直己さんの本で知ったグリーンランドの「キビヤック」 グリーンランド北部に春先になるとアパリアスという 鳩より少々小ぶりの鳥がやってくるそうです。 材料 アザラシ一頭(肉と内蔵を除いて皮下脂肪だけ…

殺し時2

一昨日「お刺身における活け魚の殺し時にまつわる考察」 を行ったのですが、 要は 身の熟成=うまみ の図式をどこまで見極めるかに関わる内容でした。 (論文でも書く人いませんか) このことは刺身以外でも当てはまります。 魚は適切な下処理をおこなうと腐…

殺し時

「生け簀」とか「水槽」を持って 活け魚料理を売りにする店はたくさんあります。 たとえばお客さまに選んでいただいたり、 締めたばかりの魚を目の前でお造りにして召し上がってもらう。 ってな具合でしょうか。 活きてる=新鮮=おいしい の図式は未だ健在…

注目株

料理研究家 フードコーディネーターという職業が 「スター」となっていることをご存じの方も多いと思います。 栗原はるみ 藤野真紀子 有元葉子 料理を研究してTVや本を出すことでスターになったと言うよりは 彼女たちのライフスタイルそのものが女性のあこが…

一生物。ーーーのつもりだったんだけど

ホームページを作成するために 3〜4年前に購入したデジカメを接続しようとしたところ 接続ラインが見つかりません。 ショップにデジカメを持っていったところ 「こんな古い型のラインの在庫あるかな?」 確かにこの世界の技術の進歩は生活を豊かにしている…

甘いって言わないで

グラッハー ドームプロブスト リースニング ベーレンアウスレーゼ ヴィリ シーファー ちょっとワインに詳しい方でしたら おっ スゲー とわかるんですが、 この長たらしい名前は、そう、ドイツワインの名前です。 グラッハードームムブロプストは場所と畑の名…

Mr.◯◯

返還前の香港へ旅行したときのことです。 友人が仕事で在住していたこともあって、 彼がすべてアレンジしてくれるという理想的な滞在でありました。 福臨門 リージェントのメインダイニング は席の事前予約はもちろん 献立までFaxでやりとりするという念の入…

お召し上がりになれない物はーーー。

牛肉 豚肉 鶏肉 中トロ 鰻 海胆 イクラ 貝 蛸 葱 豆腐 納豆 は食べられません。 と、きっぱり。 果物のたぐいは? リンゴは聞くのもいやです。 「ーーーーーー 。はい。かしこまりました。うまく見繕わせていただきます。」 今日のお客さまです。 宗教上食べ…

個室カウンター・・・ちょっと淫靡な響きが?

カウンター席というと7〜8席 多ければ20席近い椅子がずらっと並んで お客さまのざわめきが店のムードを作り出す というのが本道なのでしょうが、 私ン処は変なカウンター。 椅子は4脚だけ。 1人でも2人でも一組のお客さまだけのための空間です。 4つ…

タップリのお休み

私がこの商売に入った頃、休みは月に2回。 夏休みは2日とれば多い方でした。 (といってもそんな年寄りじゃありません) 今でも、製造業の大企業に比べたら休みはかなり少ない方だといっていいでしょう。 フレンチでは東京に夏休みを1ヶ月とるような店も…

猫の額

私ン処の前庭は、まさに猫の額と言っていいほどの広さです。 前庭というよりエントランス。導入口。 とでも言った方がいいかもしれません。 日本料理店ですので、普通なら小さな木の2〜3本も植えて、看板置いて と考えるところですが、私ン処はもうちょっ…

どうするどうする。困った

魚がない。 どうする。 困った。 海がずっと荒れてるんです。 何でもよけりゃあるんです。 でも、私ン処で使うような魚がない。 基本的に養殖物 冷凍物は使いません。 魚屋に「何とかして!」 といったところで漁がない物はしょうがない。 朝一番の仕入れで…

プール プール

2ヶ月に1回は食事に寄ってくださるCさん。 いつも必ず奥様とご一緒か娘さんお孫さんを連れてみえます。 白ワインに詳しくて、いつも熟成したいいシャルドネをご注文される 手を抜けない飲み手でもあります。 どのおうちでもお孫さんは可愛いもの 目に入れ…

目から鱗が

板前の必須条件 手先が起用?確かな舌? それよりなにより、食べることがすき。ってことが大事です。 「うまいなーーー。」って感動する心があるかないかは大きな違い。 天才は別ですが。 私が唯一自慢できることといったら、それ。 食べること大好きなんで…

越の寒梅は二級がうまい???

越乃寒梅は確かにいい日本酒です。 一時代を築いた銘酒であることは間違いないでしょう。 しかし、 良きにつけ悪しきにつけこれほど多く語られた日本酒も少ないでしょうし、 それが故にまがいものが出回ったり、 ディスカウンターで可哀想な扱いを受けている…

苦くない、曲がっていない胡瓜

修業時代、胡瓜の先はかなり苦い物でした。 下準備に、必ず付け根の皮の部分を薄く剥いてからでないと使えませんでした。 胡瓜を手にしたら、自動的に皮をむいていたのに、今は全く必要ありません。 当時はもう、胡瓜は曲がっている物という意識はありません…

百個中十個の完成品

川上恭一郎さんのガラス器を購入しました。 陶器で「作家物」というのは結構持っている方ですが、ガラスは初めてです。 個展で気に入って手に入れました。 川上氏の器は いわゆる飾るための器ではなく、盛ることを強く意識した作品ばかりです。 「冷茶茶碗」…

毎日違う

日本料理ですので、毎日必ずお出しを引きます。 その中でも特に気を使うのが、お椀の吸い地に使うお出し。 出し汁、そのものの味を味わっていただくわけですから当然です。 これが、何年やっても難しい。 毎日違う。 もちろんお客さまにわかってしまう範囲で…