2000-04-01から1ヶ月間の記事一覧

テレビっ子

テレビを見る時間などとてもない・・・などと公言しながら、実は芸能通だったりする私です。 で、 ナンシー関さんの書いたものが大好きです。 消しゴム版画家にしてTVハードウオッチャー。彼女が芸能人たちの言動、行状を一刀両断のもとに斬りつけるのがおも…

衰えていく日本語

高村薫「半眼訥訥」のなかの一節 この国に日々溢れる造語、略語のたぐいは、一種の時代感覚として、万人にもいともたやすく受け入れられていくが、こんなことが日常的に起こっている言語は、世界の主要言語の中でも、日本語だけだろう。 (中略) たとえば、…

来ちゃだめ

意地でもお断りしなくてないけませんでした。 昼間のフリーのお客さまです。 完全予約制ではありませんが、「できればお越しの前にお電話を一本いただければ」とお客さまにはお願いをしてます。特に昼食は仕出しの仕事、仕込みが重なっていますから、ご予約…

お水

料理にもお酒にも水は大事です。 正直言って今の浄水器のお値段とその味、価値には少々疑問もあって、お客さまに「水」として飲んでいただくのは市販のボトル入りものです。 一昨年の秋口に仕込み水をいただきました。 奈良 御所市の油長酒造さんのお酒を仕…

て!てんさい!

フランスには一度も行ったことないのによく言うよ。 といわれても返す言葉もないのですが、写真や献立を見ただけで、現地で食べなくても「こいつは天才だ!」と思う料理人がヨーロッパには何人もいます。 そのうちの一人がミッシェル・ブラ ブラの料理の中に…

お運び

お座敷でのお料理のお運びは基本的に女性がします。 が、 調理場の若い者もお運びができるように指導しています。 何も知らずに調理師学校からこの世界に入ってきた若者には、できあがった料理をお客さまの目の前に置くという作業でさえ難しいものです。 外…

桃山陶

TV番組「何でも鑑定団」に桃山期の志野平鉢がでてきました。 値段は3千万円。 イメージしていた志野焼きよりかなり大きなもので、やっぱり写真だけで見ていたのとは風合いも違いました。私などのような素人が見ても明らかに風格が違う逸品です。 料理屋に…

実りを待つ季節

久しぶりにいいエッセイを読むことができました。 光野 桃「実りを待つ季節」 40代を迎えた女性が父と母、そして現在の自分と家族をかえりみながら綴った小編の数々です。 生活に追われ、その時々にいだく思いを反芻したり、自分の心の内を見つめることな…

広がる話題

カウンターにお越しいただいた二組のご夫婦の広がる話題。 ホテル西洋―パークハイアット―ニューヨークグリル―下田の旅館(?)―指月―ホワイトアルパラ―京都の筍―お豆―うすい―大人のお花見―山葵の茎―言語学的発音の話―コルトン シャルルマーニュ―ベルギー ビ…

十四代

NEWS 23で「十四代」の特集をしていました。 シンデレラとか幻とか騒がれる山形の日本酒の蔵です。 筑紫−草野両キャスターがわざわざ山形へ出かけての中継という力の入れようでした。 私ン処のお得意さまにはすでにお馴染みの日本酒、耳にたこができるほど蘊…

ワイン講座

仕込みが早めに終わったので、調理場の若い者にこの時期恒例のミニワイン講座を開きました。 調理師学校を出たばかりの新人と研修生の三人は十代後半、他の四人も二十代前半から半ばですから、(一人だけ二十代後半)学校などで一応のレッスンはあるとはいう…

人身御供

毎年4月から5月までの間の一ヶ月くらい、調理師学校から研修生が来ます。 実際の職場を経験させようというカリキュラムのひとつです。 今年は19歳の女の子。 近頃の若い者は・・・・などと言う声はいくらでもあるものの、初めての調理場という雰囲気に彼…

神の奇跡

2月から4月の初めまで仕事の都合で映画を見る時間がありませんでした。 「ファイト クラブ」も「ほんとうのジャックリーヌ デュプレ」も「スリーピー フォロー」も見逃してしまって、しばらくぶりに見に行ったのは「グリーン マイル」です。 スティーブン …

ポイヤックの子羊

仕事は休まず快調とまではいかないながらもこなしていたのですが、早く直そうといただいたクスリがよく効いて眠い眠い。 どんなおもしろい本や雑誌をながめていても瞼が閉じてしまいます。 クスリをやめても丸一日は眠気が収まらず、今になってやっとPCに…

眠い

風邪をひいてしまいました。 熱はないのですが、クスリのおかげで眠くなってしまいます。 仕事をしていれば眠気は忘れているのにソファに座ったと同時に寝てしまいそうです。 PCに向かっていてもだめ。 もう寝ちゃいます。 更新は後日。

漬け物

やっといい漬け物屋さんとお付き合いができそうです。 自分の処のぬか漬けと塩漬けを基本にしてはいるもののそれだけでは何か物足りない。 で、筋のいい漬け物屋さんをずっと探していました。 地元にはパックや袋に詰められた出来合いのもの卸す問屋程度の店…

いい本 おもしろい本

音楽のことはこれがいい、あれがいいと自分勝手を日記に並べたてているのに本のことはあまり書くことがありません。 読んで感動したり、おもしろかったりする本を紹介できるほどの文章力がないことに加え、音楽や絵画以上に本の好みの多様性を実感しているか…

デート

別に自慢することでもないのですが、どうも下心がある男性が連れてくる女性に気に入られやすいようなのです、私ン処。 前回の日記でも書いたお得意さまもその一人で、カップルでやってくるとまず女性の方が料理やお酒、器なども含めた店の雰囲気をお気に召し…

不倫旅行のお手伝い

「今日の食事が彼女に気に入ってもらったら、夏にハワイへいっしょに行ってくれる約束なんですよ。親方責任重大ですから」 えっ!それって不倫旅行? 私がそのお手伝いをするわけ?? 困ります。 このお客様、奥さまも連れてみえます。 いい奥さまなんです。…

新芽

陽射しだけでなく風にも春が感じられるようになってきました 前庭の柿が昨年は豊作だったことをいいことに、思い切って大胆に剪定をしたのはまだ風が冷たいころ なかなか芽吹いてこないのが心配でした たった1m四方しかない土でも生命は確実に根を張り、季…

ソース アングレーズ

ソース アングレーズ。 お菓子に興味のある方ならご存じかもしれません。 カスタードクリームの粉が入ってないヤツ、とでもいうのでしょうか。 黄身にグラニュー糖を入れて泡立て、白くなるくらいまで強力にかき回します。 暖めた牛乳を入れて中火にかけ、も…

ナンプラー蒸し

日本料理ににお醤油がなければ始まらないように、ベトナム料理にはニョクマム、タイ料理にはナンプラーがなければ全く形を成しません。 最近ではデパートやスーパーなどでも手に入るナンプラーは私たちにも馴染みやすい調味料だと思います。先月の献立、鯛の…

君が代

久しぶりでお見えになったお得意さまご夫婦、娘さんが私立の高校に入学なさったというお話でした。 政治向きのお話をお客様とすることはあまりないのですが、気の置けないお得意さまなので 「そういう私立の高校でも入学式には君が代を歌うんですか?」と私…

二人のパブロ

昨日パブロ カザルスのことを書きました。 パブロ カザルスに初めてふれたのが私の十代半ばから二十代にかけて、そして以前にも書いたパブロ ピカソにふれた(初めて感動したという意味で)二十代半ばです。 二人のパブロは十代から二十代の多感な時期に出合…

パブロ カザルス

1971年の国連平和デーでのパブロ カザルスの演奏を「歴史的名演」として教育TVでやっていました。 そのころ高校生だった私にとってこれは「生涯忘れることのできない」と実感できる映像でした。 両脇を抱えられないと歩けないほどのよぼよぼの爺さんが…

私ン処のこと??

手に入らない酒ばかり集めて売っている。そういう酒だけでお客が来ると思いこんでいる。だから、お客様へのおもしろさの提案がない店で、行っても店が楽しくない、お酒が楽しくない。そういう店にかぎって酒が高いし、品質がバラバラ。料理まで不安になっち…

さりげなく

「先回はいつ頃お見えいただきましたでしょうか?献立とお酒を確認しますので」 「一年前、床の間の桜が印象的だったからそんな頃だったと思います」 「お香が押しつけがましい香りでなくていいね。どこで求めるの?」 などとお言葉を頂戴しました。 嬉しい…

子供とスーツ

子供が大きくなるとき、親の世代で言えば30〜50代前半位というのは教育費を始めともかく子供にお金がかかるときなのだそうです。 近所のブティックのご主人の話では「30半ばから50歳までの男性が一番ターゲットになりにくい。子供にお金がかかればお…