2002-07-01から1ヶ月間の記事一覧

地方の悲しさ

誤解を恐れずに言わせていただければ、大都市圏、主には東京では受け入れてもらえるのに、地方都市では無理という料理や料理店があります。 これだけいい料理をつくっていらっしゃるにどうしてどうして空席が目立っているのかとか、これだけいい素材を駆使し…

激安

近頃では家庭で飲む缶ビールをケース買いする時など、普通の酒屋さんの定価で買う方のほうが少なくなってきているかもしれません。 お休みの日に郊外の安売り店でケースで買ってくる方のほうが多いでしょう。安売り店も存在が当たり前になってしまって、ビー…

印鑑

少し前ですが、お土産に小さな印鑑を頂戴しました。 陶芸家にして版画家私ン処の襖絵の作者、林和一さんが自ら作ってきてくれました。 ざっくりしていて姿がいいでしょ。 この方の焼いた文房具の数々と言うのが凄くいいのです。 はがきでも書いて、この落款…

化学調味料

日本料理に化学調味料を多様するのは邪道だ、といわれながら、早くから化学調味料を使っていること(多様ではなく)公言していたのが名料亭「吉兆」の湯木貞一さんであったそうです。 とはいっても20数年年も前の話、料理業界を取り巻く環境は大きく変化し…

PUFFYとか安室とか柴咲とか

PUFFYの全米ツアーがワシントンポスト紙で酷評されたとか? 酷評にしろなんにしろ、ワシントンポスト紙で扱われること自体凄いと思ってしまうのですが、PUFFYについて音楽性云々で批評されても困ってしまうよな・・・・といのがファンでも何でもない一般の日…

試作中

デザートを試作中です。 白玉粉にフルーツのピュレを混ぜ込んでみました。 左から白桃、ラズベリー、マンゴー、抹茶、ブルーベリーです。着色料を加えたみたいにはっきりした色ですが、何も加えてはいません。白玉粉+砂糖+フルーツのピュレ(生の果物をスピ…

ラーメンと汁そば

有名ホテルの調理長から独立されたその中華料理屋さんは、ご夫婦だけで切り盛りされるこじんまりした店です。 夜はお任せのコース中心で、一皿一皿が確かな自力を感じさせてくれる美味しさです。生意気を承知で言わせていただければ、宴会料理からお手ごろラ…

冷房・暖房

昭和二十年代の国会 予算委員会(?)の真夏の古い映像を見た時、パタパタ、パタパタ白いものがあちこちで揺れていたのに気が付きました。議員のほぼ全員が扇子をパタパタやっていたのです。 考えてみたら昭和三十年代くらいまで、夏は出かけるのに扇子を持…

自主防災訓練

今朝は毎年恒例、自主防止訓練の日。 朝6:30、ドアフォンをピンポーンピンーンピンポーンピンポーンと、町内の仲間が起きるまで鳴らしつづけてくれます。(あーー親切) 簡易型消防ポンプを、全員40歳を越えた「青年会」でヨタヨタと引っ張って会場まで運…

S.E.N.S.

仕事を終えてTVをつけると、BS2で「S.E.N.S.(センス)」のライブをやっていました。 昔から映画やTVの音楽には興味があるほうですので、NHKの「海のシルクロード」や「故宮」などの音楽を担当した頃から、気持ちのいい音を創るなと思ってはいたグループでし…

職人受難の時代

長い間私ン処で勤め、10年ほど前大きな料理店さんへ移った職人が久しぶりにやってきました。 新たに店を移ったことの報告のためでした。これまでいた大手の料理屋さんは給料はいいものの労働条件が厳しく、身体を壊す寸前だったということです。 この不況…

書き物の関係で日本料理の作法、ことに箸のついて調べていると一般的に知られる「迷い箸」や「さし箸」「ほとけ箸」以外にもたくさんあるのに驚きました。 「さぐり箸」::箸で椀の中の実をかきまわしたり、何かあるかとさぐってみないこと。 「もぎ箸」:…

仕入れ人

昨日お話したような、産地を特定したり生産者を特定した力のある食材は、直接生産者からいただくこともあるのですが、主には八百屋さん、魚屋さん、珍味屋さん、酒屋さんから仕入れます。 中でも毎日欠かさずに通わなくてはいけないのが魚屋さんと八百屋さん…

産地

奥湯河原の名旅館「指月」の親方が朝食の時、カウンターをはさんでおっしゃいました。 「駿河湾をひかえて魚については地物を大事に使わせていただいているのですが、野菜については残念ながら地元に頼るのはちょっと無理です。やっぱり主には京都のものです…

素朴さを味わう

お客様からサトウキビのシャーベットを頂戴しました。 奄美大島からのお土産です。 遠い南の島からシャーベットが届いてしまうというのも驚きです。流通革命の時代では不思議でもなんでもないのでしょうが、いつまでもアナログ感覚な私には、未だに暑い国か…

蛸(たこ)

蛸の旬は夏と言われています。 それほど季節による圧倒的な味の違いがあるようにも思えないのですが、夏になると自然に蛸を使いたくなってきます。 私ン処の定番は柔らか煮。ご家庭でもできる仕事ですのでご紹介しましょう。 蛸は水洗いが肝心です。魚屋さん…

夕顔

三年連続、この時期前庭で夕顔を育てています。 町の発展会の企画で、各店の玄関先に夏の夕顔を飾ろうというもので、決して自ら進んで買ってきたものではありません。ただで配られた苗を植えただけです。 一年目は三つの鉢の内二つは全く育たず、一つも貧弱…

呼び方

サッカーの中田はインタビューで同じ代表チームの選手を「秋田(もしくはアキ)、モリシ、ゴンチャン」と呼ぶと答えていました。この三人は30歳を過ぎた年上、ベテランのメンバーです。 そういえば、以前の代表チームでも試合中に「イハラ!」(井原)とや…

本とかCDとか

読んでいる途中だったり読まれるのを待っていたりする本 谷川俊太郎「ひとり暮らし」 辻芳樹 木村結子「美食進化論」 高村薫「晴子情歌」 田崎真也「日本酒を味わう」 塩野七生「ローマ人の物語1」(文庫版) 石田衣良「少年計数機」 ジェイムズ・エルロイ「…

小沢征爾音楽塾

先週ヴィデオに録画しておいた「小沢征爾音楽塾」のドキュメントを見ました。 指揮者小沢征爾が一ヶ月をかけ、オーディションを経て選ばれた10代後半から20代前半の若い演奏者(学生?)をトレーニングしながら、オペラを完成させるという内容で今年の演…

歩きながら

十日ぶりくらいのウオーキング。汗が気持ちいい。マイケル・ブレッカーのバラード、アンディー・ラバーン〜ジョー・アバークロンビーのデュオも耳に心地よくって、CD一枚半分も歩いてしまいました。 ワールドカップもあったし、梅雨の雨もあったし、仕事に…

あかね空

山本一力「あかね空」が面白かったです。 直木賞受賞作ということなので、すでに読まれた方もたくさんいらっしゃるのでしょう。 京都の極貧農家に生まれた永吉が、豆腐職人として一人前になり、当時としてはきっと異例であろう江戸へ渡って豆腐屋を開く。同…

蓼酢〜梅醤油〜梅肉

初夏、鮎の季節です。 私ン処では浦川、気田川、寒狭川など近隣の川の鮎を釣師の方から魚屋さんが手に入れているものを使っています。 天然の鮎はまずは塩焼き。ほかに芸がないのかと言われても塩焼きが一番だと思っています。 ご家庭では塩焼きや小さな鮎を…

検索

毎日立ち寄るwebサイトというのが皆さんにもあると思います。 料理屋を探していて「弁いち」のサイトがあることを知るとか、店に行ってみてサイトの存在を知るとかというのが一般的なのでしょうが、ネットの場合には検索とかネットサーフィンとかがあります…

ベトナム戦争

私にとって悲惨な戦争と強く感じるのは第一にベトナム戦争です。 青春時代に同じアジアで戦われ、報道がお茶の間に戦争映像を持ち込んだと言えるほど身近にあり、それにまつわる本や写真集、映画などたくさんの情報を得ているからかもしれません。 開高健の…

アズキハタ

活きのアズキハタです。 活きたままで手に入ることはあまりありません。 香港あたりでは姿のまま蒸す魚としては最高級と言われるそうですが、私ン処ではまずお造りです。 ハタの身は身持ちがよくて、活き身の弾力がいつまでも続きます。ですからまずは薄つく…