2002-02-01から1ヶ月間の記事一覧

春へ

日に日に陽射しが暖かく感じられる日が増えてきています。 もう明日は三月です。 岡部町の新筍も一回りサイズが大きくなってきました。口に入れたときの食感と香りが微妙に変化してきています。 蕨も少し前に紹介した「かぎ蕨」が無理なく入ってくるようにな…

名演その10〜パット・メセニー

パット・メセニーというジャズと言うのかフュージョンと言うのか、まっ、ギターリストがいます。 ともかく新作はすべて聞いてみたい、もちろん旧作も、リーダーアルバムだけでなく、サイドメンとして参加しているアルバムも含めてみんな聞いてみたいと思うミ…

メヌケ

北海道産のメヌケをちり鍋にして試食してみました。 この辺で言うとアコウに似た魚体、身質はアコウよりももう少しきめが細かくて、脂ののり方が素晴らしいものです。同じ北海道産のキンキのような脂ののり方といってもいいかもしれません。 今年になって何…

自分の料理

自分の料理を食べました。 我が家の法事で。 板前が自分の料理を食べるの当たり前ジャンと思われるかもしれませんが、恥ずかしながらこの業界にいると、一つ一つの品物の味見はもちろんしても、コースの料理を通してスミからスミまで食べてみることを毎回毎…

ソムリエさんがやってきた

ソムリエさんが店においでになり、様々なワインのお話を伺うことができました。 私のところでもそこそこのワインを置いていますし、フランスの一部の地域についてのみでしたら、ある程度お客様のお相手ができるほどの知識は、自然と身についているような気も…

オイオイ

「オイオイ、いいのかよ。それで」と心でつぶやきました。TVの主婦番組で日本料理の若い職人さんが”奥様にできる簡単料理”を紹介するようなコーナーを見ていてのことです。 お料理は「ブリのモト焼き」 「モト」とは私たちの世界でいう玉子のモト、卵の黄身…

江戸モノ〜チャンバラがおもしろい

ふとしたことで手にとった池波正太郎、藤沢周平が面白くて仕方ありません。 もともと小学生の頃は本など大嫌いで、学校の図書室カードが空白で真っ白であったのが、中学生で読んだ司馬遼太郎「竜馬が行く」で本の面白さを教えてもらったのでした。 その後、…

春の息吹

蕨は茨城産「かぎわらび」と呼ばれる太くてしっかりしたもの 筍は静岡 岡部町産 新筍 手のひらサイズの柔らかくて瑞瑞しいもの 蕨は灰もいっしょに箱入りになってきます。今では料理店でも灰を手に入れるのは大変ですから。 「かまどの灰までお前のモンだ」…

包丁研ぎ

私たち料理人にとって、包丁を研いで切れるようにしておくのは、仕事を手早く綺麗に仕上げるためにもとても大事な作業ですので、ほぼ毎日二種類から三種類の砥石を使って研ぎます。 ご家庭の主婦にとってこの包丁研ぎはもっとも苦手な作業のひとつかもしれま…

ちょっと追加

日記をちょっと追加・・・・って特に暇なわけでもないのですが。 昨日の休日はパスタ二種類 銀座「ラ・ベットラ」落合務さんのレシピで「海老とルッコラとトマトのパスタ」 もうひとつは長尾智子さんのレシピで「レモンクリームのパスタ」 「海老とルッコラ…

大和路

TVで見た写真家入江泰吉の「大和路」への生涯をかけての取り組み。 料理人にとっては入江泰吉といえば料理本「吉兆」でも印象的ですが、代表するのはやはり「大和路」です。 終戦の年1945年から亡くなるまで8万枚のショットを重ねつづけ、一枚の写真の…

葬式の音楽

あなたならご自身の葬式の時にどんな音楽を奏でていただきたいと思うでしょう。友人からそういう質問がありました。 こんなことを考えるのはよほどの音楽好き、しかも生前にそういう意思を伝えられる死に方をするというのは幸福な死であると言えます。 私の…

見た目の美しさ

昨日録画しておいてみたNHK「人間ドキュメント」は、らい病患者が60年ぶりに故郷を訪れると言う内容のものでした。 らいの方々がメディアに登場され始めたのは、国が行政の間違いを認めた異例の判断後のことで、それまで封印をされ隠されるがゆえに見えない…

ときめきのバレンタイン

私が中学生の頃、お菓子屋業界のバレンタイン商戦などまだ夢の夢、「どうやらバレンタインズ・デイというのがあって、女性が男性に告白をしてもいいらしい」くらいの認識しかなかった時代です。 放課後人気がなくななった頃、同級生の女子が「ちょっと来て」…

怒鳴る

修行時代よく怒鳴られました。 先輩に「お前ほど打たれ強いヤツは見たことないなぁ」といわれたことがあります。 つまりそれだけ怒られている、失敗が多かったと言うことなのですが。 先日の勉強会で修行中の若い職人さんたちと同席になり、聞いてました。 …

日本酒売れ筋ランキング

雑誌「dancyu」三月号の日本酒特集の記事の中に、「日本酒売れ筋ランキング」が掲載されていました。 日本酒ファンが通う全国の有力酒販店20軒による統計です。 日本酒売れ筋ランキング(全国有名酒店による) 一升瓶編 1.久保田 千寿 2.八海山 本醸造 3.…

いつもいつも

いつもいつもオリンピックのような国際大会が始まると、「ニッポン チャチャチャ」的なメダルがほんの少々でも可能性のある日本人選手だけに焦点をあてるメディアにうんざりします。 大概、本選を見ると世界中のすごい選手が目白押しで、どこに日本人選手に…

妥協その三

さらに続き。 妥協のないところには職人的にはいい仕事が産まれます。原価を無視したり気にしない仕事には豪奢な世界があります。 ところが、そういう妥協のない職人には時に不遜も産まれます。 おれの仕事がわからないようなお客はダメだ、こんないい仕事を…

妥協その二

前回の続き 店作りの妥協はお酒の品揃えにも反映されます。 まずは、お客様が注文してくださる値段のお酒をそろえなくてはなりません。昔のようにどこの日本料理店へ行っても、瓶ビールと熱燗とどこでも手に入る焼酎の組み合わせであれば、値段の開きに大き…

妥協その一

自分の料理店を持つなどと言うのは、ほとんど妥協妥協の繰り返しなんであります。 特に職人などという仕事にのめり込んでしまった人種にとっては、いい素材を使いたい、いいお酒を出したい、いい器を使いたい・・・・・・でも値段が高ければお客様は来てくだ…

仕入れ

朝の仕入れ、魚版の一部です。 鯛は紀州産、蒸し物用 三枚に下ろして塩をあて脱水処理をします。 サヨリも紀州産 下処理後塩水に少々漬け、白板昆布で挟んで昆布締めにします。 墨烏賊 舞阪産 下処理をして寝かせます。 白川 福田産 三枚におろして塩をあて…

休日の楽しみ

「休みまで料理を作っとるのか」と笑われてしまいそうですが、休日は異種分野の料理を作るのが楽しみのひとつでもあります。 今日の夕食に、最近入手した名店「グリル満天星」の名料理人窪田好直さんのレシピ本を参考に、オーソドックスなクラムチャウダーと…

○○風

創作料理と言うのがとても不得意です。 要は創造力というのが決定的に欠如しているってことなのですが。 KIHATIの熊谷さん、分とく山の野崎さん、旬香亭の斉藤さんなどのアイデア豊かな創作をみるととても太刀打ちできないと、かろうじてそのアイデアを盗み…

アンキモ

写真はアンキモです。 青森産アンコウの肝で1.5kgもある鮮度抜群の品物です。 一冬の間でも、これだけ鮮度大きさとも極上のアンキモはたくさんはこの地には入りません。 小さな塊に切り分けて血合いや皮筋を取り除き、ラップ、巻きすで包んで20分ほど蒸し…

節分

明日は節分です。 一般には「豆まき」としての認識だけですが、「立春」の前の日、季節を分ける日だから節分なのだそうですね。昔は四季それぞれに節分があったと聞きます。 私も明日は、恒例の裃を着けて豆まきをさせていただく節分祭と、町内の豆まきに出…

呉服

朝起きると喉がちょっと痛い。 朝食前に即葛根湯、イソジン。 新築開店して以来、おかげで仕事に支障が出るような寝込み方をしたことがありません。気合で乗り切っているって感じでしょうか。こういうのはどこかで大きなひずみができそうで怖いのですが。 一…