2005-07-01から1ヶ月間の記事一覧

お大尽その2

昨日お話したお得意様のお大尽。その家のご長男に嫁いだお嫁さん(といってもすでに70歳を越える方)から聞いたお話。(戦後間もなくでしょう) 「私が嫁いだ頃ね、毎日芸者衆が夕飯時に家にいてお義父さんのお酌をしてるわけ、で、弁いちさんから毎日仕出し…

お大尽

店にある掛け軸 岡本一平「再会の悦び」は昔お得意様に頂戴したものです。 祖父の話では、昭和初期の頃、地元のお大尽何人かが集まって岡本一平氏を浜松に招き、逗留させて何枚もの絵を書かせたときの一枚であるのだそうです。注文をして書くのではなくて、…

見えた光明

昨日「志のあるビールの造り手はいないのか」と板前に愚痴を書いたところ、コメント欄で”GARGERY”というビールがあることを教えてくださる方がいました。 早速連絡をとり、「田舎町でもつかえるものでしょうか?」と問い合わせたところ、わずか3名で製造か…

ビールの行方

昔からお酒は税金との戦いであったと言います。 太古の昔から、人間はアルコール無しでは生きていけないほどお酒を好んできました。時の政府はそこに税金をかけることは、手っ取り早い税徴収の方法であったわけです。 さらに、戦争など危機的な時代でもお酒…

軽くヤバイ

ビールのCM 工藤静香 観月ありさがわき腹をつまんで「軽くヤバイ」っていうヤツ。軽くってのがミソなんでしょうね。 なぁぁんていっている場合ではなくて、世の中に溢れる「明日からダイエットだ!」と毎回決心が固い皆様方は、「なんだよぉ。あれでヤバイの…

防災訓練

東京の地震の直後、毎年恒例の防災訓練がありました。街中中心部に住む十数ヶ町 1000人くらいが日曜日の早朝に集まります。 過疎化が進み住む人が少なくなっている町の中心部ですが、親子何代も商売をしているウチも多いですし、小学校中学の先輩後輩、…

新鮮海の幸

海辺の温泉地に泊まりに出かけて、夕食に期待するものはなんでしょう? 当然新鮮な海の幸? 伊勢海老、鮑、サザエのつぼ焼き、金目鯛の煮付け?・・・・なんでしょうか。 先日TVでやっていたお決まりの旅番組、伊豆のそこそこの値段の旅館が取り上げられてい…

唐辛子

唐辛子・・・・といっても辛くはありません。 全部が違う素材なのですが、写真を見ただけで言い当てる事ができますでしょうか。 右上が万願寺唐辛子、左上が伏見唐辛子、右下が山科唐辛子、左下が鷹峯唐辛子 味わい、食感はそれぞれに違い、いわるゆピーマン…

豚と冬瓜

今年は冬瓜をどうして料理しようか?・・・と考えていました。 先日、休日の定番料理の一つ豚シャブをやっていました。やんばる島豚と京都の壬生菜だけのシャブシャブは、ポン酢で食べる豚もさることながら、最後に残った豚の出汁でつくる塩味ラーメンがたま…

愛山

更新した注目の日本酒は愛山特集です。日本酒ファンにはすでにおなじみの愛山ですが、未知の方のために少々お話をさせていただきます。 愛山というのは好適酒米、つまり酒米の一種で、有名な山田錦とか五百万石と同じ酒造りのためのお米です。産地は兵庫県の…

25年前の若者気質

昨日「近頃の若いモンは」の口調で、義理人情、恩義、人間関係が希薄な今時の若者を「いかがなものか」と批判したのですが、実をいうと各言う私も若い時分には、そういった年寄りの言い分がわずらわしくてなりませんでした。 板前社会の封建的上下関係はもと…

当世若者気質

お隣の美容院の御主人と食事をする機会がありました。時間をかけて育ててきたつもりの若いスタッフが急に辞めてしまったそうです。なれている子だけに戦力的にも厳しくなるでしょう。ご主人自身も美容師という職人の社会で育った方ですので、「若い連中の気…

名演その16〜バードランド

ベートーベンの交響曲第9番第四楽章「歓びの歌」をあげるまでもなく、単純なメロディーが往々にして人々の感動をよぶものです。(実はモチーフが単純なだけなのですが) 1970年〜80年代にかけてジャズ界をつねにリードしていたウェーザー・リポートの…

貝調べ

貝を茹でたときに出る出汁はとても美味しいものです。蛤、アサリ、蜆、それぞれに個性があって、貝そのもの以上に出汁を楽しみたくなります。 今日入荷した豊川の蜆も大きさがたっぷりあって、蜆の旨みがちゃんと出てくれそうでありがたい食材ではあるのです…

 ウチの子の助け

このところ日記を更新するのがどうも億劫でいけません。自分で読み返すとやっぱり中身も薄い(「いつものこと」とかツッコミを入れないでね) スポーツ選手が不調でも身体を動かすように、なにかしら書きつづけていないと、根が自堕落な私はそのまま立ち止ま…

ギャップ

お付き合いのある谷野さんのブログに書かれていたベジタブル・ギャップのお話。 農家さんにとっての野菜のベストシーズンと料理人がその食材を使いたいシーズンのギャップがあるというのです。夏だからズッキーニ、トマト、茄子・・・・と料理人はイメージし…

お惣菜

自分で考えついたのではなくて、本屋の立ち読みでチラッと見たのを覚えていた献立なのですが、簡単お手軽なお惣菜、結構頻繁に調理場のまかないご飯に登場します。 モヤシのマーボー風 材料「太目のモヤシ 微塵生姜、微塵にんにく、豚ミンチ、トウバンジャン…

張り紙

休日に久しぶりにラーメン屋さんへ出かけました。 入り口には「歩きながらの喫煙はご遠慮願います」と張り紙があります。店内奥にも同じ物がもう一枚。それ以外の張り紙はないものですから、ついどんな困った事件があっての張り紙なのだろう?・・・と想像し…

老舗?

親子三代続いていい加減な性格なのか、店の創業が何年何月であるのかよくわかっていません。 昔祖父母に「店はじめたのはいつ?」と聞いたところ、 「大正15年だよなぁ、おい」と祖父 「○○が生まれた年だから13年よぉ」と祖母 と、どちらもはっきりしま…

カレーライス

休日に突然カツカレーが食べたくなりました。 学生時代、ご多分に漏れずカレーにはずいぶんお世話になりました。当時カツカレーはカツが乗っているだけで私には豪華なご馳走、めったに食べられるシロモンではありませんでした。 カレーはよく郷愁とともに語…

ダニー・ザ・ドッグ

大作「バットマン・ビギンズ」に続いてすぐにスピルバーグの「宇宙戦争」そしてルーカスの「スター・ウォーズ・エピソードⅢ」と超大作が続いて封切られます。先週土曜日なんぞ、「スター・ウォーズ」の先行上映まで重なったものですから、いつも行くシネコン…

レパートリー

ふと思いました。自分の料理のレパートリーっていくつくらいあるのか?鰻や蕎麦のように一品で勝負する店はありませんし、お決まりの料理だけでお客をよぶ店でもありません。常に料理は入れ替わっていますので、それなりの数のレパートリーを持っていなけれ…