2008-05-01から1ヶ月間の記事一覧

人生の先輩の戒め

「お前はなってない」「何一つわかってない。勉強しなおして来い」「人生、そんな甘いもんじゃない」 そんな言葉を厳しく投げつけられた経験のある方はたくさんいらっしゃるのではないでしょうか。若い時分には特にそうです。 私なんぞ、いい歳になるまでそ…

北大路魯山人

魯山人のことを知ったのは20代前半のこと。その当時は今のように食への関心も高くなく、魯山人の認知度はずっと低いものでした。周りの職人仲間の間でさえ魯山人はまだ未知の存在で、私は自分自身の技術が稚拙な分理論武装で勝負しようと、ここぞとばかりに…

奇跡のヴィンテージ

近頃の日本酒業界では若い蔵元が杜氏を兼ねて素晴らしいお酒を造ることが多くなってきました。昔のように長い経験を経て杜氏になり、始めていい日本酒が出来るものと信じられたのは通用しなくなるかもしれません。 とはいえ、経験をつんだ名杜氏といわれる方…

会議よりメシ

某企業の重役であるAさんは大の美味いモノ好きです。世界中に支社があって一年中各国を飛び回っていらっしゃるのですが、支社長の第一の務めは現地の美味しい店を探し当てること。Aさんからの「○月○日出張」の連絡があると馴染みになっておいた店に即電話を…

培われたもの

超高級料亭でも行われていた使い回し、あのクラスの店がやっているのなら普通の店はどこでもやっているんじゃぁないか・・・・多くの方がそう思われても不思議ではない。そんな論調がまかり通っていると知って呆然とします。 叔母から聞いた話なのですが、亡…

ボサ・ノバ

夏になると季節はボサ・ノヴァ・・・・というのは、もしかしたら世界中で日本だけのことかも。誕生の地ブラジルではすでに過去の音楽となっているのだそうで、若者が熱中する音楽では決してありません。でも、ジャズの世界は未だボサ・ノヴァは多くのミュー…

ホントになかった

昨年末くらいに「バターがない。大変だ」とは聞いていました。 「へーー、そうなんだぁ」と、普段はバターはそうたくさんは使わない私ン処では他人事のようにお話を聞いていたのです。ところが、今の献立、ホワイトアスパラには相性のいいバターは必需品、毎…

「紫寿」「昭和63年」

志の高い蔵の日本酒や、シャトー、ドメーニュのワインで「飲んだことがないお酒」があるのは居心地が悪い気がします。プロフェッショナルの端くれとしてはいいお酒は一度は経験してみたいものです。 日本酒の会にお出しした「満寿泉 紫寿(むらさきことぶき…

日本酒の会

週末の土曜日 お知らせしておいた日本酒の会が開かれました。地元だけでなく・・・というよりも遠くから「わざわざ日本酒の会のために」お越しいただいたお客様の方が多い、私には身に余るありがたいお客様がそろいました。 料理とお酒はこんな風でした。 前…

メディアの歪曲

二三日前、朝のお茶を飲みながら何気なく眺めていたワイドショーでのインタービューのお話。 二十〜三十代(渋谷)と六十〜七十代(巣鴨)のカップルに聞く「今思い浮かぶ海外女性歌手」の比較というお題目でした。 二十〜三十代(渋谷)のあげるマライヤ・…

遠州灘で獲れる大ぶりの蛤(ハマグリ)です。 力のある素材はそのままが美味しいと言われますが、私ン処ではこの蛤を茶碗蒸しにします。 生のままからを剥くと海のエキスと瑞々しいプックリ膨れた蛤が現れます。食べやすい大きさに切り、蛤から出た汁で玉子…

名無しの批判

つい最近でも、ダウンタウン・松本仁志の「硫化水素自殺への批判」がnet上で話題騒然となっていることがメディアに伝えられていました。いつだったかの倖田來未発言や沢尻えりか発言もきっかけはnet上での批判が相次いだことに端を発しているそうです。 これ…

口元まで出ている

届いている山菜は「タラの芽」「しどけ」「はりぎり」「山独活」そして週末には「うるい」が。 TVの取材番組のDVDを見せていただき、福島の渡邉さん親子が採取してくださる山菜が、いかに手間隙かけて送られてきているのかがよくわかりました。車で林道を4…

ダラボンのスティーブン・キング

映画「ミスト」がうかつにもスティーブン・キング原作〜フランク・ダラボン監督であることを知らずにいました。 キング〜ダラボンといえば言わずと知れた「ショーシャンクの空に」「グリーン・マイル」の二つの超名作コンビです。期待しないわけがありません…

老舗の苦悩

しばらく前、同業の料理屋さんとご一緒に食事をしながら、食べ歩いた店のことなどお話をしていた時のことです。 「○○さんに伺ったときなんだけどね、仲居さんが”その鮎、美味しくないでしょ”っていうんだよ。びっくりしてね、”いえいえ、どんでもない、美味…

FMの「三昧」

FMの番組は自動的にHDDで録音し貯めてあって、3〜4日後にPC ipodに移します。 昨日先週の土曜日日曜日分を聴いてみると、日曜日のお昼の二時間(松尾堂の放送)に「今日はボサ・ノバ三昧」という番組が入っています。どうやら連休中の特別番組が10時間ぶ…

和一さん新作

昨年末に個展で注文してあった林和一さんの器が半年目に出来上がってきました。 「赤絵雲龍文平鉢」 使い勝手のいい大きさで何にでも対応できそうです。これからきっと出番が多くなる器になるはずです。 一緒に写っているのはプレゼントでくださった黒織部。…

黒澤の評価

黒澤明の「七人の侍」は、私的には好きな映画ベスト3のうちの一本です。何度見ても新たしい発見があり、何度見てもワクワク感が廃れない稀有な映画の一つです。 私が映画に親しむようになったころ、リアルタイムで始めて観た黒澤作品は「デルス・ウザーラ」…

山菜たくさん

先日お話したように今が山菜の最盛期。 福島の渡邉さんから届いたのは「タラの芽」「はりぎり」「しどけ」「山独活」 山の惠をたっぷりと召し上がっていただきたいと思います。

モディリアーニ展

連れ合いと名古屋に出かけたのは何年ぶりでしょ。「ほかけ」さん(お寿司屋さん)がお元気だったころには年に何度か車を飛ばして訪れていた名古屋も、お目当てがなくなると足が遠のいてしまいます。 器と食材探しも兼ねて「モジリアーニ展」を覗いてきました…

予約のわけ

「お越しの際にはできればご予約を」を申し上げるようにしています。 予約無しでもお部屋が空いていればご案内できることはもちろんなのですが、一品料理を中心にしている店ではありませんので、予約をいただいてその予約のためにしっかり準備をすることをと…

カビ

以前にお話をしたジャムは杜屋さんというお店の品物。 冷蔵庫に入れるのを忘れて、棚の上に置いたままにしてあったら少量の残っていたジャムにちゃんとカビが生えました。カビが生えるという事実がとても安心に思えるのも変なお話ですが、本来保存用に作られ…

山菜まっさかり

市場で栽培モノの山菜だけを見ていると、野山の状況を見誤ってしまいます。ふきのとうは12月から手に入り、三ヶ月は続きます。タラの芽は一月からやっぱり三ヶ月。本来山菜の時期というのはほんの二三週間だと聞きます。栽培モノで判断すると二月から三月…

ご相伴ワイン

忘れないうちに書き留めておきます、ご相伴ワイン。 ドゥデ・ノーダン「ニュイ・サン・ジョルジュ1970」 これまで何本か飲んだドゥデ・ノーダンはすべて他のワインとは違う造りです。1980年代はまだ若く、1950-1970年代でやっと飲み頃。どれほど…