2010-03-01から1ヶ月間の記事一覧

欄間と掘りごたつ

欄間(らんま)といっても若い方はご存じないかもしれません。日本の座敷には欄間は美的になくてはならに存在でした。もともと部屋と部屋とを完全に区切って密室空間を作ろうという感覚がなかったのですね。襖や障子で部屋を区切るということ自体その現れで…

備忘録として

備忘録として 「羊の目」伊集院静 「ただマイヨジョーヌのためだけでなく」ランス・アームストロング ”It's Not About the Bike”って原題のほうがわかりやすいです。 「続 奇縁まんだら」瀬戸内寂聴 「ソロモンの犬」道尾秀介 読もう読もうと思っていたら文…

一人仕事へ

大正期に店が始まって以来、若いスタッフのいない調理場は一度もありませんでした。 必ず誰かしら修行をする若者がいて、若い人材を育てることも大切な店の使命と思っていました。 状況が変り始めたのは5-6年前?いえ、実際にはもっと前であったかもしれませ…

映画「ハート・ロッカー」

休日に映画「ハート・ロッカー」を観てきました。 敵と味方が戦場で相見え戦う・・・映画として記憶に新しいのは「プライベート・ライアン」の凄惨な戦闘シーン、私たちがイメージする戦争の凄惨さはここに尽きたました。しかし1990年代以降、イラクのクエー…

 激震 マスメディア 〜テレビ・新聞の未来〜

録画しておいて観たNHK「激震 マスメディア 〜テレビ・新聞の未来〜」 佐々木俊尚さんのtweetも以前から覗いていたりしているので興味津々で観ました。 私が「怖い」といっているのはあれなのです。年齢を経て経験値を積み、世間の絶大な評価と社会的地位を…

 かんぞう

ふきのとうに続いて届いたのはかんぞう。 お浸しにして湯葉和えにしましょうか。

身奇麗にスリムに

献立をみただけで「あっ!この人天才かも」と思わせる数少ない料理人の一人ピエール・ガニェールが、一度閉店した東京の店を復活させるのだそうです。 この記事:http://trendy.nikkeibp.co.jp/article/column/20100317/1031252/ 最初の日本進出の時にはメデ…

 Late Work Late Style

私はもうすぐ55歳、会社勤めの友人たちはそろそろ定年後の話をし始めたりする年齢になりました。職人として一線で仕事ができるのも健康でいられることを前提にしてもあと10-15年がいいところでしょう。 周りの先輩たちを見渡すと、50代後半から60…

改装にともなうお休みのお知らせ

懸案だった店の改装にやっと着手できそうです。 大幅な改装になりますので、4月〜6月中ごろまでのお休みを頂戴します。お客様方にはご迷惑をおかけしますがご容赦のほどお願いいたします。 以前にも店の改装を考えているようなお話をこの日記にも書きました…

円生杯争奪

TVワイドショーでちらっと見た三遊亭円丈さんと鳳楽さんによる「円生杯争奪」落語対決。 円丈さんの洒落もきっついです。 ところがTV局の取り上げ方をみていると、円丈さんと鳳楽さんの師匠円楽さんの確執なんてぇことははなっから知らないような雰囲気。こ…

北海道ピノ・ノワール

小布施ワイナリーのワインはひょんなお付き合いから店に置き始めました。小布施のオーナー曽我彰彦さんの弟、曽我貴彦さんが北海道余市の木村忠さんのピノ・ノワール(0.4ha)で初めて世の中に問うたワインがこれ ヨイチ ノボリ キュムラ2008です。 ウィスキ…

ふきのとう

今年は寒暖の差が激しく、雪も多かったせいか山菜も遅くなりました。 今日 福島 土湯温泉の渡邊さんから届いた天然のふきのとうです。 渡邊さんは料理人の経験もあるので、使いやすいジャストサイズで高い品質のものを送ってくださいます。

昨今の結納事情

結納を取り交わすご両家とか、仲人のいる結納・結婚式という形は絶滅危惧種に近いほどめずらしくなっています。 結納がなくなった今、ご両家の顔合わせが結納式の代わりで、ややもするとこの席がご両家の初対面だったりもするようです。 当然のように私世代…

呆然の蓄積

前回は農口さんの日本酒に呆然として言葉が出なかったことを書き、前々回はハンス・ウェグナーのチャイナ・チェア、マリオ・ベリニーニのキャブに呆然としたと書きました。 振り返ると私、この呆然を大切にしたいと思ってきたようです。 職業である料理や日…

杜氏 農口尚彦さん

昨日のNHK「プロフェッショナルの流儀」の主人公は杜氏 農口尚彦さんでありました。 このところこの手の番組は自分の世の中を見る目を曇らせるような気がして敬遠していたのですが、農口さんでは見ないわけにはいきません。 農口さんのお酒に始めてであった…

椅子

椅子が好きになったのは25-30年位前です。 自分の家を建てようかとなれば当然応接セットやらダイニングセットなんてものが必要になるわけで、それらは町の家具屋さんで選ぶのが当然の時代でした。選択肢はその時代少ないのが当たり前でした。 そんな中目に焼…

使われていないお膳

輪島塗 鶏を蒔絵に描いた螺鈿のお膳。繊細な猫足です。 昔はこういう低いお膳が畳の上に置かれて食事をしたのです。昨今ではこういう食べ方をお客様に強いるのはかなりのストレスになるでしょう。なにしろ器を持って食事をするという習慣がないのですから。 …

 鯛大根

鯛蕪(たいかぶら)は日本料理の定番ですが、試してみたのは鯛大根。 鯛のあらだけでとった濃厚な出汁で京都産の聖護院大根を焚いてみました。 頭の中でイメージした料理を試作しても95%はイメージ以上になることはないのですが、この鯛大根は思いのほかい…

甘鯛 白甘鯛

甘鯛と白甘鯛を並べるとこんな風。 ちょっとわかりづらいですが、左側ピンクっぽい一本が甘鯛 縦横の二本が白甘鯛(通称白川しらかわ)三本ともずっしり説得力のある美味しそうな魚です。

しつこく日本酒のお話

一般的な日本料理店では日本酒はメニューリストの中に記載されていて、お客様がそれを選ぶ、もしくは「お奨めは?」とお尋ねがあって一種類か二種類のお奨めを試してみるというケースが多いのだと思います。リストにない店のお奨めを次から次へという私ン処…

現場では

これもお得意様には周知の事実ながら、ここまでお話をしてきましたので、実際にはどんなお酒どんな順番でお出ししているのか、お話してみます。 意識的にはではなく、お客様個々ですべてお酒の出し方は違います。それは昨日までにお話したとおりです。 たと…

お客様の目利き

お得意様には周知の事実ですが、私ン処で扱っているお酒の多くはどの酒販店でも簡単に手に入るものではありません。 これは自慢ではなくて、料理店としてお足を頂戴する以上お客様が普通に手に入るものを右から左へ流して利益を得るのがはばかれるからです。…