2003-08-01から1ヶ月間の記事一覧

飢饉〜働き口

今年の米の出来は十年前のタイ米輸入騒動を思い起こすほどの不作だそうです。実がならない稲穂は頭をたれず、本来なら黄色い絨毯のようになるべき田んぼは、軽い稲が突っ立ってぎざぎざです。 昭和初期くらいまでだったら「大飢饉」と言われるのでしょう。 …

お小言

初めてみえたあるお客様がお帰りになった後、テーブルの上にメモが置いてありました。 そこには箇条書きにしたお小言が書き並べてあります。 こういう形でのお叱りは初めてです。 一度お越しいただくと、お安い値段ではありませんので、手落ちが一つでもあっ…

清涼飲料水

モナンのグリーンミントシロップを買ってあったので、ペリエ、シークアーサーをあわせて、氷をたっぷり。わけのわからない清涼飲料水というのかジュースみたいなカクテル(ノンアルコール)みたいなものを作ってみました。(もちろん自分用) 昔は、なんか美…

営業努力

職人などというと、いわゆる「営業」などとは無縁の存在であります。 地道にいい仕事さえしていればお客様は自然についてきてくれるもの・・・・と脳天気に大名商売をしがちです。ひどいのになると、気難しくお客様と接することが職人の”ウリ”などと勘違いす…

バースディ・ケーキ

家族の誕生日に「Abondance 」さんでケーキを用意してもらいました。 開店前からパティシエのベルナールさん夫妻には絶大な信頼を寄せています。 ベルナールさんのずば抜けたセンスと、素材に妥協をしない姿勢には教えていただくことが多いのです。 困ってし…

香煎

香煎(コウセン)というと、大麦などを煎って粉にしたものをいいますが、日本料理では煎って粉状にしたもの全般をさすこともあります。 冷凍庫の奥のほうに、新コノワタの時期に入手したまま忘れていた三河産のコノワタが二パックありました。いまさら「コノ…

ランチのポット

急須は村木律夫さんの作っていただいたものしかないので、ランチでも使っていました。 「1000円前後のランチに作家の器を使うなんてバッカじゃないの。割れたらどうすんの」とお得意様にいわれて、探してみてもいいのが見つかりません。 もともと急須を…

読む

地図を読むことに長けている方は、等高線が実際の山、谷のように見え、紙上の平面が立体として認識できるのだそうです。この場合「読む」という行為はA地点からB地点へ行くための道筋を辿るというのとはレベルが違います。 音楽でも、譜面が読めるというのは…

ぐうたら

夏休みをお知らせし遅れ、板前日記も一週間近くお休みしてしまいました。 だらだらと、お休みをいいことにぐうたらを決め込む・・・・・なんと心地いいことでしょう。 本来の私はそんな風なのです。 サイトを始めて5年目、予告なしに4日以上ズル休みをした…

ゴーヤ チャンプルー

お惣菜にゴーヤ チャンプルーを作ってみました。見よう見まねです。 ゴーヤを縦割りにしてしっかり中の白い部分をとり、小口に切った後塩を振っておきます。 ポーク缶らしきもの(?)を買ってきて、豆腐も水切りをしておきます。 切りそろえたポーク缶を油…

大原 びわっ貝

千葉房州 大原の鮑です。 びわっ貝とも呼ばれる雌貝。 まさに極めつけです。 「数寄屋橋次郎」のご主人小野二郎さんの本でも「これ以上はない」と口を極めて絶賛されている鮑で、超稀少品です。 入荷すればどんなことをしてでも欲しいというおすし屋さんは、…

タイ

ありがたいことにお客様から頂き物をすることがあります。食べ物やら置物やらお酒やら。 あるお得意様からいただいたネクタイはすでに10本近くもあって、すべてが仕事用にいつでも使えるような気のきいた落ち着いたデザインばかりを選んでくださっています…

秘密

初めて読んだ東野圭吾「手紙」が素晴らしく面白かった、という話をしましたら、「ならば是非”秘密”も読むべきである」とお得意様に教えていただきました。 手に取った文庫版「秘密」の裏表紙のダイジェストをみると、「ああ、これって数年前広末涼子主演の映…

不思議献立

食べに出かけたことはないのですが、あるスパゲッティー屋さんの献立を見て不思議に思いました。 カルボナーラ炭焼人風 たらこのカルボナーラ 炭焼人風はまっ、いいとして、カルボナーラにたらこが入る? かぼちゃクリームのミートソース モッツァレラのミー…

太刀魚

福田産太刀魚です。 鮮度のいい太刀魚はこんな風にぴかぴかです。 ベルトサイズとか、手のひらサイズとかいって大きさを表現します。ベルトの太さ、手のひらの幅の太さということなのですが、この太刀魚はそれよりもさらに太い幅があります。 筒切りにして塩…

朝帰り

朝起きるのが六時半ごろ、身支度を整え朝食をすませて仕入れに出かけるのが七時半くらいです。 丁度その時間帯に、閉店し店の従業員と客が帰りはじめる店が近所にあります。 まっ、私の目から見れば真っ当とは思えない店です。 安っぽいホスト風従業員は、週…

山で

八百屋さんなどで出盛りの野菜を籠に入れて「一山○○円」とお安く売っていることがあります。 我々の仕入れでは魚介類でもあります。 大量にもらう場合、少々ダメージを受けている場合、大きさの大小がある場合などなど、「山でいくら」「つっこみでいくら」…

成績表

職人的には、お客様に満足していただいて「美味かったよ」とニコニコしてお帰りいただくのが目標で、数値として満足度を採点していただくわけではありません。 が、 経営者的には、決算という形で成績表は数字で明確に出てしまいます。 どんなにいい仕事をし…

お国自慢

食材に関して言えば、お国自慢や偏執狂的郷土愛に燃えるわけでもなく、自虐的に故郷に批判的でもないつもりです。 地元のもので美味しいものもあれば、別の産地のほうが素晴らしい場合もあって、「地物=美味しい」という原則はありえません。 ただ、一般の…

鱧〜じゅんさい〜早松

「京味」の西健一郎さんがTVに出ていました。 鱧 じゅんさい 早松(さまつ:::梅雨明けころわずかに出る松茸) 管ごぼう 結び三つ葉 柚子のお椀をいつものようにとても丁寧な仕事でなさっていました。 「京味」さんへ伺ったのはもう7〜8年も前。 TVでやっ…

違いがわかる

日本酒における新鮮信奉については何度も書いてきました。 日本酒は新酒が美味しい。封切り直後のお酒がベストである。封を切ればどんどん落ちる。 などなど 一度信じ込んだ方の頭をおきほぐすのは大変です。 日本酒の味の変化についてはとても興味がありま…

お椀

器屋さんがやってくると、こんな風にして新作がずらっと並べられます。 こんな豪華な蓋もあります。 「えーーーと、それじゃあ今回はこれとこれとこれを30客づつ頂戴」 なんて気軽に注文できればいいのですが、請求書の金額はおそらく500万円以上。 実際には…