2006-07-01から1ヶ月間の記事一覧

「チョコレート・コスモス」〜「殺人の門」

読み終えてしまうのが惜しいほど面白い物語というのがあります。寝る間を惜しんでも読み進みたいのに、終ってしまって欲しくないのです。 久しぶりにそういう小説を読んでいました。恩田陸「チョコレート・コスモス」 確か恩田陸さんの面白さを教えていただ…

タイマー付

「パイレーツ・オブ・カリビアン2」を見てきました。 ジョニー・デップファンには見逃せない映画です。前作を見ていないとストーリーに不明なところがあるかもしれませんが、いわゆるジェットコースター・ムヴィーのよさで、主役の三人はどうやったて絶対に…

物の価値

トップサイトで紹介した塩昆布はお気に入りではあるのですが、高価でもあります。二袋2kgで三万円。 まっ、普段使っている利尻昆布あたりはやはり1kg1万円に近い値段ですから、いい昆布を使ったおいしい塩昆布の値段としては味に見合った値段なのです。…

職人受難の時代

昔父の時代に私ン処で一番をはっていた職人に久しぶりに会いました。 そろそろ還暦、自分の店を持つような才覚に恵まれた人ではありませんでしたが、真面目にひたすら真面目に仕事に取り組む職人でした。その彼が今は私ン処の20代のスタッフより安い給料で…

ワイングラス

フランス ブルゴーニュ サヴィニーレ・ボーヌの雄 ドメーニュ・シモン・ビーズのご当主パトリックさんと奥様の千砂さんが来日され、ここ浜松でワイン会を開かれます。本来なら有名フレンチレストランで開催されるであろうワイン会は、有難いことに私ン処で開…

勘違い

お得意様に指摘していただいて初めて知りました。 「注目のお酒」で、前回久留米「旭菊」を紹介したのですが、「北九州のお酒」と書いていました。 「久留米は”北”九州というのとちょっとニュアンスが違うかもしれないねぇ」久留米出身のお得意様にとっては…

備忘録として

映画館へ出かけことができませんでしたので、自宅でDVD 見逃していた・・・というか、見られない時間帯でほんのちょっとしか上映していなかった「クラッシュ」を観ていました。 脚本でオスカーをとった(監督賞でもノミネイとだったかも)監督ポール・ハギス…

蒲焼は難しい

蕎麦とか、鰻とか、寿司とか、天麩羅とか、ひとつの料理だけで店が成り立つような料理はやっぱり難しいものです。 どれも見よう見まねで「それらしき料理」ができることはできるのですが、名店といわれる店のそれに比べたら雲泥の差。とてもお客様にお出しで…

手練手管は気持ちいいか?

ジャズ・ファンもクラシック・ファンも同様にテクニックのある音楽家を好むものです。 新人なんぞがデビューしようものなら、ホンモノかどうかを査定(?)するのに、表現力以上にそのテクニックの確かさを見定めようとします。J-ポップの世界でも近頃では「上…

松井冬子

松井冬子さん 存在を全く知らなかった画家だけに、新日曜美術館「甲斐庄楠音」のプログラムで見たときのインパクトは楠音の画と同様に結構強烈でした。 ミーハー・メディは飛びつくだろうなぁぁ。「美人」が前につく「日本画家」 作品が凄いのに。TVでの着物…

そ知らぬ顔

「親方、あのあまぐも本当にいいねぇ。ちあきなおみのファンだったんだけどあのアルバムは知らなかったなぁぁ」 お得意様に言われました。サイトを読んでおられることなどおくびにも出さない方でしたので、「ウワッ!読んでいらっしゃるんだぁ」とちょっとハ…

心地よさの基準

料理店の本分は「料理が美味しいこと」「お酒がおいしいこと」以上に、そこで過ごしたひと時全体が心地いいことに尽きると思っています。そして、心地よさの基準も人それぞれです。できうれば、お客様がサービスを要求する前に察知できることは察知して、さ…

五回拭く

昨日は久しぶりにポコッと予約のない日で、若いモノの一緒に時期外れの大掃除をしていました。 私ン処の調理場は壁面も天井もオール・ステンレスですので、比較的掃除がしやすいほうです。ただ、ステンレスはスチールタワシや磨きを使って磨くと傷が残ってし…

一昔前にはこの地で鱧をお出しすると、「鱧って京都だけじゃぁないんだぁ」とおっしゃる方が結構たくさんいらっしゃいました。 遠州灘で獲れる鱧、紀州辺りの鱧は十分使える食材であるのですが、鱧料理自体が地元でポピュラーではなかったのですね。 私自身…

福井晴敏〜朱川湊人

本当のファンなら一気に読めるはずの福井晴敏「ローズダスト」 上巻を読むのに2週間かかっても2/3しか読めずに、ちょっと小休止することにしました。そういえば、初めて福井著作に接した「亡国のイージス」も読み進むのにちょっと苦労したのでした。 という…

ボンボン育ち

私は決して裕福な家庭に育ったわけではありませんが、料理人としての環境はかなり恵まれていました。 小さいながらも料理屋としての建物をはじめとする資産もちゃんとあった上に、大きな借金も残していませんでしたから、銀行とのやり取りでも苦労らしい苦労…

ギル・シャハム〜イェラン・セルシェル

シューベルトの作品で手元にあるのはヘルマン・プライ「美しき水車小屋の娘」とフィッシャー・ディースカウ「冬の旅」、未完成交響曲くらいのもので、他には見当たらないというお寒いクラシックなんちゃってファンです。 プロのバイオリン弾きに薦めていただ…

ちあきなおみ

1970年代、ジャズとクラシック以外は下等な音楽だ、と強烈な偏見に満ち、鼻持ちならないスノッブで了見の狭かった私には、ちあきなおみは別世界の人でした。 歌が上手いらしいということはTVで見てなんとなく知っていても、彼女のアルバムを買うときが来ると…

ながーーーいお付き合い

今乗っている車が12年目になります。お金のめどがつけばいつでもいくらでもいい車に乗っては見たいものですが、自転車操業の小さな小さな料理屋ではそんなことは言ってはいられません。 それよりも、長いお付き合いをしていた車屋さんが止められて、安心して…

ジャコメッティ(追記あり)

ジャコメッティの作品のいくつは見たことあったのですが、先日の「新日曜美術館」(NHK教育)のジャコメッティの特集はとてもわかりやすく解説してくれたいい番組でした。 アートは論ずるものではなく、見て感じるものである・・・と言われ、美術評論を毛嫌…

奈良漬

この辺りでは摘果したメロン(小ぶりのもの)が出回ります。その小メロンで奈良漬を作っています。 一般の漬物よりもかなり強い塩をまぶして重しをします。奈良漬は酒粕が熟成する頃、胡瓜や瓜が出来る頃ですから当然気温も高めです。しっかりした塩と重い石…

アンヌさんのリッシュブール

アンヌ・グロさんはブルゴーニュ ヴォーヌロマネ村の名家、グロ・ファミリーのひとりです。 おじい様のルイ・グロ、その息子のジャン・グロとフランソワ・グロ。そしてフランソワの後継者がアンヌです。 グロ・ファミリーの作り出すワインはどれをとってもブ…

スプーンは必要か?

あなたは茶碗蒸しを食べるときにスプーンを使いますか? 茶碗蒸しを常に献立に載せるような店では、当たり前のようにスプーンが添えられているような気がします。 私ン処では茶碗蒸しが献立にのぼることはあまりないのですが、先日仕出しのご注文に茶碗蒸し…

クールビズ

昨年からクールビズが叫ばれ、企業ではそれなりの実績をあげたそうですが、私ン処ではずっと前からクールビズなんて実行しています。10年前の古い店の時には調理場には冷房がありませんでしたし、新しく立て直してからも、よほど我慢が出来なくなるか、食…

水茄子

夏の食材水茄子は大阪 泉の土地だからこそあの水気タップリの極上の茄子に育つと聞きます。 以前に賀茂茄子をこの地の農家さんに作って頂いた時には上手く育ちませんでした。やはり土地や気候の相性というのがあるのでしょうね。 水茄子の定番といえばヌカ漬…