いい日本酒、いいワインというのは、喉に引っかかることなくスルスルと水を飲むように身体に入っていくものなのですが、小説でも同じで、いい小説と言うのは概して読んでいることを忘れるほど気持ちよく心の中に響いていきます。 東野圭吾の「手紙」を読んで…

たぶん名前を聞けばどなたも知っているような企業二社の社長さん、専務さんなど四人が集まるプライベートな会がありました。 それぞれがお得意様で、普段は別々においでいただく方々です。片田舎の小さな料理屋には分不相応なお客様であると十分認識している…

タウン誌の企画、お得意様に店のことを喋りしていただく取材がありました。 「あの方にお願いしようか」「この方に・・・・」と思い巡らし、了解をいただいたご夫婦に店へお越し願いました。 たまたま担当の記者さんがこのご夫婦の奥様と知り合いだったこと…

どんな仕事でも一緒なのでしょうが、飲食界でも初めて自分の店を持とうという時には、すべての人が高い志を持っているものです。大儲けをしようでも、よりレベルの高い店にしようでも、より高みをめざすのは皆同じです。 店が順調にスタートし着実にお客様が…

季節は夏休み、読書感想文の時期です。 死にたくなるほど嫌いだった読書感想文は、考えてみれば読むべき推薦図書というにわくわくするよな面白い本がなかったのだと思い至るわけで、いやいや読む本にいい文章が書ける訳がなかったのです。 今では「普通に本…

三河産の釣り物の「アラ」です。 12.5ｋｇ こんなのを釣り上げると漁師さんでも興奮するでしょうね。 三河のアラでこれほどの大きさはあまり見かけることがありません。 ハタの一種なのですが、九州などで冬場に鍋にするアラとはちょっと種類が違います。 鯛…

決算の関係で、あまりお付き合いの多くない銀行のいくつかへ通帳記帳のために出かけてきました。 昔はお弁当ひとつの注文でも、口座作って振り込んでいただくのが当たり前でしたので、口座ばかりが増えてしまっているのです。 めぐってみると改めて銀行の名…

放送したことさえ知らなかったリチャード・ボナ（カメルーン出身ジャズ系ベーシスト）のBSの番組を、お客様が録画して持ってきてくださいました。 ボナのニューヨークでの日常にスポットがあてられています。 ボナはツアーで出かけている以外は、朝起きると…

昨日の続き 掲示板をご覧の方はすでに見ておられますが、教えていただいたこちらのサイトには私の気持ちを裏付けてくれるようなインタビューが掲載されていました。 パリでミュシュランの星をいきなり取ったことで話題になったレストラン 「ひらまつ サンル…

どうしてことワインとなると、料理との相性がよりクローズアップされるのでしょう？ 同じ方がビールや日本酒、焼酎を飲むときにワインほどに料理との相性を気になさるのかというと疑問です。 極端な話、料理との相性が悪いからこのワインは飲まない、という…

近所の本屋さんにいって探しても、超ベストセラー以外お目当ての本があったためしがありません。 この地では大手といった書店でさえそうです。 欲しい本は大概注文、もしくはネット販売。皆さんもそうではないですか？ 私が探す本など特にマニアックなもので…

お宅では晩酌をなさるほうでしょうか。 夕飯にはお酒と一緒に料理を食べ最後にご飯で締めくくりますか？それともお酒はなしで、ご飯とともにおかずを食べるほうでしょうか。 私ン処のようなコースを中心にした料理店は、先付け、前菜から始まってお料理の数…

職人的感覚としては「揚げ物の油に温度計など必要ない」と言いたいところなのですが、調理場のスタッフには温度計を使わせています。 修行時代にはもちろん油用の温度計など存在していなくて、衣を油に一滴落としたときの感覚で適正温度を推し量るのが当たり…

鶏という素材は私には課題のひとつです。 手にはいる地鶏の類には様々な種類がありますし、近隣では名古屋コーチンなどもいい鶏ではあるのですが、誰が食べても「エッ？なにこれ、美味い」と思えるような鶏にはなかなか出会えません。 鶏と言うのはどの料理…

京都からまた新しい茄子が届きました。 左はいつも使っている賀茂茄子、右側が初めて入荷した京都小茄子というのだそうです。 一般的な小切茄子よりもさらに小ぶりで、身質はぎゅっと詰まっている感じです。 さて、どんな風に使ってみましょうか。 暑さに耐…

宴会上手というのか、我々の世界で言う「座持ちのいい方」というのがいます。 同じメンバーの宴会でも、その方が出席しているといないとでは座のムードがまるで違うのです。よくある幹事上手でも盛り上げ係でもありませんので、ゲームを提案したり宴会芸のひ…

この地の中華料理職人さん達の横のつながりは素晴らしく密接で、日頃から情報を交換し合い、集まっては勉強をなさっておられるそうです。 そんな中華の若手職人さんたち２０人ほどが勉強会と称して食事に来てくださいました。 「ちんけな和食屋で勉強になる…

お客様を身なりや年齢、性別で判断すると痛い目をみる、というのは長年の経験で学んだことであるはずではあるのですが、お客様の話題に合せる・・・・という意味ではそれなりの尺度が必要とも言えます。 昨日お見えいただいた６人グループの男性は、会社では…

昨日は休日を利用して定期健診でした。 この歳になると身体のどこにがたが来てもおかしくありません。実際腰を病み、肩が張り、ひざが痛みと外身は十分がたがきていますが、内臓的なケアは検診でなければわかりません。 大会社と違って自分で意思を持たなく…

昨日お見えいただいたソムリエさんとご一緒の方は２０代前半。これから同じソムリエを目指したいのだそうです。 開けたサロン１９８２がバースデー・ヤー。１９８２年と言えばボルドーであればまだ飲み頃でないワインもあるくらいで、私にして見ればちょっと…

昨日ご紹介した「郷の誉 純米大吟醸生生原酒 大粒米 28％精米」は６０本しかリリースされなかった稀少なお酒です。 稀少だから、手に入らないから、といって美味しいと言うものではありません。今の食の世界では限定であることを煽ることもマーケッティング…

鮎であります。 季節はまさに鮎であります。 今年は魚影が薄いなどと言われているそうですが、今の時期としててはかなりいい形のものが入りました。天竜川の支流気田川の友釣りです。 何しろ近隣には川漁師がすでにいませんので、釣り自慢にお願いをするしか…

フランスへ行くと三ツ星クラスでも一皿の分量が多いので、軽い前菜とメインを食べたらチーズはおろかデザートへもたどり着けないことがあるのだそうです。 「"えーーーっ！チーズを食べないのか。だから日本人は・・・・"って顔されてくやしけど、馬のように…

昨日の「量の問題」、和食の９品-１１品続く料理ですぐれたコースを造っていらっしゃるは職人さんはたくさんいらっしゃいます、身近にも。誤解のないように。 私の能力ではうまく表現するのは無理というお話です。 で、 今年も賀茂茄子を使い始めました。 毎…

サイトではほとんど書きませんが、私、プライベートでは自他ともに認めるかなりの子煩悩なのですが、お客様の前で我が子自慢をするような破廉恥ではないつもりです。 ところが、話題をうちの子（犬）にふられてしまうと、もうだめ。 恥ずかしげもなくうちの…