2008-12-01から1ヶ月間の記事一覧

いつもの年末

本来なら今年を振り返ったり、お節料理の仕込み具合をお知らせしたり、年末の献立のことを書いたり・・・なぁんていうことを書き連ねるのがこの日記の趣旨ではあるのですが、年末も押し詰まれば詰まるほど日記を書く時間的ゆとりも、精神的ゆとりもなくなっ…

既製品率

店の一般営業も今日でおしまい。お節料理の仕込みは佳境に入りつつあります。 気にしても仕方のないことなのに、デパートやチラシに入ってくる他店舗のお節料理の献立が気になって品物ひとつひとつに目を凝らします。当然のことながらチラシやデパート販売が…

二左衛門

黒龍「二左衛門」「石田屋」は店のメインとなるお酒です。 一年を通してお客様にこの二本を提供できるようにするためには、一年に一度この時期にお付き合いのある酒屋さんを拝み倒していただけるだけ頂戴しなくてはなりません。 が 今年から一升瓶だった二左…

田酒二種類

田酒 純米大吟醸斗瓶と純米大吟醸山廃 青森は西田酒造の最上の日本酒です。 箱入りはつい先日発売されたばかりの二本、瓶でならべてあるのは昨年から一年熟成させた二本。 田酒自体が生産量の少ないお酒で入手は簡単ではないといわれているのですが、斗瓶と…

ネギマ鍋

鮪が美味しい季節です。 鮪の皮に近いところは脂がのっていても筋が強い部分があります。この筋、お刺身で食べると口に残るのですが、火が入ると弾力と旨味のある美味しさに変化します。そんなところをネギマ鍋に。 山形は庄内の平田赤葱と一緒にちょっと濃…

お見送り

お客様のお見送りをすることはとても大切だと思っています。 たぶんこれまで、99%のお客様のお帰りを直接私がお見送りをしています。日本酒やワインをご注文される方のお部屋には私が伺ってお好みを聞いたり、ご飯を一部屋ごとに炊く場合にも私が伺いますの…

二ヶ月の間の1960年代

10月から12月にかけてご相伴させていただいたワインの中には1960年代が4本。 シャトー・ラトゥール1969 シャトー・マルゴー1961 ルロワ サヴィニー・レ。ボーヌ1969 で 先日の シャトー・マルゴー1960 なんという幸せ。ワイン好きにはたまらない2ヶ月であり…

同じ志向

フレンチの名店「北島亭」ご主人の料理誌でのインタービューを拝見しました。 曰く「”商売は縮小 仕事は追及” が今後の理想です」 全く同じこと考えてる。。。 名店の誉れ高い、職人としてもトップクラスの北島素幸さんと同じというのは、田舎町の端くれをい…

 白甘鯛

地元遠州灘であがった白甘鯛(白川)3kg。 普通の甘鯛とならべるとその違いがよくわかります。しかもこの大きさ。3kg超えというのはかなり久しぶりです。 これまでも何度も登場している白甘鯛ですが、この地では2kgを超える白甘鯛はたくさんは獲れませ…

斎藤美奈子さんの啓示

その言葉に耳を傾けたくなる数少ない書評家斎藤美奈子さんの「文芸誤報」の冒頭「文学作品を10倍楽しく読む法」に激しくうなずきました。 なかでも特に。。。 曰く ☆小説に教訓を求めるな。 小説は道徳の教科書でも人生読本でもありません。学校教育の悪し…

神は細部に宿る

いい映画が細部にきめ細やかでないことは100%ありません。 伊丹映画「あげまん」で宮本信子演じる芸者ナヨコが力車でホテルに到着するシーン。力車の幌がちゃんと閉められていることを見て「ああ、伊丹監督はちゃんとわかっていらっしゃる」と思ったもので…

頂き物

お付き合いのある酒屋さんから頂戴した見事な山葵。茎も葉っぱも瑞々しくって、本体の山葵は最上クラスの立派な大きさです。すみからすみまですべて使いきれます。私達料理人も山葵が葉っぱから根まですべてそろった形で目にすることはめったにありません。…

名演その31〜クリスマス・ソング クリスマス・アルバム

街にクリスマス・ソングがあふれる時期になってきました。皆さんがお好きなクリスマス・ソング クリスマス・アルバムはなんでしょう? 定番山下達郎さんの「クリスマス・イヴ」は、アルバム”Merodies”を発売と同時にリアルタイムで聞いたときには、飛びぬけ…

不覚にも

TV

歳をとって涙もろくなったのか、TVを観て泣いてしまいそうになることが度々あります。 昨日のNHK「プロフェッショナル 仕事の流儀」 岩田守弘が取り上げられました。この方の日記でずっと以前から岩田さんの存在は知っていたものの、バレー門外漢の私が岩田…

三つの蕪の漬物

根菜類が美味しくなってきました。 蕪は今の献立に姿を変えて三回も現れます。 最初は聖護院蕪を自家製の千枚漬けにしたもの。前菜に蕪の千枚漬け寿司で登場です。寿司飯に平目の昆布〆、千枚漬けを外側にまいて棒寿司にします。 二回目は赤むつの若狭焼の焼…

お茶の進め

以前にお越しいただいた、その筋では高名な方の妹さんがやっておられる中国茶のサイトからお茶を注文してみました。地元でもそれなりの中国茶は手に入るのですが、ここの品揃えはさらに素晴らしい。ご実家の本業の凄さを考えると品物も絶対に間違いないはず…

今シーズン初

今シーズン初の松輪漁港のこうじんめぬけ(約6kg)です。 私ン処のような小さな店では、年末といえどもこの大きさこの値段になると、いつでももらえるわけではありません。3-4日くらいの予約の予算と人数を考え、献立のすりあわせをしてなんとか使えるシロ…

巨星落つ

加藤周一さんが亡くなりました。 20-30代にかけて常に私の傍らには加藤さんの全集が置かれていました。読んでいることの30%も理解できないのに、知の巨人加藤周一が側にあるだけで精神を常に浄化していられるような気がしていたのです。 最初はもちろん「羊…

いき過ぎない仕事

写真は湯葉博多。 生の平湯葉に芝海老のすり身をゆるく伸ばしたものを薄ーーくぬって一枚もう一枚と五枚ほど重ねます。こうやって重ねることを和食の世界では「博多」と呼びます。そうして重ねた湯葉を蒸し器で蒸し、表面にこんがり焼き目をつけて薄いお出汁…

ラジオドラマ〜西原理恵子

録音しておいたFMシアター「晩年の弟子」(小川栄脚本)が素晴らしかったです。 確か一年近く前に放送した作品のアンコール放送、二度目の聴取でも惹きこまれます。こんなにいい作品でもFMのラジオドラマでは聴いている人は極少数なんでしょうね。視聴率なん…

亀山郁夫先生のカラマーゾフ

pod-castで聴いた「ラジオ版学問のススメ」 亀山郁夫先生のインタービューが素晴らしかったです。 「カラマーゾフの兄弟」の新訳でベストセラーをたたき出したことで有名になった亀山先生、半年ほど前にNHKFMでもインタビューを聴いていたのですが、今回はお…

先週から三本

週末も含め四日間も日記を書かないでいると、「このままのんびり書かないのも楽チンでいいなぁ」などという悪魔のささやきが。日記よりも目の前のお客様がまず第一であることは間違いのないことなので、師走ゆえのこと・・・とお許しください。 先々週末、先…