2007-02-01から1ヶ月間の記事一覧

憧れの存在

20代から30代にかけて憧れていた店がありました。 ヨチヨチ歩きだった私には、その店の献立は理解不能。どうしたらこういう発想ができるのか?20年経ってもきっとこの店には近づくことが出来ないだろうと畏怖の念さえ覚えていました。 ワインや日本酒などの…

やっと京都乙訓(おとくに)産の新筍が入ってきました。 以前はずっと筍は「鮮度こそが命」と地元岡部町と決めていたのですが、乙訓産や白子筍に出会ってからはどうしてもこちらに手が出てしまいます。 最初は柔らかく小さな穂を御前崎の新若布と一緒にお椀…

ドリーム・ガールズ

歌が上手ければ歌手として売れるわけではありません。 ずっと昔からダイアナ・ロスを見ても「なんでこんな薄っぺらな歌声の黒人歌手が売れるんだろう?」と不思議でなりませんでした。一番最近(とはいってもかなり昔)ではプラシド・ドミンゴ〜シャルル・ア…

一瞬の風になれ

佐藤多佳子「一瞬の風になれ」読了 「ベストセラーに良書なし」などと言う方もいるそうですが、この本が良書であろうがなかろうが「むちゃくちゃ面白い」ことには異論を挟む方は少数派でしょう。1〜3巻まで時間を忘れて読み進んでいることに気づきます。特に…

鳥貝〜さより

ふきのとう、のびる、田芹がでて、山葵の花が出始めると、海にも春がやってきます。 三河産新このわたの次に、同じく三河の鳥貝、舞阪のさよりのいいものが出始めました。もちろん品物自体は12月くらいから見かけるのですが、使いたいと思うほどになるまでに…

昭和30年代

読み返していた中野翠さんの本の中に昭和30年代を懐かしむ風潮に疑問符を投げかける言葉が。自分の中でもやもやしていた気持ちが中野さんの言葉でクリアに整理されました。 以下は引用です。 *************************************************************…

レンタル

独占欲が強いのか、頭がアナログなのか、本は図書館で借りるよりは自分の本棚に置きたいほうで、CDもダウンロードはおろか、レンタルでも落ち着かなくて手元で愛でたい思ってしまいます。 もともと田舎町ではレンタル屋さんの棚に私の好みのジャズやクラシッ…

勘違い?

もしかして本当に知らないのだろうか?作為的なのだろうか? 幹事長が「閣議の時に私語が多すぎる。総理への敬意が足りない」と発言したことで、昨日今日と、日テレでは「今日の閣議はどうだ?あの大臣とこの大臣は私語を交わしている。席を立つのが遅い」と…

柚香漬け

谷野ファームの奥様が「もしも使えたら・・・」形が不揃いな大根を持ってきてくださいました。紅芯大根 緑芯大根 源助大根。 量があるときには漬物に限ります。 皮を剥いて拍子木に切り、3.5%の塩をまぶして半日置きます。水分が出きったところで、濃口醤油…

「一瞬の風になれ」

先週末、ブック・オフでみつけた佐藤多佳子「一瞬の風になれ」全三巻。あまり熱心に読む気はなかったのですが、出揃ったばかりの新作が安値で買えるのを発見して、値段につられて買ってしまいました。週末に読み始めるともう止まりません。 すると、日曜日「…

春間近の焚き合せ

焚き合せと煮物の違いは、一つ一つの素材を別々に焚いて盛り合わせるか、一つの鍋で煮て盛るかの違いです。 今月の献立は春の香り吉野煮、春の素材の焚き合わせです。 使うのは地元鈴木農園のオニオンヌーボー、谷野ファームのシシリアン・ルージュという味…

メセニー〜メルドー

4ヶ月ほど前の日記に書いた「メセニー・メルドー」をこの1週間毎日のように聴いています。 何回聴いてもその音楽の深さに圧倒され、毎回のように新しい発見があります。 今日ランチで見えてくださった音楽仲間がパット・メセニー、ブラッド・メルドー二人の…

ニューヨークのベーグル

恥ずかしながら海外に10日以上滞在したことがあるのは、20代半ばのアメリカ、カナダに半年、以来全くありません。外国の思い出といえば、ほとんど20数年前のあの時の夢のような日々に頼るだけです。 1980年のニューヨーク滞在一ヶ月強は、仕事でもパッケージ…

春の香り

ふきのとうも鎌田さんが採ってきてくれたものです。前菜に天婦羅でお出しするとビールにはぴったりです。 こちらは野蒜(のびる) 三河産の鳥貝といっしょに沼田にします。 日本の春は山菜の苦味で感じることができます。人間の味覚の中でも苦味に美味しさを…

スナップ?スナック?

スナップ・エンドウなのか?スナック・エンドウなのか?迷っていませんか? 仕入れに出かける店では輸入物と国産物で両方を分けて書いていました。聞けば、「どちらが本当なのかわからないので、箱に書いてある通りに書いているんですよ」・・・と。 昨日お見…

蔵出しルロワ

媚竈 (びそう)さんはアンヌさんのお宝ワインだけでなく飛び切りのブルゴーニュワインも抱えてきてくださいました。 ブルゴーニュ好きなら誰でもが知っているルロワ。しかも蔵出し。 サヴィニー・レ・ボーヌ1969 シャサーニュ・モンラッシェ シェヌヴォット…

田芹

一昨年からお世話になっているキノコ取り名人、富士山麓の鎌田さんは山菜取りの名人でもあります。今年から「山菜もお願いします」と連絡しておきました。 一昨日鎌田さんから「ついでがありますから寄らせてもらいます。どんな山菜がお好みかお話も聞きたい…

図書館

自宅近所の新設なった図書館にやっと出かけてきました。蔵書は書庫の1/4ほどしか埋まらないほどの貧弱さながら、そのスペースが素晴らしい。これまでの十倍近くもありそうなゆったり広々とした空間、明るい光が本を読むには最適です。蔵書なんぞこれからいく…

マリー・アントワネット

キルスティン・ダンストは美しいか? 「スパイダーマン」のシリーズを見ても、「エリザベス・タウン」を見ても「なんでこの娘が主役?美人扱い?」といぶかしんでいた私が馬鹿でした。「美しいか」とか「華やかか」とかという外見を超えてしまう内から放たれ…

日本代表

日本ではいくつかのブームを経てワインの認識はとても高まっています。このところお話が続いているブルゴーニュ・ワインなど、つい十年ちょっと前まで造り手個人の情報もあまり入手できませんでしたが、netの時流に乗って加速度的にマニアックとも思えるよう…

ブルゴーニュ・ラバー

昨日お話した媚竈 (びそう)さんは、フランス ブルゴーニュのボーヌの日本料理店です。貴重なヴァカンスにわざわざお越しいただきました。 料理やワインのお話などmailをやり取りしてもう二年半くらいになるでしょうか。憧れのワインの聖地からの生の声は、…

小躍りしそうな

先日お話したばかりのアンヌさんのワイン。ヴァカンスで来日されご来店してくださった媚竈 (びそう)さんご夫妻が、アンヌさんから直接手渡され、私個人宛てのメッセージまで書き添えてくださったボトルをお土産にくださいました。憧れのアンヌさんの直筆で…

紫尾の露

焼酎は未だに不得手な分野です。日本酒やワインのように味わいを際立って舌に感じることができないのは、飲んでいる量が少ないからなんでしょう。経験値が少ないのですね。 ですから、店に置くべき焼酎を探し出すには信頼している酒屋さんと、焼酎好きのお客…

海堂尊〜中野翠

文筆家がTVに現れて自作について語るというのは、TV番組の俳優や映画の監督に比べて極端に少ないように思います。写真で作者は知っていても動く姿、声を聞くことは稀です。 数少ない作家の言葉が聞ける「週間ブックレビュー」に、たまたまもう少しで読み終わ…

地図

「そうだ!見やすい地図がなかったんだぁ」と遅まきながら気づいて作っていただきました、店の地図 見やすい上に、簡単に印刷できるようになりました。「ご案内」のページほか各ページから開くことができます。 お得意様にとっては今更必要ではないでしょう…

心の中の小さな自慢

ドメーニュ・アンヌ・グロの2004年のワインが入ってきました。 ブルゴーニュ地方ヴォーヌロマネ村のグロ・ファミリーの中でも、とりわけアンヌの造るワインにはぞっこんです。日本への入荷量も少ないために手に入るのは少量ですが、1995年以降途切れることな…

ああ、あの方。。。

毎朝一番で仕入れに出かけると、どちらのお店がどんな食材を持っていかれるかがわかります。未訪のお店でいい品物を必ず手に入れていらっしゃったりすると、そのお店のことが気にかかります。「料理の良し悪しの80%は食材から」と信じている私には、極上の…