2005-04-01から1ヶ月間の記事一覧

ハンディキャップ

ピアニスト舘野泉さんのアルバムは1-2枚持っているだけで、ファンとはとてもいえないのですが、独特の透明感のある音を紡ぎだせる孤高のピアニストといった存在です。 舘野さんが脳出血のためにステージで倒れ、右手が使えなくなってしまったこと、その後…

鳥肌

4月20日に紹介した地元花の舞酒造の「全国新酒鑑評会出品酒 荒走りうすにごり」は、いただいた分があっという間になくなってしまいました。「すみません、もう少しあればありがたいのですが」とお電話でお願いすると、土田杜氏自らが四合瓶数本を抱えて持…

シャンパン話その2

飲んだことはなくても誰もが聞いた事があるシャンパンの名前というと「ドンペリ」ドン・ペリニオン。銀座〜高級〜セレブ御用達の代名詞のように使われるドンペリですね。 このドン・ペリニオンが僧侶の名前でシャンパンの元の形を作った人・・・くらいの知識…

シャンパン話その1

ひとつの事柄について知ったかぶりをして講釈をたれようと思うと、「あれ?この話って聞きかじりだけどホントか?」などと立ち止まることが頻繁です。お座敷での座興話であれば「あいつの言うことは話半分で聞いておけ」というお客様の暗黙の了解もあって許…

京丸ブランド

土を耕し、大地と、太陽の恵み作物を育てる・・・・素人が考えると、理想的なユートピアのような農業生産であるように思えるのですが、実際にはそんな生易しいものではありません。土も天候も毎年人間の思うように操作して、安定した収穫を約束してくれるわ…

こられるもんなら来てみなさい

レアモノというやつをいくつか紹介させていただきました。レアは入手が難しいからレアなわけでなのですが、世の中に存在する以上それなりの手立てをかさねれば必ず手に入るものでもあります。私が「がんばって手に入れた」と大騒ぎしても、同じ努力をすれば…

名演その13〜ブラウニー

検索システムができて気づいた、以前のシリーズ物の復活です。 その12まで続いていたのに途絶えてしまっていた「名演シリーズ」復活 その13はブラウニーことクリフォード・ブラウンです。 夭折の天才ジャズ・トランペッター クリフォード・ブラウンがなくな…

もう一丁レア

今日はさらに食材のレアモノ。 巨大な太刀魚です。 東京からやってきました。2.8kg。約15000円 地物だから美味しい、地物だから新鮮、大きいから大味、値段が高けりゃ不味いはずない・・・・ではなくて、魚そのものを見て、いいものだから、美味そう…

さらにレア

昨日に引き続きレアモノのご紹介。ワイン、日本酒、焼酎と連続でお酒です。 世の中のレアモノ騒動はかなり斜に構えてみているほうなのです。ブランドのレアモノだとか、デパ地下の限定商品だとかいう類のものは、消費者の「私だけ意識」の優越感を高めるため…

私ン処だけ

「限定」「レアもの」「私ン処だけ」ってのが大好きです。単純にそのほうが傑出しているからなのですが。 「お前ン処はそんなのしか置いてないの?普通のヤツはないの?普通のでいいんだけど」とよく笑われます。 食材は当然、その日のこの一本だけ・・・み…

オフライン・ミーティング

弁いちサイトの常連さん、掲示板に普段からお寄りいただく方々の間でお付き合いができるのは、サイト管理者として冥利に尽きることです。 掲示板上で意気投合し、日本酒の会やワイン会でさらに親交を深めていくお客様。弁いちだけで会うのではなく、他でもお…

ピノグリ グランノーブル

「な、なんだぁこりゃ」と思わずうめき声をあげ、その美味しさに次の言葉がでないワインというのがあります。そういうワインに初めて出会った時の感激は、いつまでも忘れられません。 メオ・キャムゼのリッシュブルー、クロ・パラントゥー、レ・ショーム ド…

オリジナル

美味しいもの好きには目が離せない新しいブログうまい店対談で、ハワイ料理店についてこんな会話がありました。 ”レシピ的には全く難しいわけではないのに、オリジナリティを追求する店がないのは、結局オリジナルを知っている日本人が少ないということなん…

悪口

「全くお前ン処は大したことないないなぁ」 「親子三代もやってりゃ、普通なら東京に三つくらい店を持っててもいいはずだぁ」 「いい酒はいらんぞぉ、俺りゃ金ないから」 などなどなど、最初から最後までニコニコしながら悪口、減らず口を言い倒し、すべての…

かわいいヤツ

手前のオレンジ色のペン、二度目のイタリア行きから帰ってきました(修理ってことなんですが)ご主人様は一度もイタリアなんぞ行ったことないのに。 一度目はペン先が割れて半年、戻ってきてしばらくすると軸が抜けやすくなってしまってさらにもう一回半年。…

手を動かせ

私ン処のような日本料理店では上品な出汁をベースにすることが多いのですが、赤だしのお出汁には煮干を使っています。二番出汁にたっぷりの真昆布と煮干を入れて半日、コトコト煮出さなくても置いておくだけで濃厚な出汁がとれます。 お客様に教えていただい…

おばちゃんのタイ料理

地元で話題になるそれなりの店のチェックは忘れないつもりでいます。信頼をする舌を持った方のお奨めのお店は要チェックです。 あるお得意様が薦めてくれたタイ料理の店は、いかにも場末な感じ、スナックや一杯飲み屋が軒を連ねる薄暗い横丁にありました。 …

オジチャンオバチャン

ほぼ同世代といっていい松任谷由美がFMの番組で言っていました。 「この頃ツアーでスパッツを普段着にはいてるのよね。スパッツってオバチャンも使うようになって“オバチャン・アイテム”って避けてたんだけど、この頃また変わったみたい。ドクロなんかも最近…

縦長の四季

この地では桜が満開となりました。メディアでも東京や京都の満開の桜を中継しています。「入学式 満開の桜の元の新入生」には今年はちょっと遅くなってしまいましたが4-5日の差です。 先日長野県諏訪出身のお得意様がおっしゃいました。「私の故郷では桜は…

明細票

よく言われることなのですが、欧米では高級レストランでどれほどサービススタッフと和やかに心地いい食事をしようと、いざチェック(お勘定)の段になると、ホストは「なにか不正はないか」といわんばかりに細かく明細を確認するものである・・・・と。 日本…

思い出の味

思い出の味は年月を経れば経るほど郷愁とともに美化されるものであります。 「あの時食べた○○は美味かったぁ」は、10年後20年後に同じ物を食べると「あれ?こんなもん?」となる経験は多いはずです。思い出は美しいものとして自分の中だけで完結していればい…

十年目の初対面

インターネットをやり始めたのは1995年頃のことです。さまざまなサイトに巡り会い、その多くが消えていきました。 その中でいつも憧れの的であり続けたサイトは「さとなおさん」でありました。読む人を惹きこむ文章力、旺盛な好奇心、レストラン・ガイド…

さより

浜名湖のさよりが入荷しています。年によってはほとんど獲れない時もあります。この地の地物といっても三河湾から御前崎くらいまで範囲は広くとらえられるのですが、浜名湖のさよりは地物の最も近いもの。 一般的に見かけるさよりは背の色が黒味がかった灰色…

マツケン・サンバ

消費者が欲しているものと、生産者が提供したいものは往々にして一致しません。 例えば、料理人であれば(私だけかもしれませんが)、いい素材を使い、手間を掛けた仕事をしたいし、そういう仕事こそを評価していただきたいと思います。技術と見識を持った料…

出会い

サイトをリニューアルしました。とはいっても、昨年夏の時のように全面的な改装ではなくて、傍目にはちょっとした変化のように見えるでしょう。ところが、私にとっては画期的なリニューアルなのでありました。 「整理されていない情報はただのゴミである」と…

 かすべの煮こごり

かすべはアカエイのひれです。ひれの軟骨がこりこりして独特の食感があります。 初めて知ったのは昨年。お得意様が「親方、かすべって使ったことある?ふるさとのお惣菜なんだけど、美味しいんだよねぇ」と教えてくださいました。築地経由でかすべは手に入れ…