2008-03-01から1ヶ月間の記事一覧

伊藤たかみ

買ったままどこに置いたのか忘れてしまっていた伊藤たかみさん「八月の路上に捨てる」が見つかって・・・読了。 これもなんか書くのがはばかられるほど上手いなぁ。「文章ってのはこうやって書くんだぜ」と目の前に突きつけられたような素晴らしさ。ものすご…

 「ノー・カントリー」

昨日のお休みは映画「ノー・カントリー」(”No Country For Oldman”) アカデミー賞 作品賞 監督賞 助演男優賞の三部門でオスカーを獲得したこの春一番の注目作です。 しかし、なんと重たい映画であるか。同じコーエン兄弟の「ファーゴ」もそうでしたが、や…

山菜

天然の山菜を使い始めると、栽培モノは「まっ、使わなくてもいいかぁ」という気になります。 何が違うかっていうのは使った人間と食べた人間にしかわかんないのです。ふきのとうはただ苦いだけでなく、うるいは姿から違い、クレソンは柔らかくて香りが穏やか…

談志10時間 

BSで放映された「談志10時間」の録画を少しづつ観ています。 以前に放送されたドキュメンタリーの一部も盛り込まれ、その中にこんな映像が。 ある地方都市で行われた談志さんの独演会、演目は「富久」です。噺も後半、当たりくじを燃やしてしまった主人…

MoMAデザイン

ニューヨーク近代美術館 MoMAのショップグッズのデザインの秀逸なことは有名です。 そりゃ、たくさんの永久保存デザインをもつMoMAのことですから当然なのですが、商品化のセンスの良さは日本の美術館に是非見習っていただきたいと思います。 お客様からのニ…

ガージェリー 名前の由来

店で使っている生ビール「ガージェリー・ビール」のガージェリーはディケンズ「大いなる遺産」の登場人物に名前の由来があります。 とはいっても、私は「大いなる遺産」は未読。先日BS録画で観た映画版「大いなる遺産」でやっと確認できました。ディケンズの…

パン屋さんの革新

以前に書いたことがありますが、この数年のケーキ屋さんの変化の著しさは目覚ましいものがあります。10年前に「いいケーキ屋さんだな」と思っていた店に近頃では手垢がついたように見えてしまうのは、そのケーキ屋さんの腕が落ちたわけではなくて、回りの…

親置いてきぼり

夜のお席にお越しになったお嬢さんは見た感じもお母様とのお話っぷりも大学生?という感じ。 ところが、聞けばこの春高校へ入学するまだ中学生でありました。風貌も佇まいもずいぶんと大人びて見え、お話を伺っていると佐藤多佳子の「一瞬の風になれ」が出て…

山菜

きれいな「かんぞう」と「ふきのとう」が届きました。 宅配便の箱を開け一目見ただけで「素晴らしい!これなら安心」と胸をなでおろしました。 昨日お話をしたお付き合いが始まりそうな予感を感じた山菜採り名人から届いた品物はプロの仕事です。 ふきのとう…

訃報

この3-4年、天然茸と山菜を送ってくださっていた鎌田さんが急逝されました。 鎌田さんに任せておけば、細かな連絡をしなくても今採れたものを具合よく送ってくださっていたので、私にとっては大きな痛手です。 今さら栽培の山菜を使うわけにもいかず、茸も…

こだわりへのツッコミ処

よくあることなのですが、TVグルメ番組で放送される「こだわりのお店」、時にツッコミ処満載だったりします(時にというか地方局の場合よく・・・かも) 現れたのはイタリアンレストラン。パスタ、ボロネーゼの紹介です。厨房もそこそこ綺麗に整い、フライパ…

紙ジャケ〜ケニー・ランキン

残念なことにもうすぐ番組が終了してしまうFM J-WAVE ”大貫妙子 THE UNIVERS”で、先週はケニー・ランキンのミニ特集。なんとランキンの紙ジャケが一気に発売されることを知ってウキウキであります。 CD化されて日本で発売されているアルバムが少ない歌手で、…

日本酒の歴史 昭和60年代以降

昭和40年代後半になると日本酒蔵では、「このまま三増酒だけではいけない」「売れればいいだけの桶売りでは日本酒の将来はない」「自分が美味しいと思うお酒を造りたい」という若い世代が出現し始めます。酒屋さんにも全国で「自分の売っているお酒は本当に…

日本酒の歴史〜昭和50年

昭和40年に主役の座をビールに奪われてからというもの、日本酒の生産量に陰りが見え始めます。経済成長を遂げ量よりも質を問われる時代にさしかかると、「こういう日本酒、美味しくないんじゃぁないの?」という消費者の疑問も出始めるのです。といっても…

日本酒の歴史〜昭和30-40年

昭和20年代後半の混乱期に始まった三増酒の時代は、昭和30-40年代に急成長期を迎えます。 日本中ががんばって働いて経済は右肩上がり、豊かな時代にはまだ時間がかかりますが、先が見えない暗い時代から明るい未来を信じた時代です。工業化、技術革新…

日本酒の歴史〜戦中・戦争直後

ずっと以前にもお話をしたことがありましが、日本酒の製法は第二次世界大戦と敗戦後の困窮でダメージを受けました。国家存亡の危機に「うまい純米酒を・・・」の気運が生まれるはずもないことは誰が考えてもわかります。その後の昭和30年-40年代も簡単に…

日本酒の歴史〜暮らしに根付いた

昭和40年代くらいからの日本酒の味は、私の記憶の中にあるのですが、それ以前の日本酒がどんなものであったのかは見当がつきません。特に戦前の日本酒。もちろん、製法や酒米、酵母についての記録は残っているものの、味わいをきめ細かく記述したものは見…

日本酒の歴史〜お気楽な過去への批判

net上のある書評にこんな文章がありました。日本酒についての本に対する批判です。 「菊正宗、月桂冠、なんて日本酒を破壊した張本人たちがうまい酒に並ぶなんて。秋鹿、悦凱陣にどう顔向けするのか。本醸造の酒を認めているんだから根本から間違っている」 …

観てないDVD ヴィデオ

レンタルで借りてきたDVD(ヴィデオ)を観る間がなく返却日が来てしまい、ケースから出さないまま返してしまったことはありませんか? 「おっ、これ、観たかったんだぁ」とTVから録画してあるのに数ヶ月観ないまま積んである、もしくはHDDに入ったままの映画…

記録された献立

店では「○月○日 △□様 献立」という風にすべてのお客様の献立と器、飲まれたお酒が記録されています。次回お越しいただくときには必ず前回前々回くらいまでは献立とお酒を確認し、できるだけ料理とお酒が重複しないようにしています。 まっ、小さな店だからで…

薄味と濃い味

先日お客様に「この焼き物(柳鰈の若狭焼き) ちょっとお醤油が欲しいんだけど・・・」とご注文を受けたことがありました。 同席のご友人からは「こういうところへ来て醤油頼むかぁ。田舎モンだなぁ」と冗談交じりに揶揄されていましたが、醤油や塩が欲しい…

春うらら

昨日の休日は日差しが完璧に春。それまでウオーキングでかぶっていたウールのキャップを脱ぎ、薄手のダウンからウィンドブレーカーに変えて、湖畔の公園にウチの子(犬)と出かけました。先週まではまばらだった人も駐車場に車が入れないほどの賑わいです。 …

バンテージ・ポイント

大きな期待をしないで観にいった映画が大当たり!であることは何度もはありません。 「バンテージ・ポント」は花丸をつけたくなるような大当たりでありました。監督は知らない人だし、デニス・クエイドの主演というのもちょっと薄い感じ、メディアでは「大統…

私だけの名盤

これまで名盤シリーズで紹介してきたアルバムは、そのほとんどが長く語り継がれ、数十年にわたって販売され続けてきたものばかりです。おそらくジャズファンの90%が「名盤である」と同意してくれるはず。 なのですが、隠れた名盤・・・というか、あまり話題…

黒むつ

赤むつを使うことは頻繁でも黒むつはあまり献立に上りません。使うべきいい黒むつに出会うことが少ないからです。 今日は久しぶりにちょっとそそられる黒むつでした。すべてが1kgアップ。鮮度も抜群で身質が素晴らしい。 幽庵焼きにするか、酒粕焼きにする…

20万件の廃業

日本中の飲食店の数は80万軒とも100万軒とも言われます。その中で毎年20万件が廃業し、20万件が開店するのだそうです。 全体の20-25%が毎年入れ替わるというのはちょっと異常です。確かに周辺を見ても5年続く店がいかに少ないか。 新たに飲食に参…

作品への評価と批判

たまたま見かけて惹き込まれてしまったNHKBSでの川久保玲さんを取り上げた番組がありました。平成14年の再放送ですからもう6年も前の作品なのに、メディア露出が極端に少ない川久保玲さんのことですから、パリコレに出てくるようなファッションにはとんと…

二馬力

お得意様が購入した2馬力(シトロエン2CV)に乗って来店してくださいました。(写真はそのものではありません) 思わず「乗せて!」とお願いしたりして。まだ経験したことがなかったのです2馬力。 助手席に座るとすべてが異次元。これは世の中に溢れる車と…

全部板前

市内の日本料理の板前とその関係者だけが集まる料理講習会がありました。講習会と言っても料理を食べて説明を伺うだけの食事会、東京の超高級店出身のシェフの料理をいただいてきました。 壮観なのは30-40人の出席者の9割が板前であったこと。 私が間違…

冠婚葬祭

いつまでも若いつもりでいたのに、いつのまにかマナー礼儀作法のことを聞かれる世代になってしまっています。こういうことは年長者に「どうするの?」といつもお伺いをたてていたのに、気がつけば「ああ、あんな無作法なことをして」と嘆いている自分に気づ…