2007-04-01から1ヶ月間の記事一覧

ロストロ・ポービッチ氏

ロストロ・ポービッチ氏が亡くなりました。 ドボルザークのチェロ協奏曲を初めて聞いたのは、カザルスではなくてロストロ・ポービッチのそれでした。これでまた「巨匠」の風格を持つ音楽家が一人消えました。 合掌

移り変わり

店のある場所は比較的飲食店も多い地域です。何十年も続く老舗もあれば、最近では時代の流れに逆らえず、テナントに入る新規の店も多くなってきています。 一昨日すぐそばのバーの看板が変わっていることに気づきました。以前の店は4-5年前にバーテンダーが…

飛露喜特選

福島県会津坂下の「飛露喜」は今若い方を中心に人気のお酒です。 三十代初めの若いご主人とお話しする機会があった時、「大吟醸はお造りにならないんですか?」と聞くと、「毎年造ってはいるんですが、まだ自信作とはいえません。胸を張って出せるようになっ…

チョイワルはお金がかかる?

昨日お話したアンリ・ジロー・フュ・ド・シェーヌ グラン・クリュ あるサイトにこんな逸話が。 「おまかせのコースのみの店で、”飲物も適当においしいやつ”と頼んだら出てきたのがこれ”アンリ・ジロー・フュ・ド・シェーヌ グラン・クリュ”とんでもないやつ…

アンリ・ジロー

アンリ・ジロー・フュ・ド・シェーヌ グラン・クリュ 「1625年から続くシャンパン・メーカー」「王室御用達 一部の上流階級のみの販売を基本としている」 「英国のプライベート・バンクが、重要顧客への贈答用に使われる」 「最優良年にのみ造られるヴィンテ…

映画「東京タワー」〜店の歴史 番外

休日に映画「東京タワー」を見てきました。 松尾スズキの脚色が素晴らしい。その才能に畏怖の念を覚えるほど素晴らしいのです。親子の半生を描いた小説には、物語の骨格を作るであろう様々な逸話がちりばめられているのですが、それをバサバサ切り捨てた上で…

店の歴史 その三

戦後は父の時代でした。 もともと父は次男坊、戦争に取られ九死に一生を得て戻ってみると、長男が戦死していました。時代は長男が後を継ぐのが当たり前のに時代、長男が亡くなれば次男。店を放り出すなど考えられなかったのです。 思いもよらず料理店を継ぐ…

店の歴史その二

祖父のお話の続き 開店後順調に店はのびていったものの、戦争ですべてが灰燼に帰しました。この地は艦砲射撃で市内のほとんどが焼け落ち、店も跡形も無くなりました。 終戦後、再度一から出直したのは他のすべての日本人と同様です。 祖父は職人として一時代…

店の歴史その一

「弁いち」は私の祖父がこの地に大正末期に開店したのが始まりです。 祖父は小学校に通いながら料理店に丁稚奉公に入って料理人の第一歩を歩み始めました。明治の時代にはそんな奉公も珍しくはなかったのです。丁稚奉公先はこの地の名料亭として有名であった…

板の前〜昨日の続き

昨日の続き 「料理の仕事なんぞ、地道に続ければだれでも身につくものである」と言ったばかりではあるのですが、そんな風に思えるようになったのは実はつい最近のこと。30年も仕事をしてきてやっとたどり着いたともいえることを考えるとあまり大きなことは言…

苺ミルク

昨日からデザートが「牛乳プリン 苺のせ」になりました。 選んだ牛乳と生クリームを卵白だけで柔らかく蒸しあげて中華風の牛乳プリンを作ります。出来立ては固まりきっていないほど柔らかですが、冷やすことで少し硬めになります。苺をスライスして並べ、氷…

板の前

板前というのは板(まな板)の前で仕事をする人という意味があります。 日本料理では板の前の仕事をする人が一番えらい人です。味をつける煮方よりも板の前(立板とか花板とも呼びます)の板前が上位にあるのです。 修行時代、調理長=立板(板前)は憧れで…

200kg

鮪 ほぼ200kg でかいです。

読みたい雑誌

愛読している内田樹先生の日記にこんな文章がありました。 「私がものを書き始めたのは”読みたい雑誌がない”ということが大きな理由であった。しかたがないので、自分で書いたエッセイを自分に読ませていたのである」 確かに 読みたい雑誌がありません。 目…

こんにちわ

昨日の休日は父のお年忌を前にお墓のお掃除をしてきました。連れ合いがこういうことにとてもマメでいてくれますので、私は言われるままに動くだけ。 大方のお掃除を終えて、お参りのためのお線香を取りに車へ向かう時、幼稚園児くらいと思われる小さな女の子…

魚の見分け方

よくTVや雑誌などで「新鮮な魚の見分け方」などというご教授がご披露されます。 いわく ☆目が透き通っている。目の色がその魚の固有の美しい色になっているか。 ☆エラが美しい紅色。くすんでいないこと。 ☆魚体の銀色が輝いていること。色がはっきりとして…

 日々のよしなし事

山田洋次作品でオーラとも呼べる存在感を見せてくれていた田中泯。土方巽の弟子と初めて知って激しく納得。土方巽を生で見るには幼すぎた私に、そのDNAを伝えてくれているような気がします。 DVDに録画しておいた「トニー・ベネット80歳バースデイ 大デュエ…

こごみ

「天然こごみ」が入荷しました。 いままでこごみもほかの山菜同様、天然を使えることはありませんでしたらから、本来の正しい時期を知らずに、市場に出た時が使い時と思っていました。今回いただいて初めて「今」がこごみの時期であることを知りました。たぶ…

興奮の新書

それほど昔のことではないと思います、新書と呼ばれる本がつまらなくなってしまったのは。題名が刺激的だけで紙面を浪費しているだけの陳腐な「啓蒙まがい本」 サラリーマンの本棚に居並ぶ経営ハウトゥー本や人事掌握ハウトゥー本と変わらない「お題目負け本…

消耗品

料理屋で使う器というのは基本的に消耗品であるのですが、中でもグラスは陶器や漆器と違ってきわめて消耗率の高い器です。 ですから、グラスに奢っているかどうかで店の格まで分かってしまうこともあります。小さな居酒屋さんではビール会社の試供品であるグ…

カポーティ

見逃していた映画「カポーティ」のDVDがレンタル屋さんに出て、やっと見ることが出来ました。 いやぁぁぁ。。。。ものすごくいい映画だぁぁ。映画館で見られなかったことがつくづく悔やまれます。 昔、映画「冷血」(1967年作品)を観て、一家四人惨殺事件は…

子牛

初めて店で使う「子牛」です。茨城産。 「この子牛は使えますよぉ」と、力のあるシェフのお話にのって取り寄せてみると、仰せの通り「いけます」 和食のことですから、輸入肉の冷凍品を無理して使うこともないと思い、これまで子牛に手を出すことはありませ…

コンディション

私が子供の頃、例えばプロ野球では、前夜の銀座の酒が残ったままでもホームランを打つことが、仕事師として尊敬されるような風潮がありました。この世界でも20年前でしたら、「昨日飲みすぎちゃって・・・」ってハードボイルドでカッコイイと思われていま…

マーラーなのかも

昨日書いた「豪華」な献立のお店、たまたま先日買っておいた料理専門誌に同店の献立が載っていてそちらは素晴らしい。少なくとも私の発想ではとても思いつかないような斬新さと、材料使いの卓越した技術があることが見て取れます。あのあざとさは、やっぱりT…

桜鯛

鯛は真夏以外大概美味しくいただける魚の一つです。 とはいえ、産卵前の春と秋はことのほか脂がのって美味しくなります。桜が咲く頃の桜鯛と紅葉のころの紅葉鯛。卵を産むためにたくさん栄養を取り太るのでしょうね。 今年の暖冬のせいか、例年に比べると身…

 備忘録として

昨日「小説を読んでないなぁ」なんて言ってしまっておいて、思い出してみたらしっかり読んでいました。 久世光彦「陛下」 昔の電球に照らし出された夜の部屋の雰囲気がまざまざと思い起こされる小説。耽溺という言葉が似合いそうです。

 豪華?

TVで見たある和食屋さんの献立「フグのお刺身 まるごとのふかひれの天婦羅 筍の海胆焼き すっぽんの出汁を使ったしゃぶしゃぶ 黒トリュフの炊き込みご飯」 なぁぁんだそうです。 ふーーーん、としか言いようがありません。スッゴイですねぇ。 リヒャルト・ス…

備忘録として

すぐに書き加えるのを忘れてしまう読書備忘録 とりあえず、ページをめくった本の羅列のみ 荒木 経惟「東京人生」 香川照之「日本魅録」 日垣隆「そして殺人者は野に放たれる」 大友浩「花は志ん朝」ああ、小説を読んでない。。。

浸る

遅まきながら三島由紀夫がやっと読めるように(理解できるのではなくて読むのに悦楽を感じというほどの)なったとつい最近書いたばかりでした。 先日小津安二郎の「晩春」をDVDで見て、これもやっと見ることが出来るようになったのでありました。周防正行監…

ミニオフ会

得意様が集まった極々内輪のミニオフ会がありました。 最初は「ペトリュス皆で飲みませんか?」の声に答えた、弁いち掲示板常連の親しい方々の集まりです。「んじゃ、私は○○を」「んじゃ、私は・・・」と集まったワインがこんな豪華なラインアップ アラン・…