「本日、東京ロマンチカ」


中野翠さんの新刊「本日、東京ロマンチカ」を読み始めました。


このシリーズのコラム集は何冊目でしょう。一年に一回出版されるのをいつも心待ちにしています。他のどんな本を読んでいても、そちらはとりあえず置いておいて中野さんの新刊に手が伸びます。ナンシー関さま亡き後、中野翠さんと斎藤美奈子さんを読むことで、「世間のおかしなこと」に自分の中でなんとか落とし前をつけることが出来ます。中野さんが私よりもひと世代前、斎藤さんは同世代なだけに、その言葉に激しく頷くことが頻繁です。考えてみると男性ではそういう同年代の作家がいないのですね。世間を評してハタと手を打つのははるかに上の世代の故山本夏彦さん、小林信彦さんあたりか?同世代の男性モノ書き評論家の類は胡散臭いか切れ味が鈍い人ばかりかも。


東京ロマンチカ・・・といえば、昨年末FMから流れてきた「トリオ・ロス・パンチョス」があまりに上手くてカッコイイことに驚いたことがあります。聴いたことがあるのは何十年も前、「こんな音楽のどこがいいの?」と単純に思い込んでいたのは大きな間違いでした。あれだけの実力があるからこそ、日本でも人気が出て、ロマンチカ、ロスプリモス、ロス・インディオスなんていうグループが生まれ、歌謡曲へと変遷していったのでしょうね。偉大な音楽家なんでした、ロス・パンチョス。


備忘録として桐野夏生「魂萌え」 桜庭一樹赤朽葉家の伝説」あたりも読んでました。