2002-01-01から1年間の記事一覧

根拠のない自信

私がこの道に入ったとき、師匠とも言うべき料理長は39歳でありました。 20代前半の若造にとっては雲の上の人、日本料理については何を聞いても知っているし、献立も溢れるように出て来るように見えたものです。 お吸い物の味付けひとつにしても確固たる…

やってみてわかること

ランチをやってみて驚きました。 たった二日だけなのに、身体の使い方、気の使い方、料理への集中の仕方、すべてが全く違うのことがわかりました。 一般の方が外から見れば、「同じ日本料理じゃん」と思われるでしょうが、やってみて身体を動かしてみなけれ…

期間限定ランチ

本日より11月いっぱいをめどに「期間限定ランチ」をご提供させていただきます。 12:00-13:30 親子丼 ¥900 季節の炊き込み御飯(旬の野菜の焚き合せ添え) ¥1000 鉄火丼 ¥1500 (予約の必要なありません) 親子丼は三河地鶏に茨城の三つ葉、赤出汁とお…

ロード・トゥー・パーディション

「ロード・トゥー・パーディション」はギャング映画で、妻と子を殺された男の復讐劇で、ロード・ムーヴィーで、二組の親子の愛情を描く映画で・・・・・トム・ハンクス、ポール・ニューマン、ジュード・ロウ、すでに顔で演技している子役(名前を忘れました…

ノン・アルコール

アルコールが全くダメ・・・・というお客様はたくさんいらっしゃいますので、基本的に「よろしければお茶をお持ちしますが」とお勧めをします。 他にも、メニューにはウーロン茶、サンペレグリーノなどのノン・アルコールの飲み物と、アルコール度の低い甘口…

海難事故

「主人が海難事故で亡くなり、塩つくりができなくなりました」というお葉書が届きました。 小笠原 父島の大木さんからです。 お客様に教えていただいて以降、一年に2〜3回まとめて送ってもらっていて、そろそろ10kgほどももらわなくてはと思っていた矢先…

頭が高い

「ひかえおろう 頭が高い こちらは丹波の松茸であ〜〜〜る」 というのは性質(たち)の悪い冗談です。 が、 丹波産は本物です。 誰がこんな値段にするんでしょう。 どっかで異常に儲けている人がいるはずです。 日本人って本当にブランド好き(私も含めて) …

需要と供給

今日の白川(白甘鯛)は3kgです。 このサイトを立ち上げた頃、なかなか手に入らない魚。食べられたお客様はラッキーなどと書いていたのにもかかわらず、この一年は頻繁に手に入るようになりました。 それでも、昨年の3kgを越える白川は「一年に一本ある…

太陽の恵み

今年の唐墨です。 右側が塩漬け後、干し始めて5日目、後2〜3日で出来上がるでしょうか。左側の5腹は今日から干し始めです。 毎日、日に2〜3回ひっくり返しては干しつづけます。 干さずに食べたらただの魚の真子が、塩と太陽の恵みだけで酒飲みがこよな…

日本のお父さんお母さん

毎日のようにTVで取り上げられる、北朝鮮拉致被害者のお父さん、お母さんを拝見していると、日本の普通の父親母親の姿をあらためて見るようでホッとします。 近頃TVに現れる素人というのは、ちゃんとウケ狙いを考え、TVに移った時の自分を自然に計算している…

ワイン会のお奨め

掲示板や日記をご覧になると、弁いちのワイン会となるとワイン通ばかりが集まり、薀蓄話のテンコモリ、半端な知識では肩身の狭い思いをするのでは・・・・・などと思ったら大間違いです。 日本酒の会でもそうでしたが、お客様の薀蓄話や、これまで飲んだお酒…

ウイントン・マルサリス

地方に文化が育たないとか、いいものは東京ばかりに集中してしまうなどと御託を述べる資格は私には全くありません。 ましてや、浜松は「音楽の街」などと言うけれど、「楽器製造の街」であっても「音楽を発信する街」では決してない・・・・などとも大きな声…

ワイン会のお知らせ

前回の日本酒の会の後、ワイン会も・・・・というご要望もありましたので、11月に「日本料理にワイン」の会を開催いたします。 和食+ワインの試みはすでに10数年続けていますし、あるワイン屋さんのワイン会は年に何回もやっていますので、お手の物では…

日本の季節感

アメリカで板前修業をなさっている方からありがたいmailを頂戴しました。 かの地で読むと、素材感とか季節感と言うのは参考になると書かれていました。 日本で日本料理を作ると言うのは当たり前すぎるほど当たり前のお話で、その有り難味を実感していないと…

癒し系

しばらくモーツアルトを聞いていなかった・・・・とCDとヴィデオを探して見ました。 バッハ、モーツアルトは定期的に聞かないと心が荒れる気がします。 探し出したのはホロヴィッツ〜ジュリーニ〜ミラノ・スカラ座フィルの「ピアノコンチェルト」とトン・コ…

手こね寿司

タウン誌の来月の特集が「お寿司」ということで、手こね寿司の撮影取材をしました。 ぶつ切りにした鰹を醤油につけ、寿司飯に混ぜ合わせるというこのお寿司は三重県伊勢志摩あたりの郷土料理です。 元々は料理が船上で作ったまかない飯だと聞きます。釣れた…

真っ当な仕事

お客様からお土産に頂戴した恵那の栗羊羹と栗キントンがともかく美味しいのです。 栗キントンは本場中の本場ですから名店がしのぎを削っているようで、中でもいただいた店のものは栗の香りだけでなくて果物の香りのようなニュアンスまで感じられます。 栗キ…

林和一さん

林和一さんの個展が、近所のアートギャラリー「アートノルネ」さんで開かれています。 何度もこのサイトでは紹介していますが、版画家にして陶芸家、私が最も信頼する大好きな作家さんです。 大きなものは小萩の間の襖絵。四季にわたる版画、器は100枚以…

やっつけの名盤

サー・ローランド・ハナ(掲示板で話題になった)というピアニストがいます。 サー(Sir)というのはカウント、デュークなどのようにミュージシャンが本人でつけた称号ではなくて、ハナらアフリカ、リベリア共和国で大統領から授けられた本物のSirなのであり…

打ちこみ打ちこみ

お世話になっているタウン誌の来月号用から「秋のご飯」取材の依頼。 別の編集者から「お寿司」特集「家庭でできるお寿司」のレシピと写真撮りの依頼。 地方FM局の番組から若い女性のための簡単なデザートレシピの依頼。 コラムの締め切りも迫っているし、…

匂い

匂いと言うのは染み付くものであります。 鰻屋さんの蒲焼を焼き上げる時の匂い。 洋食屋さんのドミグラスソースや玉葱を炒める時の甘い匂い。 イタリアン・レストランのニンニクを炒める時の匂い。 フレンチ・ビストロのバターの匂い。 これらは「匂い」と言…

舞茸

信州産天然舞茸です。 山を歩き回って見つけると小踊りしてしまうほど貴重だから舞茸なのか 食べたとき美味しくて思わず舞ってしまうほどだから舞茸なのか どちらにしても天然ものは我が子でも生えている在り処を教えないのだそうです。 かますや赤むつとい…

お辞儀

自分のことをさっぱり棚に上げてお話します。 くれぐれも「そういうお前はどうなんだ」とはおっしゃらないでください。 ある地方局のグルメ番組を眺めていて思いました。 「そういえば、ここで出てくる料理店のご主人もしくは調理長のほとんどがお辞儀ができ…

手仕事

TV「新日曜美術館」で日本の伝統工芸展の出品作品と作者の紹介をしていました。 織物 漆器 陶芸 七宝 紅型 すべてが小さな作品がそのものに小宇宙が存在すると思えるほど、完成された繊細、緻密で芸術性の高いものでした。 職人と芸術家の微妙な境界線にいる…

感性の錆つき

MISIAの”KISS IN THE SKY”の中から「眠れぬ夜は君のせい」を聞きました。 TVで頻繁に耳する歌もアルバムの中で聞けば、音つくりの緻密さと迫力が違うのが当たり前ですから期待していたのです。 彼女の歌の良し悪しはあまり興味がないのでさておき、アレンジ…

Noa

ノア(Noa)・・・・・といってもヒットチャートに載るような音楽ではありません。 イエメン系ユダヤ人の女性ミュージシャンです。 1995年頃、ジャズ・ギターリスト パット・メセニーのプロデュースによる”Noa"というアルバムでデビューしたことで知りま…

今日はカマス

その日の一番いい魚を使いたいと毎日思っています。 昨日は御前崎産アラと三陸産鰯でした。 鰯?そんな雑魚・・・・と思ったら大間違い、あれほどの鮮度、身質の高さは二年ぶりくらいというほどいい鰯でした。鰯臭さなど微塵も感じないほどです。 とはいって…

マヨラー

マヨネーズ偏愛者(?)を「マヨラー」と呼ぶのだそうです。 知らなかった。 ご飯にはもちろんラーメンにもマヨネーズ、マイ・マヨネーズをキープできるレストランまであるのだと聞きます。 小児科の先生のお話では子供達の味蕾(ミライ)が破壊されつつあっ…

落ち鮎

この時期に捕れる鮎を落ち鮎と言います。 7月の頃の大きさが信じられないほど大きくなって、脂がのり、ものによっては白子や真子を孕んでいます。 昔からの落ち鮎の定番は「煮びたし」といって、子をパンパンに持った鮎を甘辛く煮あげる料理です。 が、 天…

プロのカラオケ

カラオケが苦手であることは以前にも書きました。 少なくともカラオケ・ボックスなるものには一度もいったことがありません。 カウンターの中から「どうぞ一曲」などと歌うことも接待の一部、みたいなスナック、バーの類へもずいぶん長いこと連れて行かれた…