お湯割り器

焼酎お湯割りという注文は頻繁ではありませんが一定数のお客様からいただきます。 これまで使っていた器は「それなり」のもの。 焼酎文化が希薄なこの地ではお湯割りにはどんな器がいいものやらよくわからないというのが実情でした。 で、 ふと 思い至ったの…

 最近入手したガラス器

小さなワイングラスは日本酒用です。 馴染みの酒屋さんに教えていただいたガラス屋さんのグラス。 飲み口が薄くて繊細な感じがとても気に入っています。 徳利二つはお客様が紹介してくださった京都の骨董屋さんのガラス徳利 明治期のもののようです。 骨董は…

 工芸を我らに 企画展 at資生堂アートハウス

現在掛川にある資生堂アートハウスで「工芸を我らに」という展覧会が開かれています。 人間国宝クラスの陶芸家の作品でも日常で楽しめるものがたくさんあるぞ! どんどん使ってみましょう。 という企画です。 ありがたいことに、この企画で実際に料理を盛っ…

 多様なグラス

25年前の日本料理店を考えたら、店に置くグラスなんぞビールグラスと冷酒グラスの二種類があれば事足りました。 ジュースも冷たい烏龍茶も同じビールグラスを使うのが普通でしたし、冷酒も一種類で十分でした。 へたをすればビール会社のロゴが入っていたり…

和一(わいち)さんの黒織部

もっとも信頼し、尊敬する陶芸家版画家 林和一さんにお願いしてあった黒織部が焼き上がったと連絡をいただいて、アトリエを訪ねてきました。 できあがりはこんな感じ もともと右側の器を個展で頂き、「もうちょっと大きく、タチもすこし高く」と依頼したので…

 素人とプロの境目

仕入れでお付き合いをしている店のご主人が焼いた器です。 市民展のようなコンペ(?)に大壷を出品し大賞を受賞したがの新聞に大きく報道されて、はじめて陶芸が趣味だとしったくらいに決して自慢げに自分を語らない方です。 「一度ぜひ見せてくださいな」…

臼田さん訪問

休日に車で一時間ほどの山の中 森町(遠州森の石松の出生地)まで出かけてきました。 先日瑠璃釉深鉢をいただいた臼田けい子さんのアトリエがこの地にあって、近隣の作家達も含めたオープンハウスがあったのです。 臼田さんのアトリエは太田川へ流れる、静か…

新作

個展で購入した新作 近隣の森町在住の陶芸家 臼田けい子さんの瑠璃釉深鉢

陶芸作家展2010

多治見で連休中に行われている「陶芸作家展2010」へ出かけようと目論んだのですが、交通情報を見ると連日の大渋滞。連れ合いは5kmの渋滞でも許せない人なので、40km渋滞で出かけるわけもなく・・・・「そうだJRで行けばいいじゃん」と久しぶりにJRで多治…

器搬出

今日は本格的な片付けの第一弾、器の搬出です。 作業の若い方は「高い器・・・怖いなぁ・・・やだなぁ」と。 そう、なかには一箱数十万なんてのもあるにはあるのですが、こんな風に積み上げる器は、まっ、安心。毎日使っていると価値に無頓着になってしまうんです…

抜き型

調理場の整理をしています。この際不要なもの使っていないものは「えいやっ!」とばかりにドンドン捨てなくてはいけません。大体五年も使わなければこれからも使うことはないはずなのに、「いつか使うときが来るかも・・・」と品物を溜め込んでしまうのです…

使われていないお膳

輪島塗 鶏を蒔絵に描いた螺鈿のお膳。繊細な猫足です。 昔はこういう低いお膳が畳の上に置かれて食事をしたのです。昨今ではこういう食べ方をお客様に強いるのはかなりのストレスになるでしょう。なにしろ器を持って食事をするという習慣がないのですから。 …

ワイングラス

ワインを大切な飲み物として扱っている料理店では、グラスもそれなりのものを使っています。 よく見るのはこれでもか・・・というほど大きなボール型ややや縦長のグラスです。 私が初めてワインを飲んだ1970年代にはあんなグラスを日本で一般的に見かけるこ…

錫器

お湯割りに使ういい器が見つからなくて、折に触れては探していました。 ちょっと厚手のグラスをいままでのように使ったものか?最近はやりの土物、たとえば備前のようなざっくりした陶器を使ったものか? 迷っているときに、店の標準焼酎、本坊酒造さんの「…

おたま

「おたま」「玉杓子」「金がい」「杓」などなど呼び名はさまざまありますが、家庭的には「おたま」職人的には「金がい(かながい)」が一般的でしょうか。 よく職人は道具を大切にするといわれます。 板前の場合、包丁には特に「こだわり」のあることを取り…

お役立ちグッツ

調理場をきれいにスッキリ保つコツは余分なものを置かないことに尽きます。 普段使わないものは整理して表に出さないように仕舞い込み、日常的に使うものも必要以上に数を多く置かない。ボールも面器も笊も増やさないこと、規格を最小限にすることが大切です…

トング

調理材料の店を物色していたときのことです。 カラフルな様々な色のトングが目に入りました。カラフルな・・・といっても先のものをつかむ部分だけなのですが、いかにもお洒落な主婦が好みそうな仕様、職人には縁はない・・・と思いつつも手にとって見たので…

砥石

二つの砥石は全く同じもの。 使用前使用後・・・とでも言うようなものです。 手前の薄くなったヤツは確か1年〜1年半使ったもので、後ろの厚いヤツは買ってきたばかりの物です。 一般家庭では砥石や包丁が磨り減ってなくなっていくという感覚はないかもしれま…

器 いったん終了

二週間近くにわたって取り上げてきた器たち、もう一度眺めてみたら、一点を除いてすべて私の代になってから購入したものばかりでした。つまりこの15-20年の間、もっと言えば新築後の12年の間に集めた器がほとんどでした。 「器に使う資金がない」 「貧…

器 もうじきおしまい

器話も二週間を超えそろそろ終盤といったところです。 日本料理店で提供されるお酒が瓶ビールと熱燗だけだったころ、必要な器は徳利とコップの二種類で充分でした。冷酒がラインアップに加わっても冷酒用のガラスの徳利が必要になったくらい。ところがいつの…

器 いつまでやるのか

京焼の品格は他の追随をゆるしません。 野々村仁清から始まり乾山に続き、永楽へ、さらに木米(もくべえ)道八(どうはち)と引き継がれる系譜は京都の文化が育んだ日本の美を代表する造形です。 写真の器は京焼の写しではあるのですが、店では通称「粟田口…

器 次々の次

染付けの醍醐味 林和一さんのちょっと大きな作品です。焼き物というよりは器をキャンバスにした絵画という感じです。料理を盛ってしまうのがためらわれてしまう書き込まれた器です。

器 次々と

染付けの醍醐味は白い生地に描かれた絵の美しさにあります。 器シリーズでたびたび登場している林和一さんの絵付けはしなやかで豊か、繊細で豪胆、ひとめで「あっ!和一さんだ!」とわかる独特の筆遣いです。これがいいのです。好きです。 ぞろぞろと並べて…

器 まだまだ

染付けは磁器に呉須や赤絵で色つけをした明代に発達した焼き物であることは前回、前々回で書きました。 この時代の染付けは生地に鉄分などの不純物が混じったり、気泡による虫喰いといわれるへこみが出来たりしてその時代に追及された純白の生地はなかなかで…

器次の次

中国 明代も末期の古染付けには造形の面白いものがたくさんあります。 木の葉 蝶 扇 鳳凰 柘榴(ざくろ)紅葉 牛 桃 貝殻 魚 などなど絵柄ではなく形がそれらを現すのです。これらの焼き物は日本の茶人が中国へ注文をしたとも言われています。そしてその時代…

器 お次は

中国 明の時代には磁器の器が洗礼され発達しました。景徳鎮を中心に白い透き通るような乳白色の生地に呉須 赤絵など美しく彩られた磁器が次々に現れます。 写真は明代の呉須赤絵花鳥文と万暦赤絵の写しです。万暦赤絵のほうは物心ついた頃にはすでに店にあっ…

器いよいよ

乾山 ああ乾山 乾山 尾形乾山ほど憧れる器はありません。 350年前に創造されたこの意匠の豊かさは突出した天才の仕業です。本歌を料理に使うことなど夢のまた夢ですが、写しの中でも気の利いたものはなんかと手にしたいと思います。 椿紋筒向 波に千鳥四方皿…

器 続々と

織部焼きは桃山時代、利休の弟子の戦国武将古田織部の好みで美濃地方で焼かれました。 緑を貴重とした一番有名な青織部、ほかにも黒織部 赤織部など、それまで釉薬が流れてしまうのは失敗作とされた陶器に、それをけしきとして楽しむ独特の美意識をもたらし…

器もっと

写真は麦藁手(むぎわらで) 木賊(とくさ)もしくは十草とよばれる器です。 縦縞模様が麦藁、もしくは木賊のように見えることから名づけられます。 素朴で木綿のような味わいを持ちながら華やぎも感じられる文様です。しかも毎日使っていても飽きがこないの…

器さらにさらにさらに

千鳥を描いた絵唐津と黒唐津。伊賀の中根さんに焼いていただいたものです。 桃山時代、文禄・慶長の役で日本にごっそり朝鮮の陶工を連れてきたことで、日本の陶芸は劇的な進歩をします。逆に朝鮮ではそれ以降芸術作品と呼べる器はぱったり出現しなくなったと…