節分


明日は節分です。


一般には「豆まき」としての認識だけですが、「立春」の前の日、季節を分ける日だから節分なのだそうですね。昔は四季それぞれに節分があったと聞きます。


私も明日は、恒例の裃を着けて豆まきをさせていただく節分祭と、町内の豆まきに出かけます。


節分祭は以前に紹介させていただきましたが、町内の豆まきも長い間続いています。


私が住み、商売をしている町は世帯数200位の「肴町」という町です。その名の通りもともとは城主のお許しのもと、魚屋が軒を連ね、戦前はまさに弁いちが建つ場所に魚市場もあった地です。


今では魚屋はほとんどないのですが、乾物屋は古くから続く店が何軒も存在し、この20年くらいの間にブティックがたくさん集まりました。


それはさておき、古くからの町ですので、横のつながりも強く、何代にも渡って「俺お前の」のご近所づきあいをする仲間が集まっています。


そういう仲間が、子供たちを町のお寺の本堂に集めて豆まきをします。集まる子供は幼稚園〜小学校の50人前後、豆、各種のお菓子、おひねり、みかんなどをダンボール十数箱に分け入れて座る子供たちを囲み、いっせいに雨のようにばら撒きます。


数分の騒然とした雰囲気中、子供たちはまかれたお菓子類をかき集め、買い物袋いっぱいにしてニコニコ顔で帰っていきます。


私が子供頃には、各家庭でそれぞれ小さな豆まきをしたものでした。


子供たちは母親に手ぬぐいで作ってもらった袋を方から下げて、「今度はこの家、次はあの家」と町内の友人宅を渡り歩いて、抱えきれないほどのお菓子を集めたものです。


下って、米国の「ハロウィン」を知ったとき、「あっ、これ俺たちの豆まきといっしょじゃん」と思いました。仮装をする代わりに、降ってくるお菓子を必死でかき集めるというスリルがあるという違いがあるだけで、お菓子を楽しみする子供の心は変わりません。


明日の豆まき、子供たちの生き生きとした笑顔を見るのが楽しみです。