春の息吹


蕨は茨城産「かぎわらび」と呼ばれる太くてしっかりしたもの


筍は静岡 岡部町産 新筍 手のひらサイズの柔らかくて瑞瑞しいもの






蕨は灰もいっしょに箱入りになってきます。今では料理店でも灰を手に入れるのは大変ですから。


「かまどの灰までお前のモンだ」という相続、世代交代の決り文句は若い世代には「かまどの灰って何のこと?」っていわれてしまいそうです。


蕨のアクを除くのには重曹を使うこともあるのですが、灰アクの効果はやっぱり抜群で、少々でも多く入れてしまうと素性の悪い蕨はタラタラになってしまうほどです。


蕨に灰をまぶして熱湯を注ぎ、落し蓋をして一晩置いてからさらします。この下処理をしないと蕨のアクがぬけません。この手のかぎ蕨は下処理をしただけでいい色に仕上がりますので、お刺身の前盛りにしてもうすぐ来る春を感じていただきます。


新筍のことは確か昨年も書いていると思いますが、これもエグミをぬくために米ぬかとともに茹でます。


たっぷりのぬかとともに茹でること一時間半。急激に冷まさずに、自然にゆっくり冷まします。冷めたら皮を剥いてぬか抜きのためにもう一度茹でます。これで下処理完了。


たっぷりの鰹節を使って焚きます。


春の息吹を感じさせてくれる食材は、生き生きとして美味しそうですが、蕨、筍、フキノトウ、蕗、みんなアクがあります。厳しい冬を越えるための自然の力の表れなのでしょうか。


春はすぐそこです。