江戸モノ〜チャンバラがおもしろい


ふとしたことで手にとった池波正太郎藤沢周平が面白くて仕方ありません。


もともと小学生の頃は本など大嫌いで、学校の図書室カードが空白で真っ白であったのが、中学生で読んだ司馬遼太郎「竜馬が行く」で本の面白さを教えてもらったのでした。


その後、十代後半から二十代の生意気盛りには加藤周一、唐木順、森有正中村真一郎など、幼稚な私の頭ではほとんど取っ組み合いのように読み進んでいたものですから、いわゆる時代小説に熱中して自らを読書家だと任ずる父などへの若気の反発もあって、「こんな通俗なもの」と小馬鹿にするような態度でいました。


今考えれば、特に加藤周一森有正などあれだけ熱心に読んだのに、自分自身に何か残っているかと言うと、恥ずかしいほどなにも得ていません。読んだことがあると言うだけのことで、彼らの知の万分の一も身になっていませんでした。。司馬遼太郎のおかげで本の楽しさを知ったと言うのに、通俗と思い込んだだけで時代小説を毛嫌いしていた自分こそが馬鹿みたいです。


山本周五郎北原亜以子などはこれまでもそれなりに読んで楽しさを理解しても、チャンバラを思い起こさせる池波正太郎だけは「オヤジくさい」と最後まで敬遠していたのに、ついに面白さを知ってしまいました。まさにチャンバラ「剣客商売」や「鬼平犯科帳」などで。


それだけ「オヤジ」になったという証だけだったりして。