S.E.N.S.


仕事を終えてTVをつけると、BS2で「S.E.N.S.(センス)」のライブをやっていました。


昔から映画やTVの音楽には興味があるほうですので、NHKの「海のシルクロード」や「故宮」などの音楽を担当した頃から、気持ちのいい音を創るなと思ってはいたグループでした。


どうやら男女二人のコンビで活動をしているらしい位のことしらしらなかったのですが、映像でみると二人がシンセザイザーやキーボード、ギターを演奏し、バックアップ・ミュージシャンにバイオリンとドラムスがつくという形態で、ベース部分や伴奏部分の多くはコンピューターに打ち込んであるようです。


ヒーリング・ミュージックが注目される以前から変わらず透明感のある音を創りつづけているグループであるせいか、会場の聴衆もよく言えば落ち着いた、ある意味盛り上がりに欠ける雰囲気で、ミュージシャンが熱演をしても、舞台でミュージシャンが求めるものと観客が求めるものに溝がある感じがしました。


ライブも終盤を迎えると、前のほうの二人のカップルだけが立ち上がって手拍子をしていたのがさらに寒い雰囲気に輪をかけ、アンコールではミュージシャンが観客に「立ち上がって」と要求したのがとどめをさすように寒さを画面から伝えていました。


昔で言えば、ポールモーリア・グランドオーケストラやレイモンルフェーブル・オーケストラに熱狂を求めるような感じ・・・・でしょうか。


コンサートの演出をもっと考えて見るといいのにな。せっかく悪くない音楽なのに。


逆に、日本のロックグループのライブでも観客が全員同じ振りで踊って(?)いるのを見るのも私にしてみるとかなり寒い感覚に襲われます。、こういうコンサートが終了した後、ある女の子が「あーーー、おもしろかった」とケロッとした雰囲気で家路につくのを見たとき、彼らは音楽に高揚したのではなくて、好きなスポーツかなにかでストレスを発散させるような感覚でコンサートに来ていて、音楽の感動とは別のところにいるのだなと感じたものです。


S.E.N.S.に注目したのがTV番組の音楽だったのですが、同じTVの音楽でいつも気になるのが大島ミチルさん。ヤマハ音楽教室特別クラスの発展系みたいなところも少しありますが好きです。NHKの「生命 40億年のかなた」フジTV「ショムニ」「ワーズワースの冒険」などなど


もう一人は服部隆之さん。親子三代に渡って音楽業界で活躍する稀有な家系なのですが、三代目の隆之さんの音楽が一番好きです。職人的技術とセンスのよさはぴか一で、TBSの「世界遺産」の音楽やNHKの「新日曜美術館」のテーマは、富田勲の「新日本紀行」のテーマが歴史に残るようにいつまでも語り継がれる音楽ではないかと思います。裏方としての音楽家としてはダントツの一人です。


TVや映画のバックミュージックにいちいち感心してるのってちょっと変?