2012-01-01から1年間の記事一覧

 三週間遅れの茸

一昨日やっと天然茸が入荷しました。 例年よりも約三週間遅れ。松茸は未だ影さえ見えません。 こういう年って、遅れた分遅くまであるんではなくて、出たと思ったらすぐに終了なんてこともあるので、使える時にがんばって使っていきましょう。

 手間仕事

先日杜屋に頂戴した山ほうずきのジャム 鬼無里(長野県長野市旧鬼無里村)に自生している食用ほおずきをジャムにしたものです。優しい甘さが美味しい山ほうずきをジャムにするのはひたすら手間仕事を惜しまないこと。経済効率を優先するメーカーが手を出すジ…

山田五郎さんの一言

podcastでよく聴く「荒川強啓 デイ・キャッチ」 中でも木曜日のレギュラー 山田五郎さんの回は楽しみの一つです。山田さんのアート系 サブカル系 出版系などの評論には耳を傾けるべき発言がよくあります。 先日、年々厳しくなっていく雑誌出版界を取り上げ、…

ボストン美術館展

やっと観に行ってきました、「ボストン美術館展」名古屋に。 20代のバックパック貧乏旅行でボストンに滞在したことがあります。 シカゴからグレイハンドバスに揺られてボストンに向かう途中、隣に座ったPiggyと名乗る同世代の女性と話している内、「んじゃ…

 隠れた小さな自慢

前回「お客様の情報があればあるほどきめ細かなサービスには有利」と言いました。 お得意様であればあるほど、通ってくださればくださるほど、お客様にとって心地いいおもてなしがどんなものであるかを知ることができるのです。 調理場では毎日こういう情報…

 大切なお客様

接待で店を使ってくださるお客様は、よく「大切なお客様をお連れするのでよろしくね」と予約の時点でおっしゃいます。 もちろん私たちにとってはご来店くださるすべてのお客様にできうる最上のおもてなしを心がけていますから、「はい、かしこまりました」と…

 不思議なこと

店ではできるだけ多くのお客様に日本酒の美味しさをお伝えできるようにしています。 お奨めをして日本酒を召し上がったお客様の中に 「あっ、これはダメ。美味し過ぎちゃう」もしくは「これは危ない。飲み過ぎちゃう」 とおっしゃって、日本酒は一口だけ、早…

 加糖味いちじく

九月に入るとかならず使うのが無花果(いちじく) 定番の無花果のコンポートサワークリーム鋳込みを楽しみにしてくださるお客様もたくさんいらっしゃるのですが、さらに美味しいなにか・・・とじたばたしている8月末、加藤農園さんのいちじくのことを知りま…

プロメテウス

映画が好きになったのは大学生時代、1970年代半ば。 もちろんヴィデオの存在は影も形もなく、ピアをマーカーで塗りつぶしながら300円三本立てに通い続ける日々が映画好きを形造りました。 社会人になって初めてロードショーに行けるようになってやっ…

 なくなればいいのに読書感想文

子供達の夏休みは最終版。泣きながら宿題の空白をうめている少年少女らの姿が目に見えるようです。 なかでも最難関、最後まで手つかずでずるずると引き延ばされる最右翼が自由研究と読書感想文。今では本好きの私ですが、小学校中学時代の読書感想文ほど疎ま…

 満を持して登場”Xale”

もうすぐ満を持して登場する”GARGERY23 Xale” 「満を持して」という言葉が大げさではないことが、試飲用に送られてきたボトルを味わってはっきり判りました。 このビールを飲むと、「飲みやすさ」とか「切れ味」とか「淡麗」とか「すっきり」という、この2…

 初体験の料理教室

首都圏に遊びに出かけたのになにも美味しいものを食べていないの?食べ歩記を書かないわけがない。。。とお思いの方、鋭い。 どこかへ出かけるとなったら、観光地を探す前に食べ物屋を探すのが条件反射となっている私ですが、今回は異色な昼食でありました。…

 美術館巡り

Fine Artは写真や映像だけでなく、できれば本物を見てこそ初めて感動が押し寄せてくるものであると思っています。 とはいえ、やっぱり名作は大都市や作者ゆかりの街へでかけなけなければ作品に触れることができません。 ぽこっと予約の空いた今日、横浜美術…

ニュー・ラインアップになるか?

新しい日本酒が入荷するのはほんのちょっとしたきっかけで目にとまることが多いものです。 今回手にしたのは米沢の「雅山流」と中能登の「池月」 両蔵とも長いお付き合いができそう。 信頼する酒屋さんの棚に並ぶものであれば、酒質は99%間違いないのです…

 名演その38〜美しいメロディーライン

馴染みのない方にとっては「ジャズって難しそう」「ジャズってなにやってるのかわからない」「ジャズって騒音にしか聞こえない」という音楽に聞こえるかもしれません。 確かにジャズの素晴らしさのひとつは、定型ではとらえられないアバンギャルドな音の緊張…

惣花

月桂冠金賞受賞酒を三年冷温熟成したお酒を初めて口にした時、「大手酒造だから・・・」と一括りにして×印を出すことは決してしまいと思いました。 事実、今年の新酒鑑評会でも大手ではたくさんの金賞受賞酒を造っています。しかも多くの会社が社内の蔵別に…

ワンフレーズの本質

もう本当に恥ずかしいくらいに「褒められて伸びるタイプ」な私です。 長時間の仕事も、分不相応なほど必死になって使う素材も、お客様の「美味しかったぁ」の一言ですべてチャラにできてしまうというのは、すべての料理人に共通することのはずです。 店で直…

理解力の差 言葉の差

有名日本酒への料理屋側の思惑と世間の認識のギャップは大きいってことに気づかされた「ほろ酔い祭り」というお話を昨日しました。 もう一つ、「ああ、そうなんだぁ」と思い至ったことがあります。これも実は当たり前のようでなかなか受け入れにくいことです…

 平均値

先週、町内のイベント「ほろ酔い祭り」が行われました。 三枚綴りで¥2400のチケットを購入し、同じ街の飲食店数十店舗から三軒を選んではしごするという企画です。ありがたいことに三日間の来客数はこれまでの最高を記録したくさんのお客様にいらしてい…

美味しいお酒が集まる理由(わけ)

女性何人かを目の前にして、 「君の目はいまいちだねぇ」 「こっちの娘(こ)よりこの娘(こ)のほうがきれいだな」 「僕が知っている女性で○○って子はほんとに魅力的なんだぁ」(と、別の女性達を目の前にして) と口にする男性がモテるとは思えません。 同…

 日本料理は引くだけか?

二回続けてラーメン、カレーの個人的な思いを書きました。 両方とも元々は外国から入ってきた料理でありながら日本独特の進化をした料理で、グルメブームを背景に「足す料理」に変遷してきました。 一方日本料理は「引く料理」であるのでしょか? 確かに鰹節…

 カレーの問題

昨日書いたようなメディアで盛り上がり、行列が当たり前になるようなラーメン屋さんに素人臭さを感じることの一端に「足せば足すほど美味しくなる」という思考です。 ご存じのようにスープはまさにその典型です。「素材に素材を足して」(できれば教えること…

 足す料理 引く料理

昨日個人的にtwittee上で盛り上がって興味があった話題に「足す料理 引く料理」というのがありました。 ラーメン カレーは足す料理 日本料理は引く料理 確かに今の料理の現状を見ると、ラーメン界では、鶏ガラに豚骨 昆布に鰹節 干し貝柱に干しエビ、ダブル…

 おおかみこどもの雨と雪

すごいもの観ちゃったな。 映画「おおかみこどもの雨と雪」を観た、いや、観ている最中から「これは日本映画の金字塔になるかもしれない」と思っていました。 細田守監督は「時をかける少女」の時から、欠かさず聴くラジオ番組「ウィークエンド・シャッフル…

 生き残ることができるの?

NHKBS「ハイビジョンアーカイブ」で放送した「漂泊のピアニスト アファナシェフ もののあわれを弾く」は素晴らしい番組でした。 クラシック音楽に疎いわたくしはアファナシェフというピアニストを全く知りませんでしたが、彼の弾くシューベルトだけを聴いて…

 分母の違い

自分の使いたい食材を使い、やりたい料理をお出しする。志は高く持ってもその値段を地方都市で納得してもらえるか? まさしくそこン処が大きな悩みです。 田舎町で理解してもらえないだけでなく、好き勝手に贅沢な食材を使ってもお足を頂戴できる客層がいな…

 田舎町の言い訳

「そんな料理作っても浜松の連中にわかるわけない」 「本当はこの料理には○○を使うんだけど、田舎町ならこの代用品で十分」 「大阪で習った仕事をこの地でやったって無理。食べちゃぁもらえない」 私が20−30代前半の頃、先輩の料理人や父からも散々言われた…

 聞き上手

職業的にいえば、話し上手であるよりも常に聞き上手であるべきです。 お客様のお話がお話をしやすい状況をさりげなく作る技術があれば、それは料理をつくること以上に大きな力となるかもしれません。 二十代のころ、宴席やお茶の席で二三回お話をしたことが…

 ご相伴ワイン

昨日のご相伴ワイン ドン・ペリニオン“レゼルヴ・ド・ラベイ”1988 シュバリエ・モンラッシェ1998 シュバルブラン1993 どのボトルも(ドンペリ アベイなんかは特に)自分で買って飲むことはないシロモンです。ご相伴の名の下に味あわせていただけ…

「趣味] ジオラマ

子供のころプラモデルブームが何度かありました。 戦車 ゼロ戦 大和などという戦争物に憧れて親にねだっては作るものの、いつも部品があまったり、どうやっても組み込めない部品を無理矢理突っ込んで壊してしまったり、できあがりはしたもののシールを貼る段…