名演その38〜美しいメロディーライン


馴染みのない方にとっては「ジャズって難しそう」「ジャズってなにやってるのかわからない」「ジャズって騒音にしか聞こえない」という音楽に聞こえるかもしれません。


確かにジャズの素晴らしさのひとつは、定型ではとらえられないアバンギャルドな音の緊張感にあるともいえるのですが、やっぱり美しいメロディーラインこそが人心をつかむというのはすべての音楽を通して間違いのない事実です。


この細々と長く続けている「名演シリーズ」はジャズに馴染みのない方にもその素晴らしさの一端を知っていただきたいと思って始めたものですから、紹介するほとんどのアルバムは美しい音に裏付けられています。


今回紹介するのは前回に引き続きデュオ作品、しかも一般にはあまり馴染みのない北欧系のジャズです。


スウェーデンを代表するベーシスト Lars Danielsson (ラース・ダニエルソン)とポーランドを代表するピアニスト Leszek Mozdzer  (レザック・モジジェル>>読み方がよくわかりません)のLars Danielsson & Leszek Mozdzer / PASODOBLE


 
アルバムに出会ったのは日記にも書いたアナ・マリア・ジョペックのアルバムのバックに聞こえるピアニストのセンスがあまりにも素敵で、読めない名前(Leszek Mozdzer)で、調べていく内に出会ったのです。ラース・ダニエルソンは何度か耳にしていたベーシストでしたが、アルバムで聴くとこちらもさらに素晴らしい。とかくベーシストやドラマーがリーダーになって創られるアルバムって面白くないのです。普段裏方のベーシストがいきなり脚光を浴びても一枚のアルバムを創るのって難しいんでしょうねぇ。さらにベースのソロだけを取り上げてもテクニックの点でスゴ腕でも音楽として美しいかどうかというとはなはだ心許ないことも多いのです。


その点この”PASODOBLE ”はすべてのメロディーラインがひたすら美しい。Lars Danielssonはベーシストとしては屈指のメロディー・メーカーであり、Leszek Mozdzer の右手でころころ転がるように流れ出てくる音には無駄な一音も存在しません。


たとえばこんな音を聴いてみてください。(映像にはほとんど意味がなさそうです)



癒やされる・・・なんてレベルを超えていると思うんですよぉ、私。



朝でも昼でも夜でも、毎日いつ流れていてもうっとり聴き入る音楽がこのアルバムには詰まっています。興味のあるかたは是非。


PASODOBLE

PASODOBLE