惣花


月桂冠金賞受賞酒を三年冷温熟成したお酒を初めて口にした時、「大手酒造だから・・・」と一括りにして×印を出すことは決してしまいと思いました。


事実、今年の新酒鑑評会でも大手ではたくさんの金賞受賞酒を造っています。しかも多くの会社が社内の蔵別に二つ三つと競うように金賞をとっているのです。パック酒を造るだけで利益を上げているわけではなく、技術の蓄積も資本力もあるのですから本気になればいい日本酒が造れることは当然なのかもしれません。


「西宮酒造」といってぴんと来る方は日本酒通の中でも少数派かもしれません。日本盛を造る酒造会社です。その西宮酒造の「惣花」は蔵を代表する純米吟醸なのですが、生産量が少ない故か一般には知られるお酒ではありませんし、例の「大手だから・・・」と敬遠されているのでしょうか、私も一度も飲んだことがありませんでした。


が、
この惣花は明治の中頃に「皇室御用酒」となり、昭和天皇ご成婚の折には祝い酒として使われたのだそうです。いわゆる皇室御用達というやつですね。



しかもこの「惣花」は1997年製造、冷温で15年寝かされていたシロモンです。日本酒度は−4 甘口の純米吟醸です。もうどんな味わいなのか想像さえつきません。


「大手だから」も「皇室御用達だから」も抜きにして興味津々。このお酒のために日本酒の会を開いても面白いかもしれませんね。