美味しいお酒が集まる理由(わけ)

女性何人かを目の前にして、


「君の目はいまいちだねぇ」
「こっちの娘(こ)よりこの娘(こ)のほうがきれいだな」
「僕が知っている女性で○○って子はほんとに魅力的なんだぁ」(と、別の女性達を目の前にして)


と口にする男性がモテるとは思えません。


同じことを日本酒に置き換えてみましょう。


「このお酒は辛さの点でいまいちだねぇ」
「この○○よりもさっきの△△のほうが美味しいなぁ」
「僕が以前に飲んだことのある××ってお酒はほんとに美味しかった」


蔵元を目の前にしていなくても、試行錯誤を繰り返して選ばれたお酒を前にして、こう口にする方にむけて「もっと美味しいお酒を出したい」と思えるもんでしょうか?



それよりは


「君のその目は本当に魅力的だ」(とこっそりと)
「出してくれたこのお酒はふくよか(女性に太っているねと言わないように、お酒に甘いねとは決して言いません)で芳醇ですね」
「なんてチャーミングな仕草なんだ」(褒めるところは美しさだけでなくほかにいくらでもあります)
「かろやかでチャーミングな口当たりのお酒ですねぇ」(チャーミングはお酒の場合否定的な意味を上手に隠して肯定口調に切り返します)
「○○は味の厚みで△△は切れ味と余韻の部分で傑出していますね」
「君ほどの個性をもった人には出会ったことがない」
「これまでそれなりに美味しいお酒を飲んできたつもりだけれど、××ほどバランスのいいお酒には出会ったことがない」


と、褒めるべき処を褒める人は人にももて、お酒にももてるはずです。魅力的な部分はお酒でも人でも褒められてより伸びるものですし、褒めてくれる人のところに自然に集まるものなのです。女の子にはもてたくて必死な御仁も、お酒には雑だったりするケースはよくあります。


私の場合女性にはもてることはほぼ皆無ですが、いいお酒が私ン処に集まってくれている(お酒にもてている)としたら、それはこの基本姿勢ゆえなのではないかと思っています。


というか、私ン処で使わせていただいているお酒達は本当にいい娘(こ)なんですよぉ。