ニュー・ラインアップになるか?


新しい日本酒が入荷するのはほんのちょっとしたきっかけで目にとまることが多いものです。


今回手にしたのは米沢の「雅山流」と中能登の「池月」


両蔵とも長いお付き合いができそう。




信頼する酒屋さんの棚に並ぶものであれば、酒質は99%間違いないのですが、今のお店のラインアップにすんなり入り込めるかどうかは別のお話。同じ値段帯に似た酒質のお酒を使っていると使うのにはちょっと時間がかかることもあったり、自分の料理との相性がいまひとつだったりということもないではありません。



と、
普段このサイトで紹介しているようにいいお酒に囲まれ、レベルの高い酒屋さんとお付き合いをしながら仕事をしていますと、「飲めない」ほどの日本酒に出会う可能性は極端に低くなります。試飲する初めての日本酒もまずは合格点ですから、大手のパック酒でさえ無理をして買わない限り味を知ることがないのです。


ところが一ヶ月ほど前、どこでやってきたのか?(何かの行事でいただいたのか?まったく思い出せません)聞いたことのない地酒があって飲んでみたのです。


これが「えっ!」というほど不味い。


これは商品として出ちゃぁいけないでしょうぉ。。。というレベルなのです。きっと蔵元も杜氏も自分の酒に自信を持って造ってはいらっしゃらないのだと思います。


「日本酒って不味いもの」と信じていらっしゃる多くの消費者の印象はこういうお酒によって作られてしまったんでしょうね。実際、30-40年くらい前までの日本酒業界にはこういうお酒がたくさんありました。戦後の経済成長の時代、造れば売れるという時代には酒質よりも量という考えが業界に蔓延していました。料理店だった同様でした。そんな時代に蔵や料理店の業績を伸ばした成功体験をもつご主人達は、美味しいお酒の存在も美味しい食材や料理の存在も目に入らず、「消費者なんてこの程度で十分」という間違った観念から抜け出せないでいるのです。


もちろん今はそんな時代ではありません。確かにそんな蔵も存在することは事実ですが、ちょっと探せば美味しい日本酒はたくさんあります。


「日本酒って不味いもの」とおもっていらっしゃる方々の閉ざされた心にちょっとでも光を与えて差し上げたい。久しぶりの不味い日本酒の味わいが、そんな思いを強くさせてくれました。