読みたい雑誌


愛読している内田樹先生の日記にこんな文章がありました。


「私がものを書き始めたのは”読みたい雑誌がない”ということが大きな理由であった。しかたがないので、自分で書いたエッセイを自分に読ませていたのである」


確かに


読みたい雑誌がありません。


目にはいるものは「あれ買えこれ買え」「これがトレンドだ。あれをもっていないようでは」と背伸びをした購買意欲をそそる販促雑誌。


「寿司屋の今はこの店」「フレンチに行くならこの店」「イタリアンのこの店をチェックしていないようでは」と1年前に取り上げた店のことなどどんどん使い捨てる東京偏重のレストラン紹介雑誌。


「冠婚葬祭の礼儀はこうしろ」「料理屋でのマナーはこうだ」「ソムリエに馬鹿にされないワインマナーは極意は」などなどご教授もの特集雑誌。


なんていうところばかり(私の偏見だけ?)・・・読むに耐えません。厭きました。



お得意様が送ってくださる「資生堂花椿”」は、同列で語られるような書店で買う雑誌ではありませんが、内容はヒップでとがった充実ぶりです。儲けにならないやりたい放題の雑誌を発信してブランドイメージをつくる資生堂という会社の懐の深さがそのまま感じられる雑誌です。こういうそそる雑誌が増えないかな。