魚の見分け方

clementia2007-04-14



よくTVや雑誌などで「新鮮な魚の見分け方」などというご教授がご披露されます。


いわく


☆目が透き通っている。目の色がその魚の固有の美しい色になっているか。
☆エラが美しい紅色。くすんでいないこと。
☆魚体の銀色が輝いていること。色がはっきりとして透明感があること。コントラストがあること。
☆ザラザラしている魚ははっきりとザラついていること。ヌメヌメしている魚はヌメヌメが十分残っていること。


などと言われるようですが、私たちが仕入れで見るのはもちろんそのレベルではありません。基本的にそのくらいは軽くクリアしていなければお話にならないわけで、その先の目利きが出来なければ美味しい魚は入手できません。



どうみるか


実は毎日見て、毎日触って、毎日おろして、毎日料理していると「なぁぁんとなくわかる」ものなのです。


ぱっと見て「あっ、今日はこれ」



格好よく言いたい料理人なら「魚が語りかけてくれる」などというんでしょうが、私は「語りかけてくれた言葉」なんぞ聞いたことがありません。要は経験値で魚の良し悪しが自然に理解できるようになるのです。



さらにそこから先には、季節による味の乗り方とか、料理方法による身の活き具合とか、魚の産地と固体による〆る時間の長短とか、〆たあとの氷〆の時間とか、もっとも大切な原価との折り合いとか・・・と、さらに予約の入り具合と、当日のお客様の好みと前回の献立、他の料理とのバランス、予約の時間などなどが一瞬に頭の中を駆け巡り(私は鈍いので一瞬×10くらい)仕入れが決まるのです。


今日の甘鯛と車海老はそうやって決まった食材。


買い物自慢が漁港を背にした魚センターや海に面した朝市で「鮮度抜群」と喜んで手に入れる魚とか、釣自慢が「○○cmを釣ったことがある」とご披露する魚とは別次元のお話。