中華料理若手


この地の中華料理職人さん達の横のつながりは素晴らしく密接で、日頃から情報を交換し合い、集まっては勉強をなさっておられるそうです。


そんな中華の若手職人さんたち20人ほどが勉強会と称して食事に来てくださいました。


「ちんけな和食屋で勉強になるんですか?いいんですか?」と申し上げておいたのですが、「たまには日本料理も」ということで実現しました。


近所の先輩中華料理店オーナーに「わかってるね。一番お手頃価格で高価食材・・・・でね」と冗談交じりに釘を刺されていたのですが、当然のように職人さんの集まりに恥をかく様な素材を使うわけにはいきません。


集まられた力のある職人さんたちは、普通の海老、普通の鶏、普通の牛肉を技術で魔法のように美味しくしてしまいます。私のように技術がない分を素材に頼り切るという仕事とは別次元のお仕事ができます。中華料理は特にそうです。


素材を生かすと言いながら単純な料理をどんな風に感じていただけるのかハラハラしながらも、普段の仕事以上のことも以下のこともできるわけがありませんので通常通りの献立をお出ししました。


「もし重鎮クラスがおいでだったらご飯は新生姜ご飯にしような」といいながら、最ベテランもよく存じ上げる方だったものですから、最後のご飯も「夏野菜のあんかけご飯」にしてしまいました。


福建チャーハンを当たり前に美味しく作るの方々には、「あんかけのご飯」などおきて破り、恥を知らない締めくくり・・・かもしれないなと思ったのですが、若手のリーダー格の職人さんが褒めてくださったおかげで「おきて破り」が「チャレンジ」に昇格してくれました。


皆さんのご批評もうかがうことができて、私にとってのいい勉強会になりました。こういう緊張感が若いスタッフにはいい刺激になったようです。