料理とお酒の相性


どうしてことワインとなると、料理との相性がよりクローズアップされるのでしょう?


同じ方がビールや日本酒、焼酎を飲むときにワインほどに料理との相性を気になさるのかというと疑問です。


極端な話、料理との相性が悪いからこのワインは飲まない、というところまでいってしまいそうな場合もあります。


日本料理とワインとの組み合わせについても同様です。


醤油の○○酸はワインと合うわけがない


味噌の醗酵とワインの醗酵は別であるからワインには合わない


などなど


ワインは知識とか情報が常に付いて回るせいなのでしょうか。


世界中でワインを飲んでいる何億人の人々に、どれだけひとつひとつの料理との相性を考えている人がいるのでしょう。


そういう日本人の感性に感心すると同時に呆れもします。


まずはうまけりゃいいじゃん。。。。が先


と思うのです。


お酒をを選ぶのも、まず自分が飲みたいものを飲むのが基本のはずです。飲んでみたい美味しいワインがあるから飲んでみる、相性がいいから飲んでみるよりも優先順位は先であってほしいのです。


もちろん私たちは飲んでいただく以上、自分の料理とリストに載せるべきお酒は日本酒だけでなくワインについても一生懸命に考えているつもりです。


チリ産の若いワインやボルドーのタンニンがこなれていないワインをリストには加えません。


お足を頂戴する以上美味しく飲んでいただくための試行錯誤は続けています。


頭から合わない、相性がよくないと決めてかからずに、好きなワインがあったらまずは飲んでみればいいのです。


お刺身の生醤油にカベルネ・ソービニヨンはお奨めはしませんが、同じ醤油でも蒲焼や照り焼きのようにした醤油タレと熟成したメルローはかなりいいです。薄口醤油と酒を合わせた若狭地で焼き上げた脂の乗った赤むつでしたらブルゴーニュの赤でもいけます。先日、一味鯛のお刺身とクリュッグに、力のあるソムリエさんが「あっ!」とおっしゃいました。


飲みたいものを飲む、それに私たちがお手伝いをする、そうありたいものです。


日本酒とワイン、これほど素晴らしく美味しい食中酒があるのです。飲まずにいられるか。