量の問題


フランスへ行くと三ツ星クラスでも一皿の分量が多いので、軽い前菜とメインを食べたらチーズはおろかデザートへもたどり着けないことがあるのだそうです。


「"えーーーっ!チーズを食べないのか。だから日本人は・・・・"って顔されてくやしけど、馬のようには食えないもんねぇ」とお客様がおっしゃいます。


逆に和食のいわゆる高級料亭では、[
一皿の分量がお雛様のお供えのようでメインを食べた気がしない」というお客様もいます。「お刺身・・・・切手サイズ 焼物・・・・名刺サイズ」とお客様から聞きました。うまいこと言いますね。


そのかわり、品数は9品、11品と続いたりします。外国人が言う「前菜ばかりが続いているが、主菜はいつくるんだ?」っていうやつですね。


お客様から「お前ン処は量が多い」といわれることがあります。「軽めの料理だって食べきれんぞ」とも。個人的な思いでは、お安くないお足を頂戴して、「帰りにラーメンでも一杯」とお客様に感じさせるような料理にはしたくありません。「今日は諦めてダイエットは明日から」くらいでなければいけません。一皿のポーションも自分の標準が自然と頭にあるものですからちょっと大き目かもしれません。量が多いといわれながら品数は多くありませんので、献立だけ眺めると貧弱にさえ見えることがあります。フレンチやイタリアンの一皿の充実感に影響されているのかもしれませんね。


個々のお客様の適正な量を判断するというは実際難しいことなのですが、一皿一皿の印象がうすくて、メインはどれだったんだろうと思わせるような献立にはならないようにしたいものです。だからこそコース全体で初めて自分の意志を伝えることができるのだとも思うのです。