冠婚葬祭


いつまでも若いつもりでいたのに、いつのまにかマナー礼儀作法のことを聞かれる世代になってしまっています。こういうことは年長者に「どうするの?」といつもお伺いをたてていたのに、気がつけば「ああ、あんな無作法なことをして」と嘆いている自分に気づいて驚きます。とはいってもハウトゥー本がウチにおいてあるわけではなく、経験値だけはそれなりに増えて説教臭いオジサンに成り果てたと言うだけのことなのです。


などと立派なことを言っているにもかかわらず、基本的なことが抜け落ちていることが多いのも実に私らしい所業で、「冠婚葬祭」の意味をこの年まで知らずにいたという体たらく。


「冠婚葬祭」平たく言えば結婚式と葬式のことでしょ・・・・ではないのですね。婚と葬はまさに結婚葬式ですが、冠って冠をいだく元服の意味、祭はご先祖様を祭る意味なのだそうです。ここで書いて恥をさらすのもどうかと思うのではありますが。。。


冠婚葬祭にはとかく料理が付き物ですから、昔からあらゆる場面でしきたりやら作法やらを上の世代に教えてもらってきました。ですから一般人よりは少々知識もあるつもりでいたのに、斎藤 美奈子さんの「冠婚葬祭のひみつ 」を読んで見て一ページごとに目から鱗が落ちました。


いやはや、私がマナー、礼儀、しきたり、伝統などと思っていたものはほとんどがたいした歴史もなく、大きな変化を遂げてきたものであったことがこの本で明らかになります。ですからこの日記で「最近のマナーはどうなっとんや!」とか「礼儀の何たるかもしらない」と嘆きまくっている私の知識なんぞ私の時代に通用しただけのお話で、今は今の時代に常に作られていることがよくわかります。冠婚葬祭は受け継がれるものであるはずなのに、こんなに流行がはびこった行いもないのですね。たとえば、日本の伝統と思っていた神前結婚は明治も後期に入ってからの流行。葬式に坊さんが関わったことでさえ江戸時代に入ってから。告別式も時代とともに出来上がった結構新しいやり方なんですって。考えてみたらお経って死者を悼むためにあるんじゃないですもんねぇ。


興味のある方は是非、本当に驚きの連続です。