心の中の小さな自慢

clementia2007-02-02



ドメーニュ・アンヌ・グロの2004年のワインが入ってきました。


ブルゴーニュ地方ヴォーヌロマネ村のグロ・ファミリーの中でも、とりわけアンヌの造るワインにはぞっこんです。日本への入荷量も少ないために手に入るのは少量ですが、1995年以降途切れることなくアンヌのワインはセラーに貯めてきました。ブルゴーニュ・ルージュ、ヴォーヌ・ロマネ・レ・バロー、シャンボール・ミュズニー・ラ・コンブ・ドブロー、クロ・ブジョ、リッシュブルー。


ブルゴーニュワインには優れた造り手がたくさんいますが、未だにすべてのヴィンテージを欲しいと思うのはアンヌのワインだけです。1995年はまだ知識も少なくて、偶然手にしたのがリッシュブルーとクロヴジョだけ。それでもクロブジョの圧倒的な迫力にいっぺんで魅了されたわけですが、特に印象的だったのは1996年、1997年でした。1996年は1990年代の最高のヴィンテージと言われつつも、酸の強いワインも多くて、私的にはいまだに難しいヴィンテージの印象が強いのですが、アンヌの1996年は完璧でした。濃縮したベリー香り、シルクのような喉越し、長い余韻。フィネスという言葉を実感できる数少ないワインの一つであったように思います。さらにオフ・ヴィンテージといわれる1997年は、よほど丁寧に剪定し熟させたのか、「これでオフ・ヴィンテージ?」と驚くほどの素敵な出来。「アンヌに間違いはない!」の思いは1997年で確信になりました。





店のリストに常に「ドメーニュ・アンヌグロ」の文字があること、一番のお手ごろワイン「ブルゴーニュ・ルージュ」がアンヌの1998年であること、アンヌのリッシュブルーをいい熟成で召し上がっていただける状態にあることは、私の心の中の小さな自慢です。極東の田舎町場末の板前は、ブルゴーニュの田舎町のスーパー・レディにいつも憧れ続けているのです。