マリー・アントワネット


キルスティン・ダンストは美しいか?


スパイダーマン」のシリーズを見ても、「エリザベス・タウン」を見ても「なんでこの娘が主役?美人扱い?」といぶかしんでいた私が馬鹿でした。「美しいか」とか「華やかか」とかという外見を超えてしまう内から放たれた女優としての存在感に気づいていなかったのです。映画「マリー・アントワネット」を観て圧倒されました。


それにしてもなんとゴージャス、マジェスティックな映画でありましょう。げっぷが出そうなほど次から次へと画面に現れる衣装、髪型、ケーキ、宮廷の内装外装、料理、器のきらびやかさ、それでいて嫌味にならないのはソフィア・コッポラ監督自身のセンスのよさが全編通して貫かれているからです。音楽にはとくにその輝くセンスが感じられました。


美しい衣装と髪型に彩られた女優たちは、宮廷内の策謀を印象させるように一癖も二癖もありそうなムードを醸し出しているのに、子役は産まれたての赤ちゃんを初め異常などほど可愛い。可愛さに目がハートマークになりそうでありました。