奈良漬

clementia2006-07-05



この辺りでは摘果したメロン(小ぶりのもの)が出回ります。その小メロンで奈良漬を作っています。



一般の漬物よりもかなり強い塩をまぶして重しをします。奈良漬は酒粕が熟成する頃、胡瓜や瓜が出来る頃ですから当然気温も高めです。しっかりした塩と重い石を乗せることで、水分が上がってきて野菜が腐りません。野菜全体が野菜自体と塩からでる塩水でかぶらないとかびて腐ってしまうのです。


塩漬けにすること一ヶ月。流水につけて塩抜きをします(写真右下)


塩が抜けたら、酒粕(もちろん私ン処の定番”達磨正宗”さんの酒粕)にざら目と味醂、酒を混ぜて粕漬けにします。


粕漬けすることさらに一ヶ月。粕に塩が出てきて、味が乗ってくるのですが、使った古粕を拭い取って、さらに新しい粕に漬け直します(写真左下が漬け直したもの。右上は古粕)古粕は次の粕漬けの一度目に使います。


そしてさらにもう二週間。もう一度新しい粕に漬け替え、二〜三週間ほどして出来上がりです。合計三ヶ月強の時間をかけて奈良漬が仕上がるのですね。食べれば一口、「奈良漬の匂いだけで酔っ払う」などと敬遠もされたりしますが、手間をかけるともったいなくてかみしめるように食べたくなります。漬物も奥深いのです。