ちあきなおみ

clementia2006-07-11



1970年代、ジャズとクラシック以外は下等な音楽だ、と強烈な偏見に満ち、鼻持ちならないスノッブで了見の狭かった私には、ちあきなおみは別世界の人でした。


歌が上手いらしいということはTVで見てなんとなく知っていても、彼女のアルバムを買うときが来るとは思っても見ませんでした。


きっかけはいつも拝見しているこの方のブログの記事でした。私が想像していた「歌謡曲」「演歌」ではないらしく、名盤の誉れ高くもあるらしい・・・・となれば、あのころの偏見で失っていた感動に出会うかもしれないという予感を感じました。


「あまぐも」は入手してからしばらくは毎日のように聞いていました。彼女の歌は「上手い下手」で語られるようなレベルではありませんでした。そんなものを超えたところで心に響いてくるのです。心を癒してくれるとか、気持ちをノリノリにしてくれるとかいう表層的な満足ではなくて、じわーーと染み出してくるような心の底に広がる時代感を現しているような歌声なのです。あの時代に聴いていたらもっと感動は深かったに違いありません。


ブラックミュージックのまねでも、アメリカンポップのまねでもない、日本人の歌声があの頃にはあったのに、毛嫌いしていた自分がいまさらのように恥ずかしく感じられます。


あのころ、私がこれこそ一生聴く音楽だ・・・と思っていたのはこんなアルバム。




これはこれでもちろん未だに聴き続けてはいるのですが。。。。それにしてもアルバムデザインは見事にそっくり。