桃山陶


TV番組「何でも鑑定団」に桃山期の志野平鉢がでてきました。


値段は3千万円。


イメージしていた志野焼きよりかなり大きなもので、やっぱり写真だけで見ていたのとは風合いも違いました。私などのような素人が見ても明らかに風格が違う逸品です。


料理屋にとって器は着物。


素材や料理法がどんなにすぐれていても「ぼろは着てても心は錦」とは思っていただけません。


作家の品物、職人の手仕事の中でもすぐれたものを手に入れるように努力はしていても、気に入る品物は高価でおいそれとは20枚〜30枚とは買えません。


その中でも憧れはやっぱり桃山陶です。


志野、鼠志野、織部、黄瀬戸少々下って乾山。


本物は前記の鑑定団もののように何千万円・・・美術館で見るものです。(名料亭は本物を持っています)


桃山陶は昭和期になって発掘された窯後を頼りに復興して、長年かかって研究されているにも関わらず、16〜17世紀の技術が再現できないという神秘な世界なのです。


「写し」でも桃山陶にはつい惹かれ、器屋が店に持ってくる器をピックアップしていくと、そんな器ばかり手にとってしまって笑ってしまいます。


引退までに乾山、志野の本物を手元に置くのが夢です。骨董趣味はなくてもこれは別物です。


お持ちの方、一度でいいからさわらせてくれませんか。