神の奇跡


2月から4月の初めまで仕事の都合で映画を見る時間がありませんでした。


「ファイト クラブ」も「ほんとうのジャックリーヌ デュプレ」も「スリーピー フォロー」も見逃してしまって、しばらくぶりに見に行ったのは「グリーン マイル」です。


ティーブン キングの原作は初めの一巻を買いながら読み損なっていました。読もう読もうといううちに二巻三巻とでてしまい積読状態になっています。


一概には言えないのでしょうが、原作を越えるような映画に出合ったことがあまりありません。99%原作の方がおもしろい。


その意味では今回も充分映画を楽しめましたので、これから原作をさらにおもしろく読めるかも知れません。ただ、この映画のように良くできた映像を見てしまっていると、原作を読んでも自分のイマジネーションの世界に浸れないで、映像が思い浮かんでしまう欠点があります。


「グリーン マイル」は刑務所の看守主任と奇跡を起こす力をもつ無実の黒人死刑囚の話がメインとなっています。どうやら、聖書を含めキリスト教の逸話が基礎となっているようですが、その素養がない私にはよくわかりません。


お客様と信仰についてお話しするようなことはまずありませんし、お客様の宗教を知る由もありません。


個人的には信仰を持つ方を尊敬しています。


が、
宗教の押しつけの勧誘や信じる神がいかに素晴らしいかを説くかたにはへきへきとします。


十代後半のころある宗教団体の青年部の集まりとやらに、そうと知らされず連れていかれ、友人と私二人が信仰を持たないことをやり玉に挙げられて、大変イヤな思いをしたことがあります。多勢に無勢、論戦家でもない私が妄信的な大勢を相手に叶うわけがありません。


その時も、教主様がおこす奇跡をいくつも例に挙げていたことを覚えています。


闇を恐れ、貧困や病気、死を恐れていた昔ならともかく、今の世の中になぜそんなに多くの奇跡が必要なのか理解できませんでした。


「グリーン マイル」に見るような奇跡を目の当たりにしたとき、きっと神の存在を心から信じ、恐れと信仰に目覚めるのかも知れません。


もっとも、店のお客さまとして接する宗教関係の一部の方の素行を見ていると、お客さまとしてはほほえましいのですが、奇跡とは無縁の方々です。