お召し上がりになれない物はーーー。


牛肉 豚肉 鶏肉 
中トロ 鰻 海胆 イクラ 貝 蛸
葱 豆腐 納豆
は食べられません。
と、きっぱり。


果物のたぐいは?


リンゴは聞くのもいやです。


「ーーーーーー 。はい。かしこまりました。うまく見繕わせていただきます。」


今日のお客さまです。


宗教上食べられない物。ベジタリアンというような方は仕方ないでしょうが、
今日の方はちょっとすごかった。


たとえば、あるお客さまは
魚はすべてダメ。肉だけOK。


また、ある方は海老、蟹、野菜なら大丈夫。
他は無理。


好き嫌いがあるお客さまは結構あるのですが、1〜2品であればかわいいもの。
しかし、これだけ多いと
人生の楽しみをずいぶん少なくしておられるように思うのですが、
そんなことは申し上げられません。
嫌いというのはどうしようもないもんです。


ほんとに美味しい物を食べてないから
とばかりに
この品物はピカイチだからと
無理に召し上がっていただこうと思ったら大間違え。


そんな勇気があったら好き嫌いなどとっくに乗り越えているはずです。
召し上がれる物だけをうまく組み合わせて出すように努力するだけです。
それが、料理屋の絶対条件。


ただ、
こういう好き嫌いのあるお客さまが
「◯◯の料理はおいしい」とか
「◯◯はだめ」
なんて話を聞いても全く説得力がないことは確かです。


中にはあるんです。
日本料理を勉強したい。
けど、
魚食べられない
って若者が。