和一さん〜北洋さん


林和一さん(ハヤシ ワイチ)
私ン処で一番大事にしている作家さんの一人です。


昨日、久しぶりに食事に寄ってくれました。
もちろん、和一さんの器ばかりを使って盛りつけました。
「家だと失敗作ばかりを日常器に使うから完成作にきれいに盛ってもらうと安心しますよ」
と和一さん


出会いは6年ほど前
あるギャラリーの個展ででした。


版画家で陶芸家
両方を同じ力でこなしているめずらしい存在です。


版画を6点
器も6〜8点百枚以上
そして新築の時のふすま絵


和一さんのふすま絵の部屋には必ず和一さんの版画を掛けて
和一さんの部屋とでもいうものになっています。


器の最近作は黄瀬戸
これもこちらからイメージやサイズををお話ししながら
試作を造り完成させたものです。
もちろん私ン処の料理の傾向やお酒についてもよくご存じなので
安心して任せられます。


祖父の時代には「北洋さん」という日本画家とのお付き合いがありました。
いまでも、お軸は北洋さんのものが一番多いでしょうか。
お軸だけでなく、北洋さんからの季節のお便りは必ず絵入りでしたので、
はがきから年賀状お手紙、気に入ったものは額装して飾っています。


新築の時和一さんにふすま絵をお願いしたのも
祖父と北洋さんの良いお付き合いが念頭にあったから


私の時代には私と和一さんのつながりを大事にすることで
料理屋と作家さんとのつながりをより深くしたかったのです。
和一さん自身も盛られる器を大事にする方
作品をどのように利用するか一番近くで使っていることで作陶の参考にもなるようです。


料理屋を始めてもお飾りまで手をかけるのには時間がかかるものです。
私ン処は幸い、細々ながら蓄積がありました。
これは大事に、さらに良いものへ磨いていく志を持つのが主人の努めです。


今度は屏風をお願いするつもりです。