亀山郁夫先生のカラマーゾフ


pod-castで聴いた「ラジオ版学問のススメ」 亀山郁夫先生のインタービューが素晴らしかったです。


カラマーゾフの兄弟」の新訳でベストセラーをたたき出したことで有名になった亀山先生、半年ほど前にNHKFMでもインタビューを聴いていたのですが、今回はおよそ1時間、じっくりとドストエフスキーを語る語り口は文学への愛情にあふれていました。この番組のパーソナリティである蒲田健さんのインタビュアーとしての力量にはいつも舌を巻きます。どんなゲストが現れてもスタンスが一定でぶれることがなく、時間をかけてゲストの魅力を引き出してくれます。一時間という時間はラジオでなければ成立しない番組で、それだけ時間をかければ、有能なゲストは魅力的に、底の浅いゲストは蒲田さんの思惑とは別に馬脚が現れてしまいます。そこン処が面白いのです。


亀山先生とは別の回、酒井順子さんも興味津々でした。酒井さんのエッセイは雑誌で垣間見る程度であったのですが、文章での語り口で想像していた落ち着いて理路整然としていながら洒脱な雰囲気・・・は、実際の口調とは別物。集団になじめないで、ひとり書くことで思いを表現するタイプであることが聞き取れます。その口調と文章のギャップが意外でありました。


罪と罰」を若い頃読んだっきりのドストエフスキー、「カラマーゾフの兄弟」を正月休みにでも読んでみましょうか。あのインタービューを聴いた50%がそう思ったはず。私を含め。