先週から三本


週末も含め四日間も日記を書かないでいると、「このままのんびり書かないのも楽チンでいいなぁ」などという悪魔のささやきが。日記よりも目の前のお客様がまず第一であることは間違いのないことなので、師走ゆえのこと・・・とお許しください。


先々週末、先週末で三本の映画を観ていました。


フェルナンド・メイレレス監督の「ブラインドネス」 新型ウィルスによるパンデミックがメディアで取りざたされる中、ウィルスそのものの恐怖よりも、隔離されウィルスに犯された(この場合目が見えなくなる)状況で、隔離された感染者たちが不安と恐怖から次第に人間の醜い本性をむき出しにしていく姿がリアルに描かれています。木村佳乃伊勢谷友介が気負いなく英語ベースの映画に溶け込んでいるのが頼もしく感じられます。もう「国際派」なんて言葉はいらなくなるのかもしれません。


スティーブン・キング「1408号」の映画化。基本的にホラーは怖くて見られらないほうなのですが、スティーブン・キングなら「ミザリー」も「キャリー」も「シャイニング」も先日の「ミスト」も大丈夫。・・・と思ったらこの映画はキツイ。怖がりの私は顔をそむけつつ観ていました。


矢口史靖監督の「ハッピー・フライト」 この手の日本映画を小馬鹿にしていた私の狭い心を大きく転換させたのが矢口監督です。綿密な取材、スムースで説明口調が微塵もないストーリー、小さな笑いの積み重ねをいつの間にか大きな話の展開にもっていく構成力。基本の脚本が素晴らしいのです。役者は当然のようにこの脚本に答えます。この豊かな才能を日本映画界も観客もちゃんと育ててあげたいものです。