鱧〜じゅんさい〜早松


「京味」の西健一郎さんがTVに出ていました。


鱧 じゅんさい 早松(さまつ:::梅雨明けころわずかに出る松茸) 管ごぼう 結び三つ葉 柚子のお椀をいつものようにとても丁寧な仕事でなさっていました。


「京味」さんへ伺ったのはもう7〜8年も前。


TVでやっていたような仕事をそのまま店でもやっているようなてらいのないお店です。


鱧 じゅんさい 松茸・・・・・本来なら旬が微妙にずれている食材を一つのお椀で使えるほんの一瞬をとらえたいい献立です。


原価を考え、前後の料理のバランスも考慮すれば、コースのお値段は¥30000以上でなければ成立しないようなお碗なのですが、「京味」さんであれば当たり前のようにできる献立です。


鱧とじゅんさいの組み合わせは先月も献立に使っていたのですが、早松も大ぶりに切って使えるような店になるためには、値段だけでなく料理人としての大きなハードルを越えなくてはいけないのです。


思い通りの素材を存分に使って、それに見合ったお足を頂戴する・・・・・料理にまとわるすべての要素が、いただくお足に調和して初めてお客様に納得していただけます。そして納得していただくお客様もその内容と値段を理解できる方でなければ料理屋と成立しません。


腕さえよければでも、値段さえ高ければでもないのですね。


ずっと使っているアラン・ミクリのサングラスには全く飽きが来ないのですが、緩んだねじを直しに伺った眼鏡屋さんで「いいのが入ったんですよ」と見せていただいたのがクロム・ハーツのサングラス。


クロム・ハーツが作るとサングラスも趣味がよくってかっこいいのですね。


分相応のところをとっかえひっかえ見ていてもなんか今ひとつだったのに、クロム・ハーツはかけた途端に「これだ!」って納得。見立ててくれていたお店の方も「あっ、これしかないですね」と。


いいものにはいいものであるためのわけがあります。


グラッときた心を抑えるには値段票を見れば十分です。分不相応 分不相応。