明細票

よく言われることなのですが、欧米では高級レストランでどれほどサービススタッフと和やかに心地いい食事をしようと、いざチェック(お勘定)の段になると、ホストは「なにか不正はないか」といわんばかりに細かく明細を確認するものである・・・・と。


日本では大多数の方が合計金額を見るだけ、いちいち細かくチェックをするのはけち臭いと思われそうだという風潮があるようです。


大体、ファミリーレストランやホテルなら明細に○○・・・1500円、○○・・・・2000円と食べたものがすべて打ち出されてますが、高級フレンチ・レストランなどでは、明細がフランス語手書きで書かれていて判読不可能だったり、高級寿司店や接待系高級割烹、高級クラブなどでは小さな小さな紙切れに、紙の大きさとは裏腹の高額なトータル金額だけを書いたものが渡されることがほとんどです。「高すぎる!」と思うか「計算間違えてんじゃないの?」と思うか、○○・・・○円がわからないのですから判断のしようがありません。一般消費者がそういう店にプライベートで足を向けにくいのはその小さな紙切れ(請求)に象徴される会計の不明瞭にあるのでしょうね。


先日、一見のお客様(接待利用)のお客様がお帰りの際、請求明細をおだしすると、「へーー、接待で使う店でこういう細かい明細書を見せてもらったのは初めてです」とおっしゃいました。私ン処が高級割烹、接待系割烹であるかどうかはお客様の判断しだいではあるのですが、お客様の請求には何のためらいもなく昔から、料理¥○○○×○人、磯自慢純米大吟醸¥○○○×○本、ブラウマイスター生ビール¥○○○×○本などと召し上がっていただいたものを打ち出したものをおだししていました。たまたま同じ日、さる大会社の偉い方も「ここは請求書が誠実だ」と・・・・。それが当たり前で通してきたものですから、言われて始めて「ああ、そういうものか」と納得してしまいました。


接待であろうがプライベートであろうが、予算はとても大事です。常連の方々は言わなくても毎回同じように仕上げるのは当然なのですし、始めてご予約をいただく方には、電話で、予算のおおよその目安(トータルの)や、こんなお酒を召し上がるとこんな風、こんなものがお好きだとこんな風と申し上げるようにしています。また、接待の時には予算の上限をお伺いするのも大事なことです。


「あの店はきっと高いに違いない」とおもっていらっしゃる皆さん。そういう店こそ、デートの時(は特に)予約のときに「予算の上限はこれだけです」としっかり告げることが大事なのです。いい店というのは必ず上手に相談に乗ってくれるはずです。料理店は常連になってくださることを切に願っているのですから。