さらにレア

clementia2005-04-21

昨日に引き続きレアモノのご紹介。ワイン、日本酒、焼酎と連続でお酒です。


世の中のレアモノ騒動はかなり斜に構えてみているほうなのです。ブランドのレアモノだとか、デパ地下の限定商品だとかいう類のものは、消費者の「私だけ意識」の優越感を高めるためだったり、在庫や売れ残りのロスをなくしたり、行列による購買意欲の増長をねらうめるためのマーケッティング戦略の一環な訳で、生産者が丹精をこめて作るために少量しかできなかったり、収益性が上がらない名誉のためだけに作っていたりするものとは一線を画します。こういうマーケッティングに踊らされるレアモノには興味がありません。欲しいのは、故あって少ししか出来ないもの、獲れないもの。造り手の努力が見えて美味しいがためのレアモノです。


というわけで、愛知県設楽町の蓬莱泉の米焼酎「吟の精」を紹介します。


この辺では蓬莱泉といえば純米大吟醸「空」が有名で、一般的にはまさにレアモノといわれるのですが、私ン処では「空」を常時置いておくのは当たり前。”「空」が置いてあるからって評価してくださるな。ちょっとがんばればその辺のお店でもつかえるお酒ではありませんか”と頑なにレアを否定しているのですが、この「空」やさらに上「吟」の酒粕でできる「吟の精」は私にとってもレアモノ・・・・というか、ほとんどプロトタイプのような米焼酎です。存在すら極最近知ったものです。


味わいの特徴は35%という高アルコールを感じさせないスムースさと、キンキンに冷やしても高く香る吟醸香です。一般的には温度が低ければ香りは大人しくなり、室温に近くなるほど香ってくるものなのですが、この焼酎には当てはまりません。まさに本当の意味での吟醸焼酎です。酒屋さんも「弁いちさんのような処で広めていただきたい」と嬉しいことを言ってくださいます。


さて、レアが正しいかどうかはお客様の舌次第。