シャンパン話その1

ひとつの事柄について知ったかぶりをして講釈をたれようと思うと、「あれ?この話って聞きかじりだけどホントか?」などと立ち止まることが頻繁です。お座敷での座興話であれば「あいつの言うことは話半分で聞いておけ」というお客様の暗黙の了解もあって許してもらえるのですが、日記に書いてしまうと訂正が聞かないだけでなく、名うてのソムリエさんやその道の権威、プロ顔負けのオタクなどが読んでいらっしゃるものですから冷や汗をかきます。ツッコミ処満載であるでしょうがその辺はご容赦を。


と、いい訳をしておいてシャンパン話を少々。


シャンパンは美味い
和食にはシャンパンだ


と、ざんざん言い散らしているますが、「シャンパンの定義って何?」「泡が出ればみんなシャンパンなの?」「フランスでできるやつがシャンパン?」などと思っていらっしゃる方がいるかもしれません。シャンパンというのは案外限定された飲み物でして、フランスの北部 シャンパーニュ地方のシャンパン製法で作られたワインだけをシャンパンと呼ぶのですね。


ですから同じ泡が出るワインでも、スペインで造られるものはカヴァ、イタリアならスプマンテ、ドイツではゼクトアメリカならスパークリングワイン、フランスでもシャンパーニュ地方以外のものはバン・ムスーと呼ばれます。いくら泡が出て、シャンパンと同じ製法で造っていてもシャンパーニュ地方以外のものはシャンパンと呼んではいけないのです。なんか意固地でヤナ感じと思うかもしれませんが、シャンパーニュ地方の長い苦難の歴史がやっと今の形を作り上げたことを思うと、「そりゃ当然だ」と私など思いますし、味の点でも私はまだシャンパンに太刀打ちできる泡のあるワイン経験がないのです。


例えば赤ワインであれば、フランスボルドーブルゴーニュに勝るとも劣らないワインは世界各地に存在し、白ワインでも「シャルドネだったらキスラーのほうがいいな」なんて言うとちょっと通ぶって聞こえたりもしますが、「クリュッグよりスプマンテの○○のほうが断然・・・」というのは今のところ考えられません。「あいつの舌はどうかしてる」と思われそうなくらい、泡モノの中でシャンパンは他を圧倒しているのです。




ところでこのシャンパン、恋愛の小道具としても欠かせないアイテムでもあります。「シャンパンのひとすすりは、ベットを30cm近くする」と言われたりするくらいですから。男性の下心もシャンパンい象徴されるようですが、女性だって意中の人にフレンチレストランに誘われたら、「今日はシャンパンがいいな」なんて言ってみるなんてどうでしょう?ベットはともかく、「あなたのことを悪からず思っている」・・・って理解できるくらいのお相手だと食事も楽しいでしょうね。ラブ・アフェアーが不得意な板前の言うことですから真に受けないでね。