ピノグリ グランノーブル

clementia2005-04-17

「な、なんだぁこりゃ」と思わずうめき声をあげ、その美味しさに次の言葉がでないワインというのがあります。そういうワインに初めて出会った時の感激は、いつまでも忘れられません。


メオ・キャムゼのリッシュブルー、クロ・パラントゥー、レ・ショーム
ドメーニュ・ロマネコンティの数々の畑と数々のヴィンテージ
ドメーニュ・ルロワの1992
コント・ラフォン、コシュデリの熟成したムルソー
昨年経験したボルドー5大シャトーの70年代それぞれのヴィンテージ
同じくシュバル・ブラン
1960年代以前のドゥデ・ノーダン



甘口のワインにもそういう出会いがあります。


ランゲン・ド・タン トケイ・ピノ・グリ クロ・サン・テオバル セレクション・ド・グランノーブル 1998 ドメーニュ・ショフィット


長い名前です。


短く言えばショフィットのピノ・グリ グランノーブル、アルザスワインに興味のある方にははずせない逸品なのだそうですが、私には全く未知のワインでした。こんな素晴らしいワインを知らなかったとは。。。。


信頼をしているソムリエさんに「甘いやつでなにか教えて」とお願いした中に、「ちょっと値段もいいですが。。。」と紹介してくれたワインの中の一本でした。


一口飲んで「えっ!」と言葉が出ませんでした。さまざまな極甘口ワインの中でもぬきんでて秀逸です。


グランノーブルというのは貴腐ワインのこと、貴腐菌がついたピノ・グリは葡萄の房に穴があいて水分が出てしまい、濃縮した果実実だけが残ります。見たい目には干し葡萄のように腐って見える葡萄を一粒一粒丁寧に収穫しても水分が抜け出た分搾り出せる果汁は極少量です。この高貴なワインを造ることができるのは、特別な年に運をつかみ取った特別な造り手だけなのだそうです。


日本料理店のワインリストにアルザス貴腐ワインを載せて注文していただけるものかどうか?趣味もここまでいけば道楽の域・・・と言われてしまいそうですが、値段の割りに美味しいからとか、有名で売りやすいからではなくて、私が本当に感動したものであれば美味しさはいつかお客様に伝わると信じてラインアップに載せます。